子どものころから好きだった、アラン・ポーの家を探した。『黒猫』や『黄金虫』などの作品は、どんなところで生まれたのか。いや、それよりも、ポートバージニアの不思議な愛情に惹かれたのかもしれない。妻に先立たれたポーの絶唱『アナベル・リー』は、大好きな詩のひとつである。
 ポーは、不遇な作家である。彼の真価は、やっと20世紀になって母国で認められてきた。
 写真は、ポーの家の三階、病気がちだったバージニアの部屋の窓である。彼女はいつもこの窓から、下の庭を通ってやってくるポーの友人を見つけたであろう。小さいけれど南向きの暖かい部屋である。二階にポーの書斎がある。これも小さい部屋である。日当たりよい明るいこの部屋で、あの怪奇な小説が生み出されていたのには驚かされた。
アラン・ポーの家の三階にあるバージニアの部屋の窓
フラデルフィアにて
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