ブラストBOX製作


ブラストて?
砂・鉄・アルミ・ガラス・クルミ・桃の殻・プラスティツクのメディア(粉末)等を空気圧の力を利用して、
工作物に叩きつけて表面の汚れを取り去ります。
この時に使うメディアの種類で表面が梨地になったり光沢がでたりします。
身近なもので、表札、お墓に彫られた法名等は、ブラストによって彫られたものです。
利点ですが、
手が届き難い箇所や洗っても取れない染込んだ汚れやサビ等を除去できます。


最初は、
金欠組ご推薦の衣装ケースブラスト^^;;
流石に1馬力のコンプレッサーでは、時間がかかりしんどいですね・・・

参考までに
アストロ製ブラストガン  1,980円
衣装ケース 598円
隙間テープ 98円
手袋 398円
ガラスメディア  #60 使い古しを貰う
ガラスメディア  #120 2,980円
アルミナ      #100 2,402円

どうせならウエットブラストにも挑戦だ!
と衣装ケースに水を入れ打ちました。(^^;;
水が少ないとホース内にメディアが溜まり効率よく打てません。
左:ガラス#120
右:ガラス#120+水

コンプレッサーの馬力があれば更に綺麗に仕上がるかと思います。



さてさて、、、
今まで衣装ケースを使ったBOXを使ってましたが、
私が主にブラストするスクーターのケースをブラストするには狭すぎるので使い辛く、
メディア回収が面倒、ひ弱な衣装ケースゆえに隙間対策を施してもメディアが毀れて勿体無い。
 コンクリートの上に散らばったガラスビーズは滑って危険!
市販品の大型BOXは高額で買えないので、
自作する事にしました。

先ず大きさを決めます。
・大きい物で全長50cm弱のスクーターのクランクケースの端を打てる大きさ
・日頃は倉庫の2階に置きっぱなし
・使う時だけ自宅に抱えて持って来る。
・内部に敷く網は既製品のバーベキュー用ステンレス製網
・外壁に使う板は3×6のコンパネ
持ち運び易さと重量を考えて横幅を85cm(内寸)に決め、奥行きと高さは衣装ケースの1.5倍の45cmとしました。
少しでも軽くする為に使用するコンパネも8mmと薄いです。

8mm厚の板では上手く箱型にできるか不安だったので、隙間封じの効果も考え枠に角材を入れて補強する事にしました。後々これが吉
のぞき窓も出来るだけ大きくした方が内部も明るく見やすくなります。
そのガラスも長時間使うと内側が傷ついて曇ってしまい視界が悪くなので、何かしらの対策を考えねばなりません。
夢が形に近づきつつあります。(^^)
出し入れとメディアの吹きつけ向きを考えて右側面に扉をつけました。

メディア回収部分の製作
ココが一番難題!
何故なら四角錐の一片の長さを求める計算式を高校で習ったかも知れませんが、全く覚えていません。(^^;;
困り果てて建築板金屋さんに価格を尋ねると「作ってみないと分からないけど、3,000円いや、4,000〜5,000円はかかるかも?」と言わ予算オーバーなので、どうしたものかと悩んでましたら、ホームセンターに3×6サイズの亜鉛メッキ(890円)板見つけました。
ハサミもあったし、安いし、子供の頃親父がハンダつけして接着していた事を思い出し、ダメもとでチャレンジしてみる事にしました!
いきなり本番は無謀なので、
先ずは頭を捻りながらPC上で1/10のモデルの平面図を作り印刷、切り出して思い通りの形状になるまで寸法を変え試作を繰り返しました。
ある程度の思いの形状と寸法になったので実践です。傾斜角度は急なだけ良いです。


薄いので普通のハサミで切れない事もありませんが、トタン専用ハサミで切ると楽に怪我せずに良いです。

切り終えたら曲げ
折り曲げる方に角材を重ねクランプと強力クリップで固定、
本来なら叩いて曲げる所ですが、0.25mmと薄いので手である程度曲げて木槌で叩いて仕上げます。
マジックで罫書き
重なる所は、はんだ付け用のミミを残す事をお忘れなく。

先ずは、手で曲げたのでボコボコです。
底の部分は、見え難い場所なので良しとしましょう。(^^;;

接着
重ねる部分にフラックスを塗り専用のトタン・板金用はんだを使って接着します。
接着もイロイロ試しましたら、
@最初にフラックスを塗りはんだ鏝でで蒸発洗浄
Aハンダを溶かし込み接着
B接着したハンダの周辺に再度フラックスを塗り、はんだ鏝を当てると万遍に馴染んで綺麗に仕上がりました。
覗き窓とブラスト物を出しいれする部分には、柔らかいゴム板(15mm幅)を頭の大きい釘で打ち付けました。
扉のロックは、機密性が高まると思うパッチンと止まる錠です。意外とお勧め

ダクト部分に使った残りの亜鉛メッキ板を眺めていたら、「勿体無いな」、「邪魔だな」と耽ってましたら・・・閃きました!
内壁に貼り付ければメディアが当たっても板に穴が空かない!
木屑も出ない!
亜鉛メッキされた板なので内部も明るくなる筈!?と思い、組み立てたBOXを急遽解体しネジ留めで貼り付けました。(^^;;;
残り物ゆえに内側全面を貼るだけの余裕が無いだけに、光の反射とメディアの跳ね返りを考えて最低限の箇所だけに貼りました。
思惑通りに内部が明るくなりました!耐久性もUPしそうです。
閃きは大切ですね。

完成してませんが、気分を高める意味で、赤に塗ってみました。(爆)
作業に必要な手袋用の穴を空けます。
手袋とBOXを固定させるために必要な○のワッカ探しに回った結果、内径150mmのエンビパイプを発見
邪魔にならない程度の長さに切り出しました。
穴は、ドリルで空けた後に正月の特売で買った1,000円ジグソーで切り抜きました。
コーキングを使って接着固定

専用の台座は、
アングルを買ってきて溶接して製作しました。
スチールは、溶接の熱で歪んで反るので、考えて溶接しないと不安定な台座になります。
イスに座って作業したいので低めです。
BOXは、持ち運びを考えて握りもつけました。

内部の仕上げ
四角の箱だけに隅が角ばっておりメディアが溜まる可能性があるので、コーキングを塗った後に三角の角材を打ちつけて対処しました。
後で分かったのですが、
コーキングにメディアがめり込みますから、コーキングは最小限に抑えた方が良いです^^;;
日陰にも関わらず、フラッシュ焚かなくてもこの明るさ!(^^)
手袋は適度な長さに切ってバンドで固定
見栄えを気にしないのであれば外部から固定した方が良さそうです。
亜鉛メッキ板が足りなかったので此方の面には貼ってません。
のぞき窓のガラスは、ゴム板を上下に重ねてアルミ板で固定
ガラスは、3mm厚を使用


使用して気がついた事
BOXと直圧式タンク間のホースにアダプターを使って接続して使用してましたが、時々アダプターにメディアが詰まるトラブルが発生しました。
取り付けが不便になりますが、作業を中断している時間の方がはるかに長いので、アダプターを取り去りました。
内部の気圧抜きは、3kの加圧の為かメディア回収ダクトの穴だけでも問題ありませんでした。
覗き窓は、ガラスビーズを使っている為か軽く埃を被る程度です。
回収ダクトの勾配が緩やかだった為か、四辺の角の部分にメディアが落ちずに溜まりますが、叩けば落ちます。
使用頻度が上がれば作り変えたいと思います。
メッキ板の内壁を貼り、大き目の覗き窓のお陰か、ライトで照らす必要は無いようです。



吸込み循環式と直圧式の比較
吸い込み式・循環式
利点 ・仕組みがシンプルなので安価
・メディアが循環して使えるので入替の手間が無い
悪い点 ・1HP(25Lタンク)程度のコンプレッサーで、カラスビーズを使った時は全く作業が捗らない。最初の10秒ほど
スクーターのケース磨くのに1日費やしても満足できる光沢を得られない。
直圧式
利点 ・吸い込み式に比べ数倍の作業効率!!
・1HP(25Lタンク)程度のコンプレッサーでも問題なくブラストできる
・ノズル径1.8mmなので、約3Kの加圧で安定した作業がこなせる
悪い点 ・吸い込み式に比べ重装備(重い、高い)
・ノズルが細いので、メディアを篩いにかけないと目詰まりを起こす。
対策:毎回篩いにかける
・ノズルが細いので、撃てる面積が狭い
・直圧式のブラストゆえ、補充作業が面倒
・出始めの数秒間は出かたにムラがある


衣装ケースBOXと自作BOXの比較
衣装ケース
利点 ・軽い
・安い!
・水を入れればウエットブラストも可能
悪い点 ・隙間からメディアが溢れる
・覗き窓を作らないと全く内部が見えない
・ケースを傾けて作業しないとメディア循環しない(吸込めない)
自作BOX
利点 ・広い
・意外と明るい
・メディア回収が楽
・漏れが極端に少ない
悪い点 ・取り回しが不便


★ 直圧式の動画をご覧になりたい方は、こちらへ


☆番外 その1☆
ブラストガンガン

吸込み式

安価で入門用には最適だと思います。
構造上、ノズル径が大きいので、1HP程度のコンプレッサーでガラスビーズをブラストした場合、最初の10秒ほどしか満足できる仕上がりを得られません。
メディアに水を加えればウエットブラストにもなります。

3HP以上お勧めします。
※光沢には個人差があります。
※アルミナは問題なし

直圧式
ブラストに付属していたガンキットを使用してましたが、ホースが硬く取り回し辛い上にガンもレバーが重たく手が疲れます。
;
直圧式改良ガン
コンパクトで取り回しも楽ですが、粉末になったメディアが切り替え弁周辺に詰まるらしく、ON・OFFの切り替えが次第に固くなりました。

直圧式タンク
自作も検討しましたが、製作に必要な部材の計算をしたらヤフオクで買った方が安いと分かり購入しました。(^^;;

タンク底にあるメディア供給のバルブは最初だけ位置調整すれば殆ど動かす必要はありません。

☆番外 その2☆
光沢を得るためにガラスビーズを使っております。
最初は何も知らずに#120を使い思うように光沢を得られないので#240を購入しブラストしましたら逆に白くなりました。(>_<)
どうして??と思った私は、メディア業者に尋ねました
ブラストした表面は、凹みの打痕が無数についておりその凹みの表面にガラスビーズが薄く着いて、これに光があたって光っていると教えて頂きました。
試しに#90で打ってみたら、よりいっそうの光沢を得ました。
参考にして下さい。


その3
ガラスメディアを使うとBOX内はそれほど曇りませんが、アルミナを使うと濃霧警報状態になり曇って全く見えません。アルミナ・砂等を使う際は集塵機を取り付けたほうが良いです。


専用のBOX買えば苦労しませんが、お金がありません。(^^;;

理想の物が無い時は自作するしかありません。
夢を形にする作業には、試行錯誤の繰り返しで、
失敗や苦労は付きまといますが、
完成時の喜びは例え様の無いものです!

自作BOX製作に挑んで見ては如何ですか?

懐に余裕があれば直圧式を勧めます。






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