クランクを組み立てよう! 専用工具さえあれば簡単! |
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ケースは割れるけど、組立が・・・て、言われる方が多々おられますが、ヤル気と専用工具さえあれば簡単です。(^^) ショップに高い工賃を払って組んでもらうのも良いですが、ショップによってはクランクシャフトにベアリングを入れた 状態でケース内に押し込んで組上げるショップもあるそうです。そんな事をやられたらベアリングのボールが痛み、 新品を入れた意味が無くなりますね・・・ 急を要し、度々組み換えのある私には、仕上がるまで待っている暇も工賃をありません。 最初、プロの作業工程を一度見て勘所を掴み、専用工具を揃え自分で組上げを始めました。 チャレンジしてみたいお方へ参考にしてください。 先ず第一番目の難所は、ベアリングの圧入です。 垂直に打ち込めないとケースが使い物にならなくなるだけに慎重に作業を行います。 ココでは二つのやり方を説明します。 |
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器具を使っての圧入法 ・プレス機 ・ハンマー ケースを綺麗に洗浄した後、薄らとオイルを塗りベアリングを打ち込みます。 今回は、ベアリングと然程大きさの変わらぬソケットレンチを使って叩いて打ち込みました。 ・トントンと軽く対角線上に均等に叩いて打ち込みます。 ・ベアリングが奥まで入ると叩く音が変わります。 ※プレス機を使用される場合でも、ベアリングを少し叩き入れた状態でプレスを始めてください。 ※底抜け防止にケース裏側にスペーサー等をかませて下さい。 |
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熱膨張を利用したベアリング挿入法 圧入式と違いケースを痛める危険性は低いです。 先ず、ベアリングを冷凍庫で冷やし、僅かでも収縮させます。 電熱器を使った方が早く作業が出来るそうですが、そんな物は家にはありませんから、ストーブを使いました。気温にもよりますが、15〜30分ほど熱し、 ベアリングを入れる周辺に水滴を垂らし、軽く蒸発が始る程度まで熱して、冷やしておいたベアリングを入れるとアラ不思議?簡単に入ってしまいます。(^^;; ・垂らした水が瞬時に蒸発してしまうほど熱し過ぎると良くありません。 ・ガスコン等の火力の強い物で直接熱するとケースの一部分だけを急激に熱した状態になり歪む恐れがあります。 鉄板を敷いて弱火で暖めると良いかと思います。 ・火傷に注意してください。 ・もし途中で引っ掛かったら叩いて入れか、さらに熱して落ち込むのを待つしかありません。 |
左右のケースにベアリングが嵌ったら、組立に移ります。 |
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作業は一気に組立へ 先ずは、カラーを忘れずに入れてください! 入れ損なうと締付けの際、ベアリングのボールに負荷が掛かりボールが変形損傷します。 |
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次にアダプターとクランクインストラボルトを装着します。 手前に見えるのは、クランクインストラポットです。 ・プリー側は、M10 ・ローター側は、M12 |
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クランクインストラポットをバイスまたは、パイプレンチで挟んで締め上げていきます。 慌てず慎重に締めこんでいきます。 ※クランクインスト−ラ−のボルト、ワッシャーにグリスを塗りつけておくと工具を傷めずに締め込みやすくなります。 説明用のケースが違いますがお許しを(^^;; |
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コンロッドが動くとトラブルの元なので、私は輪ゴムでこの様に吊るしてます。(^^;; 意外とお勧め! |
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画像が無くて飛びましたが、、、 ダウエルピンを嵌め、液体ガスケットを塗り、反対側のケースを組上げます。 ケチらずに塗りましょう! 組上げた後に食み出たガスケットを拭き去るのは言うまでもありませんね。(^^) |
ネジロック材は手元にあったラジコン用を使ってます。(^^;; 値段も200円でお手ごろですし、今のところ問題無いです。 |
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独断と偏見で締付けトルクは0.6→0.8→0.9N・mの3段回の必ず対角線上に締め付けます 今のところ問題ありません。 ココでワンポイントアドバイス!? 0.9で締付けても数秒後に0.9以下になる事が稀にありますから再確認を怠らずに(^^ トルクレンチは、ヤフオクで千円札数枚で購入しました。 |
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ボルトを対角線上に締め付けていけば作業終了です。 |
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プリー側にもボルトが1本あります。 |
画像なし | 組上げた後、 クランクの回りが悪い様だったら、左右のクランクシャフトをクランク側に木槌・プラハンマー等を使って軽く叩きます。 軽やかに回りだしますよ。(^^) |
画像なし | オイルシール オイルシーはケチらずに新品を使います。 画像はありませんが、あまり奥まで打ち込みますとベアリングに干渉して回りが悪くなります。 プリー側は、オイルシールの脱落を防ぐカバーを使って押し込んでます。今のところ問題なし |
これが今回使った工具一式です。(^^;; 参考までに・・・ |
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専用工具さえあれば、数十分で組立完了です!(^^) ショップに頼めば待たなくてはならないし、秘密の加工内容も第三者に知られます。(^^;; 自分で組上げたエンジンが軽やかに回るのは気持ちの良いものです。(^-^) ○純正工具(ヤマハ) ・ポツト,クランクインスト−ラ− (90890-01274)
・ボルトクランクインスト−ラ− (90890-01275)
・アダプタ−(プリー側 M10) (90890-01277) ・アダプタ−(ローター側 M12) (90890-01278) ・クランクインスト−ラ−スペ−サ− (90890-01411)
他を探せばさらに安価な工具もあるかと思います。 |
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