恋について



二十四時間会話をしている
在り得ない と人は思うかもしれないけれど
それは紛れも無く現実で

私達は
二十四時間会話をしている

それは恋でしょうと
人はにやりと笑ってウインクをする

「ええ 恋です だけど 笑い飛ばせないほどの 恋なんです」

*

週末に二人で居るありふれた風景に
たとえば目を開けている13時間
そこまで沈むのかというくらい沈み
そこまで飛ぶのかというくらい飛びながら
交わされる言葉

「理」でもあり「感情」でもあり

それを繰り返さなければ
恋は死ぬ

笑い事じゃない
恋に生きると宣言をして
恋が死ぬのであれば
笑い事じゃないんだ

闇に通ずるもの
光に通ずるもの
それぞれがそれぞれの重さで抱えてる何かを
露呈して浄化して消化する作業で寝不足になり
明け方にぼんやりとふたりきり

それを恋と呼ぶのかな

あなたは膨大に繋がりつつも孤独で
だけど乾いていて
私は私の濡れ方の弱さに滅多打ちにされた

二十四時間で足りるものか
一生かかっても終えられない


「逢いたい」が恋で
「おやすみ」は愛で

その差異を見極めたその次まで
「私達」を作り上げ

心中から逃れるために
この世界を生き延びるために
星のように輝くために
愛を一滴

とめどなく流れる血を
止めるための一滴
死なない程度の

それは弱さだとか偽善だとか
周囲の「人」をも範疇に入れたやっかいな「愛」の一滴だけど

この世界がこの世界であるための
この宇宙が宇宙であるための
必要不可欠の一滴




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