もうすぐ朝が



床の上に一枚
美しい言葉を
敷いてみようと思った

その上で眠ると
人は色付きの夢を見る

敷き言葉 二枚組 1980円

残業帰りのホームセンターで見かけたならば
そのセール品を見逃さず
私は衝動買いをするだろう

並んで眠る夜
触れたままの指先が連絡通路

お揃いの夢に
敷き言葉が響き渡り
ふたりは目をこらす

まるで
ミラーボール

美しいね とあなたは言ってくれた

わたしはなんだか半信半疑で
その唇が「はい、おしまい」と動くのを
想像してしまう


目覚めましょう
もうすぐ朝が




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