雫を一滴



10時10分の美しいバランスで
この丸い星の上に立つ

浮遊するより
大切なこと


わたしのその凛々しい姿を
いつかあなたに見せたい
いつもあなたに見せたい

足先から雫を垂らす
土が肥えたら
二人が作った豊かな記憶を
びっしりと植えよう

わたしも
あなたも
転ばぬように

ふかふかの大地に立って
生きていけるように


人が言うほど強くもなく
人が言うほど優しくもない
人が言うほど器用にも歩けないけど

人が言うほど無様ではない

それってきっとみんな同じ
まるっきり同じ

とにかく今は立ってる
あとは懸命に生きる

バタバタと慌ただしい日々
バランスの良い
美しい時間を手にするまで

人として
女として
雫を一滴
二人の大地に




戻る