陶器のようなその顔を



陶器のようなその顔を
眺めているのが辛かった

軽く揺らせば
簡単に割れてしまう世界だったのに

血の気のないその蒼白い顔が
美しくてただ息を呑んだ

愛おしい
愛おしいのに

何故? の氾濫は
空しく暴れるだけで

ああ
絵画の中で生きていたんだ

その綺麗な顔が
今もどこかで
凍り付いたままなら

今度こそ叩き割って
奥底からこぼれ落ちた真っ赤な一滴を
この喉元に流し込みたい




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