留学帰国後、出版社員・塾講師など5年間一般企業に勤めていました私は、31才時での
教員採用試験受験を決意しましたが、試験半年前は専門教科(英語)以外の知識は全くゼロでした。
高倍率の難関と言われる2001年度県教員採用試験を1回受験合格した勝因は何なの?と、
その疑問の答えるべく私の合格体験記を書いてみました。
私が難関を突破できた理由は、「絶対に合格する」という相当に固い決意と
失敗は許されないという「背水の陣」の気持ちを持ち続けたことが大きかったと
思います。知り合いには出来る限り採用試験を受験することを告げ、「絶対に受かる」とも付け加え
ました。友人達は「あなたなら大丈夫」と励ましてくれましたが、県教員である姉だけは厳しいお言葉を。
「そんなに甘くはない」
仕事の傍ら、教員免許取得のために日大通教で単位を積み重ね、
同時に採用試験の準備を続けられたのも「絶対に私が現場を変えてやる」という決意を
絶えず自分に言い聞かせていたからだと思います。
一次試験合格後の二次試験当日、お昼休みの間、他の受験生と話をしていたのですが、
となりの人が今後のことをとても不安がっていました。気持ちはわかるケド、
「そういう気持ちじゃ落ちるよ。私は絶対に受かると思っているんだから
そういう私にあなたが勝てるわけがない。」と言ってあげました。 そうすると彼はハッとして
しばらくした後、「私も絶対に受かる」と私に向かって言い直していました。
その時の表情ってさっきの表情とはまるっきり違って見えるんですよね。
面接ってこういうところをみられているはず。
山積する教育問題に真っ向から立ち向かう意志の強い教員がほしいんだから。
採用試験後には「私を採用しなかったら県教育委員会は間違っている」とも自負してました。(笑)
(これは行き過ぎデス)
(ちなみにこのページは二次合格発表前に合格を確信しながら作りました)
「自分を信じる」というコトはとても大事だと思います。
しかし、信じているだけではいけません。
「自分の可能性は自分で引き出す」というコトがもっと大事です。
「そのためには何をしたらいいのかを考え行動する」コトがもっともっと大事です。
多少の回り道や挫折は当然のコト。そういうときにこそ自分を信じて
自分の可能性を自分で引き出す行動を起こしてほしいのです。
A goal is a dream with a deadline!
1999年10月(翌年2月まではほとんど勉強になっていない)
そろそろ採用試験対策を何かしないといけないと思い、いろんな教材を探し始める。
予備校講師としてフルタイムで働いていたので、「通信講座」の教材を各社検討。
値段的にはどこも同じようなものなので、何が各社の特徴なのかをピックアップしていった。
通学部も持つ「東京アカデミー」では、集団討論や面接対策等も行うということで、「ここだ」と思い
受講決定。 予備校講師の私としてはライバル会社であり、生徒として入会するのも複雑な気持ち。
(東京アカデミーのホームページへリンク)
通信講座「教職教養+一般教養+論作文」を申し込む。
後日、教材が届いた。
参考書5冊(教職教養2冊、一般教養3冊)
問題集3冊(教職教養1冊、一般教養2冊)
セサミノート2冊(教職教養1冊、一般教養1冊)
教育答申資料集1冊
復元問題(過去3年間全国の過去問題集)
論作文対策テキスト
面接対策試験対策ビデオ
添削課題(教職教養15回、一般教養15回、論作文8回)
参考書と問題集の一部デス
目の前に立ちはだかる教材の山。
とりあえず過去問題を見てみたがさっぱりわからない。(汗)
教職教養の知識は皆無で、一般教養もぜんぜんダメ。
何とか納得できるのは「面接対策試験対策ビデオ」だけだった。(涙)
1999年11月
休日、参考書・問題集・セサミノートを持って図書館に通うが計画通り進まない。
残された山のような教材に後ろ髪を引かれながら気持ちは焦る一方。
あぁあ〜ぁっxっz、これでは間に合わない。
高倍率の難関を乗り切るにはもっと敵を知り、効率よい勉強をしないと、、
ということで、2月から東京アカデミーの土日通学部に通うことに決定。
教材は通信講座の時に送られた教材なので無駄にはならず、また若干の割引もあった。
(突然の出費だったので授業料の資金集めはそうとう大変)
2000年1月末
東京アカデミー主催「教員採用試験全国公開模擬試験」を受験。
「教職教養+一般教養」のみの模試だった。
知識ゼロに近い状態で受験したが、燦々たる結果であった。
偏差値が38点。なんじゃこりゃという点数に自分もびっくり。
全国順位も下から数えた方が明らかに早かった。(涙)
どう考えても合格圏内に入っていない私の適正機能はこう働いた。
「本当の勝負は専門教科と人物対策だ!」
2000年2月(試験まであと5ヶ月。本格的な勉強開始)
土日通学部に通う。 このコースは昨年10月から開講されていて
10月〜基礎講座、1月〜応用講座、4月〜実践講座となっている。
週休二日で働いていたが、その休みの二日が通学部で一日中授業。
洗濯の時間もないほど忙しい毎日だったが、その効果は絶大であった。
全くの皆無であった教職教養もこの3ヶ月でまず何をしないといけないのかがわかった。
敵を知ることができたのだ。 なるほど、これだけのことをやれば合格するんだネ♪
2000年4月
敵を知ることができたが、まだ知識はほとんどゼロの状態。
授業の内容も細かいことは1週間後には忘れてしまっている。
あと3ヶ月、とにかく残された時間を最大限有効に利用しなければ間に合わない。
アカデミーの授業は範囲を絞るというよりもやはり全般的に行っていて(まぁ当然ですが)
私には時間の無駄に思えてきた。もっと効率よく、出るところだけを集中的にやらないと。
以前は3つの県をかけ持ちで受けるつもりであったが、最終的には長崎県一本に絞った。
長崎県対策だけの準備を進め、そこで長崎県に落ちればどの県でも無理だろうと思ったからだ。
まず、過去問題を徹底的に調べて出典元を洗った。出そうな答申はマーカーで真っ赤っか状態に。
教育法規、学習指導要領も出そうなところは真っ赤っか。
私の方針としては、この真っ赤になっている部分を完璧に覚えて、他のは目を通す程度に。
アカデミーの教材以外で私がバイブルにしていたのが時事通信社内外教育研究会編の
「教職教養スコープ」 これはハンディータイプの参考書で、この一冊を完璧にすると決めた。
以前、教材の山で唖然としていたので、なんとも頼もしい薄い一冊である。
これもマーカーで真っ赤っか。足りない情報は書き込み、何度も何度も繰り返し覚え続けたので
購入時に付けてもらったブックカバーはすぐにぼろぼろ。
アカデミーの授業は結局、一般教養にはまったく出ず、教職教養も半分ほどの出席率。
アドバイザーはあまり関心しないようであったが、自分の道を信じ自分の勉強に集中した。
2000年5月末
某高校で2週間の教育実習。毎日3時間ほどの睡眠時間だった魔の2週間。
だけど、最終日にもらった生徒達の寄せ書き見てすべての疲れが吹き飛んだ。
みんなと別れるのは寂しかったケド、みんなとの約束は必ず果たすと決意をさらに強くした。
「必ず教員になって、またこの教壇に帰って来てください。」
2000年6月中旬
教育実習も無事に終わりほっと一息ついたところだったが
アカデミーでは追い込みに入っており、受験生の目つきは一段と鋭く、教室に緊張した雰囲気が漂う。
アカデミーが提供してくれる問題等は参考程度にとどめ、あくまでも自分が予想する問題だけに
絞って勉強を続けた。通信講座の添削は結局何ひとつ手を付けることなく、なんかちょっともったい
なかったかなぁという気も。受験まであと少し。そんなことより早く自分のノルマを完璧に仕上げないと、、
集団討論対策@東京アカデミー福岡校
2000年7月
これまでの総復習。自分で予想した問題が完璧かどうか確認していった。
アカデミーの教材以外で買った教材もたくさんある。
本屋で立ち読みしているとなんとなく不安になり買ってしまうのだ。
でも結局は一度も目を通すことなく本棚に眠っている。
これもそうとうもったいなかったなぁと今更。 CDだったら何枚買えただろう?
試験が近づくにつれ、使う教材はもっと絞られる。
「答申集」「学習指導要領」「教職教養スコープ」
はじめからこの3冊だけでよかったのじゃないかとさえ思えてくる。
さぁ、こい採用試験! 予備校講師としての受験に対するプロ意識をみせてやる!
(結局一般教養対策には手が回らず、覚えたものは日本文学と国際連合の専門機関ぐらい。
あとは本当に私の中の一般教養で戦うことになった)
2000年7月22日
一次試験1日目 @長崎西高等学校
教職教養、一般教養
専門教養
英会話テスト(30分)(英語受験者のみ)
一次試験2日目 @長崎大学附属小学校
集団討論(30分)
「日本でも国際語として英語の公用化がすすめられているが、
小学校における英語教育についてあなたは賛成か反対か。」
2000年8月22日
一次合格発表!
2000年9月6日
二次試験(5日間のうち指定された1日) @長崎県教育センター
模擬授業(5分)
「生徒主体のオーラルコミュニケーションの授業で全く発言をしないクラス
がある。あなたならどう授業を工夫するか。」
個人面接(20分)
小論文(900字70分)
「今、学校に求められているもの。」
内田クレペリン作業検査(35分)
5因子性格検査(20分)
パソコン実技(60分)
「家政科作品展示会の案内」の公文書作成
2000年10月5日
二次合格発表!!!!!!
(最終的な数字は2001年1月にアップ予定です)
(現時点では、二次試験合格者数がわかっていません)
前年度小学校の採用人数が35名だったのに対し、平成13年度は60名となったので
小学校希望者は倍率は大きく緩和された。それでも約14倍の難関である。
長崎県は、中学・高校の保体受験者でスポーツで優れた実績を有する者の特別選考を実施している。
また、中学・高校の英語受験者で英語の有資格者(英検1級、TOEFL550以上)については専門試験が
免除される。(英会話テストは要受験)
願書に自己PR欄があり、文章で自己PRをまとめなくてはならない。
【教養試験(一次)】
出題比率は、教職教養60%、一教養40%であった。
教職教養は、教育原理・教育史・教育心理・教育法規から出題され、基本的な内容であった。
教育原理では、教課審答申・生徒指導・同対審答申が出題された。
一般教養は、国語・英語・数学・地学から出題された。内容・レベルは基本的な問題である。
【面接試験】
一次試験で集団討論、二次試験で個人面接と模擬授業が実施された。
集団討論は、控え室で課題を与えられ15分間で考えをまとめ、入室後自己紹介をし、
2分程度で自分の考えを述べた後、自由討論を行った。模擬授業は、課題を与えられ、
模擬授業形式または意見発表形式のどちらかを自分で選択して行った。
1次の英会話テストは(英語受験者のみ)、6人1グループでネイティブの質問に順番に
答えるものであった。教育問題についての所見などつっこんだ質問ではなく、日常英語の
運用能力を確認する程度のテストであった。(30分)
【論作文試験(二次)】
受験日によって異なる。学校のあり方や教育に関する考えを論じるテーマが出題された。
【パソコン実技(二次)】
保護者向け案内書等の公文書をワープロソフトを用いて作成するものであった。
Copyright(c)2000 Skinski All rights reserved