民法U

第一章 序説

第一部 契約

第二章 契約法の構造

第三章 契約とは何か

1 序

2 契約の拘束力

3 合意と契約

4 「契約自由の原則」について

5 契約の種類

第四章 契約プロセスと契約法

一 契約成立前の段階

1 契約交渉

2 契約交渉の破棄

3 契約締結課程での情報提供義務

二 契約の成立

1 「契約の成立」の意味

2 申込と承諾

3 隔地者間の契約の成立

(1)申込は撤回できるか
(2)承諾によって契約が成立するのはいつか
(3)申込後の死亡・行為能力喪失

4 対話者間の契約の成立

5 競売・入札による契約の成立

6 申込と承諾以外の方法による契約の成立

(1)意思の実現による契約の成立
(2)交叉申込

7 懸賞広告

三 契約存続中の関係

1 序

2 総務契約上の債務における牽連性

(1)三つの牽連性
(2)成立上の牽連性

3 履行上の牽連性

(1)同時履行の抗弁権
(2)同時履行の抗弁権の要件
(3)同時履行の抗弁権の効果
(4)行使方法

4 存続上の牽連性−危険負担

(1)存続上の牽連性とはどのような問題か
(2)債務者有責の場合
(3)両当事者無責の場合
(4)債権者有責の場合
(5)原始的不能の場合の再検討

5 事情変更の原則

(1)序
(2)要件・効果
(3)評価

6 第三者のためにする契約−契約当事者以外の第三者に効果の及ぶ場合

(1)民法の規定の抽象性
(2)普通の契約との違い
(3)その他の効果
(4)第三者のためにする契約の判定

四 契約の終了

五 解除

1 意義と機能

2 要件

3 履行遅滞による解除

(1)要件
(2)解除の方法
(3)定期行為の例外
(4)効果
(5)解除権の消滅

4 履行不能による解除

5 不完全履行による解除

6 継続的契約の解除

六 契約終了後の関係

第五章 売買

一 売買に関する民法の規定の構造

二 売買契約の成立

1 民法の規定する売買とは何か

2 売買の予約

3 手付

(1)序
(2)手付の認定
(3)手付の種類
(4)宅地建物の取引と手付
(5)履行の着手

4 売買の費用

三 売買の効力

1 基本的効力

2 担保責任

(1)担保責任とは何か
(2)担保責任の法的性質
(3)瑕疵担保
(4)その他の担保責任
(5)担保責任に共通の問題

四 特殊の売買

1 序

2 訪問販売

(1)基本思想
(2)基本構造

五 買戻

第六章 贈与

一 意義

二 成立

三 効力

四 その他の贈与

第七章 賃貸借(含 用益物件)

一 総説

1 賃貸借とは何か

2 不動産利用権の各種と賃貸借

(1)使用貸借
(2)地上権
(3)地役権)
(4)永小作権・入会権
(5)賃貸借の地位

3 賃貸借に適用される法律

(1)民法の賃貸借規定の構造と特別法
(2)借地借家法の適用対象

二 賃貸借契約の成立

1 成立要件

2 契約成立の際に授受される金銭

(1)敷金
(2)権利金
(3)更新料

3 処分の能力・権限のない者の賃貸借

三 存続期間

1 最初の存続期間

(1)民法の原則
(2)借地法
(3)借家法

2 更新

(1)民法の原則
(2)借地法
(3)借家法
(4)担保の継続

四 賃貸人・賃借人の権利義務

(1)使用・収益させる義務等
(2)修繕義務
(3)費用償還義務

2 賃借人の権利・義務

(1)使用収益権
(2)賃料支払義務
(3)終了時の目的物返還義務

五 賃借権の譲渡・目的物の転貸

1 原則

2 解除権の制限

3 解除できるときの法律関係

4 有効な譲渡・転貸がなされたときの法律関係

六 賃借人の第三者に対する関係

1 賃借権の対抗力の問題

(1)不動産賃借権の対抗力
(2)借地権の対抗力
(3)借家権の対抗力
(4)動産賃貸借の対抗力

2 賃借権の二重設定

3 特別の終了原因

(1)賃借人の債務不履行による解除
(2)目的物の滅失・朽廃等による使用不能
(3)賃借人の死亡

第八章 消費貸借・消費者信用

一 序

二 意義

1 成立

2 消費貸借契約の法的性質

三 効力・終了

1 効力

2 終了

四 準消費貸借

五 消費者信用

1 序

2 割賦販売法

(1)適用対象の取引
(2)割賦販売についての規制
(3)残された問題

第九章 役務型の契約

一 雇用

二 請負

1 意義

(1)雇用との違い
(2)売買との違い

2 請負をめぐる論点

(1)目的物の所有権の帰属
(2)危険負担・瑕疵担保責任

3 下請負と下請

三 委任

1 意義

2 成立

3 効力

(1)受任者の義務
(2)委任者の義務

4 終了

(1)任意解除権
(2)死亡・禁治産
(3)終了の際の特別措置

5 医療契約

(1)医療契約の構造
(2)医師の義務

四 寄託

1 寄託とは

2 当事者の権利義務

3 寄託の終了

4 特殊な寄託

第十章 その他の契約類型

一 組合

1 意義

2 財産関係

3 業務執行

4 組合員の変動

5 組合の解散・清算

二 終身定期金

三 和解

1 意義

2 要件

3 効力

(1)和解と錯誤
(2)和解と後遺症

第二部 不法行為法

第十一章 序説

一 不法行為制度の目的と機能

1 不法行為とは何か

2 被害者の救済

3 不法行為の抑止

二 不法行為法の構造

1 一般不法行為と特殊不法行為

2 不法行為特別法

3 一般不法行為の構造

第十二章 一般不法行為の要件

一 故意・過失

1 序

2 過失とは何か

3 過失概念の定式化

4 過失の判断基準

5 過失の認定

6 過失の推定

7 医療過誤訴訟の法律構成

8 過失責任の原則に対する例外

9 故意

二 権利侵害

1 雲右衛門から大学湯へ

2 「権利侵害」要件をめぐる論争史

3 権利侵害要件のゆくえ

4 権利侵害の例

(1)物権
(2)債権
(3)生命・身体
(4)公害・生活妨害
(5)身分権
(6)名誉毀損
(7)プライバシー
(8)その他の人格的利益
(9)営業権
(10)不当訴訟

三 損害

四 因果関係

1 因果関係とは何か

2 相当因果関係

3 事実的因果関係の立証

五 責任能力(付・監督責任)

1 なぜ責任能力が必要か

2 責任能力をめぐる問題点

六 不法行為責任の成立を阻却するその他の事由

1 意義

2 種類

3 正当防衛・緊急避難

4 被害者の承諾

5 正当(業務)行為

6 自力救済

第十三章 不法行為の効果

一 損害賠償をめぐる問題

二 損害の金銭的評価

1 財産的損害−物・財産権

2 財産的損害−身体・生命

3 精神的損害

三 損害賠償の範囲

1 相当因果関係

2 損害賠償の範囲の画定

四 賠償額の減額調整

1 過失相殺

(1)過失相殺とは何か
(2)過失相殺の適用
(3)「被害者側の過失」法理の機能

2 被害者の素因

3 好意関係

4 損益相殺

五 損害賠償請求権者

1 被害者本人

2 被害者が死亡したとき

(1)近親者の慰謝料請求権
(2)財産的損害の賠償請求権の相続
(3)慰謝料請求権の相続

3 間接被害者

六 損害賠償請求権の消滅時効

1 制度の趣旨

2 「損害および加害者を知りたる時」の意味

七 差止請求(特定的救済)

第十四章 特殊不法行為

一 概観

二 使用者責任

1 意義

2 使用関係

3 「事業の執行に付き」

(1)判断基準
(2)取引行為と使用者責任
(3)事実行為と使用者責任

4 その他の要件

5 効果

6 企業責任

7 自動車事故の特別法−自動車損害賠償保障法

三 工作物責任

1 意義

2 要件

3 損害賠償義務者

4 717条をめぐるその他の論点

5 国家賠償法2条

四 製造物責任

1 立法の経緯

2 要件の特色

3 効果の特色

五 共同不法行為

1 共同不法行為理論の混迷

2 何のための制度か

(1)709条の原則
(2)一般原則の不都合

3 問題となる加害類型と719条

(1)複数加害者の不法行為
(2)719条の構造

4 学説について

5 具体例

6 判例

7 共同不法行為の効果

(1)「各自連帯にて」
(2)共同不法行為者間の求償
(3)連帯責任の例外

第三部 事務管理・不当利得

第十五章 事務管理

一 意義

二 要件

三 効果

四 準事務管理

第十六章 不法利得法

一 不当利得とは何か

1 不当利得法の現状

2 民法の不当利得法と不当利得の「類型」

(1)一般不当利得法
(2)不当利得の類型論

二 要件

1 受益・損失・因果関係

2 法律上の原因のないこと

3 応用事例

(1)結納金返還請求
(2)騙取金による弁済
(3)転用物訴権

三 効果

1 侵害利得の類型

2 給付利得の類型

四 特殊の不当利得

1 非債弁済

2 期限前の弁済

3 他人の債務の弁済

4 不法原因給付

(1)意義
(2)制度趣旨
(3)要件
(4)効果
(5)他の請求権との関係
(6)708条但書