合格講座 手形小切手法 その1

手形法の基本原理

債権譲渡の場合、債権者・債務者間の事情で譲る請け人が損害を受ける危険がある。
しかし、それでは「権利の流通」が阻害される。
そこで考え出されたのが手形制度である。

手形では原因関係と無関係に権利が行われ(無因)
証券の作成によって権利が発生する(設権性)

つまり、「手形(書面)を通じて」、「債務負担の意思表示」を行う

手形面上の文言のみにしばられる=文言証券性

よって、権利の内容を定めるに必要な事項は記載されていなければならない=要式証券性

要件を欠いた手形は無効となる(75条)=厳格な要式証券性

*本来、債務は債権者の住所でなすのが原則(持参債務;民484条)である。
しかし、手形は転々流通する。よって債務者は債権者を確知できない。
ゆえに手形債務は債務者の支払場所にて履行される。つまり取立債務である。