会社法(2006年対応版)


◎会社の性質

1 社団性

(1) 一人会社の社団性

(2) 一人会社の特殊性

    株主総会開催、招集手続の要否、取締役会承認の要否(譲渡制限株式・利益相反取引・競業禁止取引)

2 法人性

(1) 権利能力の範囲(民法43条類推)

(2) 定款所定の目的の範囲の基準

(3) 法人格否認の法理(意義・趣旨〜濫用事例・形骸事例、要件・効果)

3 営利性

(1) 営利性の意義

(2) 会社の目的と非営利行為(寄付・政治献金等)


◎会社の種類

1 会社の種類

(1) 人的会社と物的会社

(2) 比較の視点(社員の責任態様の差→債権者保護、社員の経営参加程度、投下資本回収方法の違い、等)

(3) 持分会社(合名会社・合資会社の統合。社員の直接無限連帯責任、所有と経営の一致、退社、除名、簡易な設立手続、労務・信用の出資、設立取消の訴え、等)

(4) 有限会社(有限会社制度は廃止された。新会社法はこの有限会社をベースとしているといわれる)

(5) 合同会社(新たに合同会社が新設された(会社法575条1項))


◎株式会社の特質

1 間接有限責任

(1) 間接責任(意義)

(2) 有限責任(意義)

2 資本

(1) 資本の意義

(2) 資本充実の原則

(3) 資本維持の原則

(4) 資本不変の原則

(5) 資本確定の原則(授権資本制度)

3 資本・株式・会社財産の関係

(1) 資本と株式の関係(H13年改正による修正)

(2) 資本と会社財産の関係

(3) 株式と会社財産の関係


◎会社の設立

1 設立中の会社

(1) 定款

(2) 発起人

(3) 発起人の権限と範囲

(4) 成立後の会社との関係〜設立中の会社の意義、成立後の会社による追認の可否

2 変態設立事項

(1) 現物出資(趣旨、無効原因が治癒されない場合の処理)

(2) 財産引受(趣旨、定款記載なき財産引受の効力、追認の可否・方法、責任、財産引受以外の開業準備行為への類推の可否)

(3) 設立費用の帰属(未払債務の帰属先、発起人の責任)

(4) 比較(現物出資・財産引受・事後設立)→営業譲渡・合併・会社分割との関係にも注意

(5) H14年改正(現物出資、財産引受、事後設立についての検査役の検査の省略手続の拡充)

3 仮装払込

(1) 預合・見せ金の意義、効力、判断基準、発起人の責任、会社設立の効力との関係

(2) 保管証明責任の適用範囲、存続時期

4 会社設立の瑕疵

(1) 瑕疵の種類・態様・具体例

(2) 設立無効の訴え

(3) 資本充実責任の履行と設立無効の回避

5 設立関与者の責任

(1) 任務懈怠責任、資本充実責任、対第三者責任の法的性質

(2) 会社不成立の場合の発起人の責任の法的性質

(3) 設立無効の場合の資本充実責任


◎株式

1 株主平等の原則

(1) 意義、根拠、内容、昨日、違反の効果と具体例、違反か否かの判断基準

(2) 例外と理由、具体例

(3) 解釈論上問題となる事例(日割配当・株主優待制度など)

(4) 種類株式(H13年改正により拡充)議決権制限株式の規制緩和、転換予約券付き株式、強制転換条項付き株式)

2 株式譲渡自由の原則

3 法律による株式譲渡制限

(1) 権利株

(2) 株券発行前

(3) 自己株式取得の制限(H13年改正)

(4) 子会社による親会社株式の取得制限

(5) 端株

4 定款による株式譲渡制限

(1) 制限の趣旨

(2) 制限違反譲渡の効力・譲渡人の地位

(3) 株主総会・代表取締役の承認を要する旨の定めの可否

(4) 譲渡担保の承認の要否

(5) H16年改正(株主の請求がない限り、株券の発行を要しない)


◎自己株式

1 自己株式取得の制限

(1) 制限の趣旨・弊害の回避手段

(2) 自己株式の取得・保有・処分の要件・手続

(3) 制限違反の自己株式取得の効力

(4) H15年改正(機動的な自己株式取得)

2 自己株式の法的地位

(1) 共益権の行使の可否(議決権等)

(2) 次駅権の有無、行使の可否(利益配当請求権、残余財産分配請求権等)

3 親子会社株式取得の制限

(1) 制限の趣旨、違反取得の効力、適法な親会社株式の法的地位

(2) 親会社による子会社に対する専横防止策

4 端株・単元株

(1) 制度趣旨・権利内容・両者の比較

(2) H2年改正(端株の買取請求権)

(3) H13年改正(単元株制度の創設、端株権の廃止)

(4) H14年改正(端株の買増制度の創設)

(5) H16年改正により端株制度は廃止。単元未満株式に一体化。


◎株券と株式名簿

1 株券

(1) 株券の有価証券性(株券の効力発生の時期、手形との相違)

(2) 株券不所持制度の趣旨

(3) 株券不発行の合意の効力(H16年改正で株券不発行会社が原則となる(214条))

(4) H14年改正(株券執行制度、所在不明株主の株式売却制度の創設)

(5) H16年改正(株券不発行制度の制定)

2 株主名簿と名義書換

(1) 株主名簿の意義・機能・基準日

(2) 名義書換未了株主の地位

(3) 名義書換の不当拒絶

(4) 失念株(新株引受権の帰趨)

(5) H16年改正(名簿閉鎖制度の廃止)


◎株式の諸問題

1 株式担保

(1) 種類(略式質・登録質・譲渡担保)

(2) 効力(利益配当請求権に及ぶか)

(3) 物上代位の方法

2 株式の消却・併合・分離

(1) 意義・それぞれの認められる場合

(2) 償却・併合・分割の効果

(3) 償却・併合と未発行株式総数との関係


◎機関の分化

1 所有と経営の分離

(1) 所有と経営の分離の制度趣旨

(2) 取締役権限・代表取締役権限の株主総会への委譲の可否

(3) 株主総会権限の取締役会・代表取締役への委譲の可否


◎株主総会

1 議事進行

(1) 招集手続の欠缺・瑕疵・省略等(全員出席総会、代理出席)

(2) 株主総会の活性化(形骸化の現状と原因、活性化のための具体的制度)

(3) H.13・H,14年改正(株主総会の合理化・簡素化)

(4) H.15年改正(利益供与の禁止294条ノ2→295条に変更)

2 株主の議決権

(1) 一株一議決権の原則(241条1項)と例外(完全無議決権株式、議決権制限株式、端株・単元株)

(2) 議決権行使の態様(代理行使、不統一行使、書面投票等)

(3) 少数株主の保護(資本多数決の原則とその修正・限界)

(4) H.14年改正(種類株主の取締役等の選解任権制度の新設)

3 株主総会決議の瑕疵

(1) 瑕疵の種類と主張方法(決議取消・決議無効・決議不存在の訴え)

(2) 裁量棄却の趣旨・要件

(3) 決議が取り消された場合の決議に基づく行為の効力


◎取締役会

1 取締役

(1) 意義・資格・員数

(2) 選任・解任

2 議事進行

(1) 招集手続の欠缺・瑕疵・省略(他の取締役や監査役への通知欠缺等)

(2) 特別利害関係人(解任決議対策の代表取締役等)


◎代表取締役

1 代表権の濫用・逸脱

(1) 意義・権限

(2) 代表権濫用の効力と法的構成

(3) 代表権の逸脱〜株主総会・取締役会決議を欠く行為の効力

2 表見代表取締役

(1) 改正前262条の意義・趣旨・要件・効果

(2) 類推の可否・要件(代表権限名称を付与された取締役以外の者の行為、共同代表取締役の単独行為)

(3) 改正前262条と改正前12条との関係

3 代表取締役の職務執行の適正確保

(1) 共同代表取締役制度

(2) 会社に対する取締役としての意義・責任

(3) 取締役会による監督、他の取締役(平取締役等)の監視義務の有無・範囲〜非上程事項にも及ぶか

(4) 監査役・株主総会・株主による監査・監督


◎取締役と株主

1 代表訴訟

(1) 趣旨、要件、判決効

(2) 追求しうる責任の範囲

(3) H5年の改正点(要件緩和の内容・趣旨と問題点)

(4) H13年改正(会社の熟慮期間の延長、訴訟告知・公告制度の整備、会社と株主の和解、会社の取締役への訴訟参加など)

(5) H15年改正(代表訴訟提訴時の手数料額13000円)

2 株主差止請求権

(1) 趣旨・要件(他との比較)

(2) 差止請求を無視してなされた行為の効力


◎取締役と会社との関係

1 取締役の会社に対する義務

(1) 善管注意義務と忠実義務の関係

(2) 経営判断原則

2 競業避止義務

(1) 制度趣旨

(2) 「事業の部類に属する取引」の意義、「自己または第三者のために」の意義

(3) 承諾を欠く競業取引の効果、特に介入権の趣旨・要件・法的性質・効果

3 利益相反取引

(1) 制度趣旨、規制内容、対象範囲(間接取引、手形行為)

(2) 承認を欠く利益相反取引の効果

(3) 取締役の責任の法的性質

4 取締役の報酬

(1) 報酬の意義、規制の趣旨

(2) 規制の範囲(賞与、退職慰労金、使用人権業務取締役の使用人分給与)

(3) 決定方法(取締役会への一任、代表取締役へのさらなる一任の可否等)

(4) 報酬委員会(H14改正・大会社等のみ)

5 取締役の会社に対する責任

(1) 改正前266条各号の制度趣旨

(2) 改正前266条1項5号と1号乃至4号の法的性質の相違

(3) 改正前5号「法令」の範囲

(4) H13年改正(責任免除の要件の緩和)


◎取締役と第三者の関係

1 取締役の対第三者責任

(1) 制度趣旨、法的性質

(2) 悪意・重過失の対象、損害の範囲、一般不法行為との関係

(3) 第三者の範囲(株主を含むか)

(4) 平取締役の責任(非上程事項にも監視義務を負うか)

2 取締役の範囲

(1) 名目取締役(選任決議のみあり)

(2) 表見取締役(選任決議なし)

(3) 退任登記未了の退任取締役


◎監査役

(1) 意義、制度趣旨、地位、権限、報酬

(2) 業務監査権限の範囲(妥当性監査まで及ぶか)

(3) 会社の規模による監査制度の違い

(4) H13改正(監査役制度の拡充)取締役会への出席の義務化、任期の延長、辞任についての総会での意見陳述等

(5) 監査委員会(H14年改正、大会社のみ、妥当性監査まで及ぶ)


◎大会社等についての特例(H14年改正)

1 重要財産委員会制度

(1) 意義・権限

2 委員会制度

(1) 監査委員会(意義・権限)

(2) 報酬委員会(意義・権限)

(3) 指名委員会(意義・権限)

3 執行役制度

(1) 執行役(意義・権限・責任)

(2) 代表執行役(意義・権限)


◎会社の計算

1 資本金・準備金・剰余金配当

(1) 資本金の算定基準

(2) 準備金の意義、種類、財源

(3) 利益配当の要件、手続

(4) H13年改正(法定準備金の使用の拡大)

(5) H15年改正(中間配当限度額規制を改正)

2 違法配当の意義・効果

(1) 意義・効果

(2) 会社・会社債権者による返還要求

(3) 裁判外での違法配当の主張

(4) 取締役・監査役の責任(対会社、対第三者、刑罰)

3 経理検査権

(1) 会計帳簿閲覧請求権

(2) 検査役選任請求権


◎会社の資金調達

1 会社の資金調達手段

(1) 種類(借入金、内部留保、新株発行、社債)

(2) それぞれの手続の特性・長短(機動性、額の多寡、期間の長短等)

2 新株発行と設立の相違

(1) 共通点

(2) 相違点

(3) 特殊の新株発行

(4) 申込証拠金(性質、適法性)

3 既存株主の保護

(1) 既存株主の不利益

(2) 株主と新株引受権の付与

(3) 「特に有利な金額」の意義

(4) H13年改正(閉鎖会社につき、授権株式数制限の撤廃)

4 新株発行の差止・責任

(1) 要件、不公正発行の意義(支配権維持目的の新株発行等で問題となる)

(2) 取締役の財産価格填補責任

5 新株発行無効の訴え

(1) 制度趣旨・要件・主張期間・効果

(2) 無効原因(強行法規違反、不公正発行、差止無視、取締役会・総会特別決議の瑕疵・欠缺、新株発行事項公示の欠缺)

6 新株予約権の発行

(1) 意義・決定・譲渡・行使・償却

(2) 株式交換・株式移転・合併・分割と新株予約権

7 社債の発行

(1) 社債と株式の異同(共通点、相違点、接近化傾向)

(2) 社債権者集会と株主総会

(3) 社債管理者の機能・権限

(4) 新株予約権付き社債(H13年改正により新設)


◎会社の基本的変更・消滅

1 資本金額の減少

(1) 実質上の減資と名目上の減資

(2) 減資の方法

(3) 手続(株主総会特別決議)

(4) H14年改正(手続の合理化)

(5) H16年改正(債権者保護手続)

2 営業譲渡

(1) 意義・適用範囲・要件(重要な営業用財産の譲渡との区別、合併との区別)

(2) 特別決議に瑕疵・欠缺ある営業譲渡の効力

3 合併

(1) 意義、法的性質、手続(H9年改正の要旨・合併手続の簡易化、債権者保護手続の合理化、簡易合併制度の創設)、効果

(2) 営業譲渡、株式取得との異同

(3) 合併無効の訴え(無効原因、合併比率が不公正な場合等、判決の効力にも注意)(415条)

(4) 情報開示(事前の開示・事後の開示)

4 会社分割

(1) 意義(新設分割と吸収分割、物的分割と人的分割)

(2) 効果(資産の移転に第三者対抗要件が必要か)

(3) 手続・債権者保護手続

(4) 無効の訴え

(5) 情報開示(事前の火事・事後の開示)

5 株式移転・株式交換

(1) 意義

(2) 効果

(3) 手続

(4) 無効の訴え(363条、372条)

(5) 情報開示(事前の開示・事後の開示)