おとり捜査とは、捜査官(又はその協力者)がおとりとなって人に犯罪をそそのかし、犯行に出たところを逮捕するという捜査方法である。
国が犯罪を作り出しこれを処罰するなど批判も強く、一定の場合許されないのではないかが問題となる。
この点、犯意誘発型と機会提供型とを区別し、犯意誘発型の場合は無罪とする説もある(実体法説)。しかし、刑法上これを無罪とするのは困難で妥当でない。 他方、詐術で人を罪に陥れること自体がフェアでないとして、公訴棄却とすべきとする説(訴訟法説)もある。
基本的に妥当であるが、場合を分けて考えるべきである。
すなわち、犯罪の害悪の重大性、おとり捜査方法の格別の必要性、手段の相当性等を前提とした上で、犯意誘発型の場合に、犯意を誘発するような方法の不公正を理由として公訴棄却による制裁を考えるべきである。なお、機会提供型でも、極端な場合はデュープロセス違反となろう。