ポリグラフテストの適法性

 ポリグラフ検査とは、被験者の質問に対する血圧、発汗などの生理的変化を測定して供述の真偽を判定する心理検査をいう。
 これを捜査方法として用いる場合、被疑者の黙秘権(憲38条1項・198条2項)を侵害することにならないか。回答書が供述証拠といえるかが問題となる。
 思うに、生理的変化は、それを独立として意味を有するものではなく、発問との具体的対応において意味を有している。
 とすれば、かかる生理的変化は供述的性格を有しているともいえ、解答書は供述証拠にあたるというべきである。
 よって、同意なきポリグラフ検査は黙秘権の侵害にあたる。
 ただ、黙秘権は法が認めた被疑者の特権であると解すべきであるから、被疑者の真摯な同意があれば、その包括的な放棄を認めてよい。
 よって、被疑者の真摯な同意の下に行われたポリグラフ検査は、捜査方法として適法である。