証拠能力 証拠を公判廷に提出して裁判官の事実認定の資料となし得る適格性(証拠調べをなしうる適格性および事実認定の用いてよい適格性)

裁判官の自由心証主義の例外である。

証拠能力の三つの観点 (1)自然的関連性の要件

証拠が要証事実に対して最低限の証明力を有しているか否か

(2)法律的関連性

証明政策上、一定の手続と構造に従った認定が求められているか否か

(3)証拠禁止

手続適正等の優越的利益の保護という手続政策上証拠の利用が禁止されるか否か

  証拠能力のない証拠の取調請求や証拠決定に対し当事者は異議申し立てができるし(309条)、裁判所も職権で証拠排除できる(規205条の6、207条)。

  このような証拠能力の有無は、すべての証拠について必要とされるわけではない。

要証事実との関係で相対的・多元的に決まるのである(多元的許容性のルール)

要証事実が厳格な証明となる場合に初めて証拠能力が要求され、自由な証明で足る場合には必ずしも証拠能力は要求されない。

証明力 証拠が裁判官の心証を動かせる力

  証明力の評価は原則として裁判官の自由心証に委ねられる(318条)。

証拠と事実との論理的関連性(狭義の証明力=非供述証拠)と、証拠の信用性(信憑性=供述証拠)との二つの側面がある。

証明力が類型的に著しく低い場合は自然的関連性を欠くので、両者は相互に関連し会う関係にある。