合格講座 その3

 

○書面投票制度

→条文上の根拠→特例法(株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律)
←株主の議決権行使の保証

○取消判決に遡及効はあるか?

遡及効あり←根拠は、247条が109条(取消の対世効)を準用しているが、110条(遡及効の制限)を準用していない。よって原則通り遡及効を認めざるを得ない
『総会の決議でAが取締役となり、さらに彼が代表取締役となった後、右総会が取り消された場合、取り消されるまでにAと取引関係に入った甲はいかに保護されるか?』
判決確定までは取引関係は有効である。
○取締役選任決議が取り消されたとき、Aの行為の効力は?
取消→遡及的無効となるとすべての取引関係が覆されるか?→それではまずい。
そこで、商法14条を使って修正する
「不実登記の効果は善意の第三者に対抗できない」

取締役の氏名、代表取締役の氏名、住所は登記事項(188条2項7号8号)
「不実の〜登記をした者」=すなわち会社は善意の甲に対抗できない
○瑕疵ある招集手続に基づいて招集された株主総会においてなされた営業譲渡の決議(245条)

民法110条を使って救済(相手方甲がこの要件を満たす限り甲は保護される)
○第一回総会で取締役が選任された後、第二回総会で利益配当の決議がなされた。第一回総会の取消がなされた場合は?

第一回総会の決議の瑕疵により取り消されたことを理由に第二回以降のすべての決議が無効とされるのか?

会社関係を巡る法律的安定性が害される←まずい。いつまでたっても総会が開けない

では、どーするか?14条による保護は可能か?

直接にはできない。これは会社内部の問題であって第三者保護規定である14条はそのままでは使えない

結局、14条の類推適用にもって行くしかない←理論的には苦しい
【追記】
学説では事実上の取締役という概念を使って遡及効を制限する立場が有力

問題

『株主総会の決議に瑕疵がある場合、法的安定性の要請は商法上どのように図られているか?』

決議取消の訴え(247条1項)

「決議の方法」
237条の3(株主の総会招集請求権)
通知に記載されなかった議題の決議の強行
「定款に違反」
←法令違反の場合は決議無効の確認の訴え(252条)
←定款違反は比較的瑕疵が軽微なので、提訴期間や提訴権者が制限されたる「取消自由」にすぎない
決議無効の訴え(252条)
「法令に違反」
決議の内容が違反すること(例:株主平等原則違反、取締役会を廃止する決議等々)
*無効(252条)と取消(247条)の違い
・提訴権者〜無効の場合は制限なし→取消の場合は247条で制限
・提訴期間〜無効の場合は制限なし→取消の場合は248条で制限
・裁判所の裁量棄却〜無効の場合はなし→取消にはある(251条;招集手続、決議の方法)

○不存在の訴えか、取消の訴えか?

『A社の平取締役Bが独断で株主総会を招集し、決議した場合』
 
株主総会が開催され、外形的に議決が存在すると言えるなら、その決議をなお尊重する必要があるため決議取消の対象となる。

しかし、そもそも外形的にせよ、株主総会の決議が存在するとは言えない場合には、もはや尊重する価値はない。

そのような場合、いつでも、誰でもが決議が存在しないことを主張しうるのでなければならない。

外形的に見て決議が存在すると言えるかどうかによって、不存在か取消かが区別される

例えば、代表取締役が招集したならば、外形的には存在しているように見えるかも知れない。しかし、平取締役が招集するとなると外形的に見ても尊重する外形はない

いつでも誰でも決議不存在の訴えが可能となる

取締役会

取締役会は、取締役の全員をもって構成され、その会議における決議によって、業務執行に関する会社の意思を決定する必要的機関である。
会社と取締役との間←委任の関係にある(254条3項)
←よって、善管注意義務を負う(民644条)
*善管注意義務と「忠実義務」(254条の3)との関係が論じられたが、両者の関係は同一のものと解してよい。
・構成員は三人以上(255条)
・任期は2年以内(256条1項)が原則
・取締役会の招集権者=各取締役が有する(259条)
・招集手続および省略(259条の2,259条の3)←監査役への通知が欠かせない
○招集通知に記載されていない事項を議題として決議できるか?株主総会の場合と比較して論ぜよ
そもそも、取締役にとっての議決権とは、単に受任者として保有するものであって、株主の議決権のように所有者の権利として保有しているものと比べれば、弱いものと言わざるを得ない。
よって、株主総会においてはNG。
←議決権の有効適切な行使を保障するためには不可欠

他方、取締役会においてはOK。
議題通知不要
←業務執行は迅速に行われる必要あり
←取締役は業務に精通しているので、議題の記載は必要とされない(259条の2)

○では、解任の議決に特別利害関係人が参加することは?
・株主総会
取締役Aの解任決議にA自身議決権を行使できるか?
これは特別利害関係人にあたる
かっては特別利害関係を有する株主は議決権を行使できなかった。
S.56の改正によって、利害関係人でも議決権行使が原則として可能となった。
もっとも、著しく不当な決議がなされた場合は、決議取消の訴えを提起できる(247条1項3号)。
・取締役会
取締役会で代表取締役を解任する決議に自身は議決権を行使できるか?
特別利害関係人にあたる
そして、260の2 2項で決議に参加することができないとされている
その理由は、そもそも取締役にとっての議決権とは単に受任者として保有するものであって、株主に議決権のように所有者の権利として保有しているものと比べれば弱いものと言わざるを得ない。
個人的利害関係を有する取締役はその利害関係に基づいて議決権を行使するおそれがある。
決議の公正を害し、ひいては株主の利益を害するおそれがある
よって、決議の参加が禁じられたのである。