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替えの効かない固有の私を実感する関係性を作ること

 
 
フリーター全般労働組合 山口 素明


こんにちわ。フリーター労組の山口です。「うい」へのお便りを書かせていただけるということで、締切を大幅に超過しながら、キーボードに向かっております。

さて、私たちの組合が本格的な活動をはじめてようやく3年がたちました。その間、「自由と生存のメーデー」、「反戦と抵抗の祭」、「麻生邸リアリティツアー」などに組合内外の仲間と協力して取り組んできました。労働/生存と反戦、とりわけ新自由主義者が押し並べてしまう階級と歴史の問題を突き出し、貧困者の構想力を示すことは私たちの活動のひとつの軸です。日常的な労働相談、生活相談としては、この間だけでも業界は介護、ガソリンスタンド、Tシャツブランド、健康食品販売、警備業、ガールズバー、IT、NPO、英会話学校、洋菓子アンテナショップetc. 課題は解雇、多重派遣、セクハラ、パワハラ、賃金未払い、労働条件の不利益変更・・・まあこれだけよくも問題が生じるものだというくらい多様です。

業界と課題を問わず共通するのは、相も変わらぬ「自己責任」への還元です。当人がこれまで蓄積してきた「雇用能力」や人生上の「選択」、問題に突き当たったときに要領よくそれを切り抜ける知識と如才なさの欠如が、あまりに理不尽な状況の主因であるかのように捉えられています。

つい先日スポーツ紙などで結成間近と報じられたキャバクラユニオンにも、ネット上ではワガママイウナ、自己責任だろ、というだけでなく目を覆わんばかりのヘイトコメントが跋扈しています。だが何も社会意識の傾きの話ではありません。訪れる人々の多くは程度の差こそあれ、内面化された「自己責任」意識と、労働現場で傷つけられ続けた尊厳との激しいせめぎあいを突き抜けようともがいている。これらの人々とつながることが私たちの主要な課題なのです。

もちろん背景には制度の問題があります。第一に失業コストが個人に降りかかる社会。最近は倒産解雇とともに、日常的な嫌がらせを伴う退職勧奨、労働強度の増大や賃金の切り下げ(先日は給与を二三万から一〇万に変更されたという相談がありました)の相談が増えているのですが、その背景にあるのが皮肉なことに政府の雇用維持政策です。中小零細企業の多くは雇用維持を助成の条件とする雇用助成金を受けています。そのため経営者は解雇をせずに労働条件を悪化させ自主退職を促すわけです。しかし自主退職するとたとえ雇用保険に加入していても受給までの待機期間が長く生活を維持できない。その結果理不尽にも雇用にしがみつかざるを得ないことになります。

第二に、雇用以外の生存の支えからの排除。保護を求める多くの人が「水際作戦」で恥辱を植え付けられ追い返され、生活保護の捕捉率は2割程度に過ぎません。雇用を奪われればほとんどの人が最低限度の生活すら送れなくなる現状です。これに対応して、各地で申請への同行、集団申請などが進められていますが、ユニオンぼちぼちが直面しているように、生活保護の申請が「職務強要罪」として逮捕・起訴の対象となる事態が生じています。

これらを打ち返すために重要なのは、仲間を感触できる関係を作り上げることだと実感しています。ひとは孤立しても何かをなし得ますが、仲間のために/支えで何かを達成できます。人は人を必要とし必要とされることで替えのきかない固有の私を実感できるからです。私たちフリーター労組も、FUFをはじめとする九州の仲間、全国の仲間の驚嘆すべきあるいはニヤリとさせられる活動に刺激され励まされてきました。すべての想像力の源はそこにあります。これからもよろしくお願いします。

 
     
     

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