撮影の基礎の基礎

  1. 水平レベルは確実に。

    フレーム内で人物が傾いている・・・。水平レベルは微妙に狂っていても気持ちの悪いものです。スタートスイッチを押す前に、フレーム内の柱などの垂直なものに基準を合わせ確認しよう。水準器付きの三脚は水平レベルをとるうえで大きな助けとなるが、この場合もファインダー内で確認する。
  2. カメラを振り回さない

    安定したフレームの中で対象物が動くのはいっこうにかまわないのだが、フレーム自体が無目的に不自然に動くのは避けなくてはいけない。
    映像の四角のフレームは自分以外の誰かに見せるために、ある意図をもって意識的に切り取られた世界なのです。1つ1つのカットを1枚の絵画として考え構図を決めよう。三脚を使用すればさらに安定感は増す。
  3. ヒキを忘れるな

    久しぶりの家族ドライブ。ビデオを撮りまくったのはいいけれど後で再生してみると人物の顔ばかりで、どうもなにか足りないような気がする。・・・そのはずです。このビデオはでき事がどこで起きたのかを伝えていないのだから。すなわち状況を説明するための、ヒキ(ロングショット)を撮らなくてはならないんです。
    たとえば結婚披露宴なら会場全体を見渡すカット、建物の概観、客のカット、運動会ならグランド全体を見せるカットなど。
    被写体に引きずられ過ぎると、ついつい撮り忘れてしまうのがこのヒキのカットなのです。
  4. ヨリを撮り忘れるな

    逆に状況説明ばかりに意識がいってしまうとヨリ(クローズアップ)を撮り損なうことがある。
    友人どうしで海外旅行に行ってビデオを撮ってきたのはいいけれど、広い風景の中に人物をとらえたカットばかり。だから表情がわからないから楽しさが伝わってこない、などともったいない話もある。
    クローズアップにすると、普段私たちが意識しない魅力が見えてくる。
  5. インサートカットを撮ろう

    狭義では、映像と音を同時収録したビデオテープの一部映像だけを入れ替えるときに用いるのをインサートカットという。広義では、主人公や登場人物のいる一連のシーンの中に挿入する”主人公の写っていないカット”
    をさす。ここで取り扱うのは広義のインサートカットである。
    たとえば秋の日光路を旅するとしよう。川とか高原だけのカットをしっかりとした構図で撮っておけば状況説明にもなる。植物や小動物などもインサートカットとして使いやすいので、意識的に撮っておこう。
    また編集するのであれば、インサートカットは”時間の省略”に大きな働きをする。たった3〜4秒のインサートカットの間に、主人公は駅から城跡へと移動できるのです。
  6. カメラポジションに工夫を

    もっとも基本になるカメラの高さを目高(めだか)という。撮影者が自然に立ったときの目の高さにフアインダーを合わせる。撮れる映像は、私たちがふだん見ている世界に近いから安心感がある。
    しかし目高でばかり撮っていると変化に乏しい映像になってしまう。
    たとえば子供たちの姿を撮るときには、彼らの目の高さを基本にする。和室での行事を撮るなら正座した目の高さが基本となる。ちょっとしたカメラの高さの変化が、被写体に対する温かいまなざしを生むのを忘れないように。
  7. レンズの選択に工夫を

    同じ人物のクローズアップでも、ワイドレンズで撮ったのと望遠レンズで撮ったのでは大きくイメージが違ってくる。ワイドでは状況の中に人物を捕らえることができるが、望遠では画角が狭いうえに奥(遠く)がボケるから、より人物を強く意識させるカットになる。
    レンズの選択もさることながら、ズームレンズに頼り過ぎて、自分の足でカメラポジションをかせぐということとが、最大のポイントである。
  8. 長く撮りすぎるな

    2時間の行事を撮ってみたらテープが1時間半も回ってしまい、結局、面倒臭くなって一度も見ていない・・・こんなテープがあなたの手もとにありませんか。
    目的を絞りこんで撮る・・・運動会なら、全体の記録を目指すのか、自分の子供の成長記録として取るのかでは撮り方も、撮るのも、撮る瞬間も違ってくる。
    被写体が見せる魅力的な瞬間をとらえる意識と集中力がないとテープはダラダラ回るばかりである。
  9. スタートを遅れるな、カットを早まるな

    被写体が魅力的な動きをする瞬間や決定的な変化を見せる瞬間を見逃さないためには、被写体の動きをうまく予測することが大切である。
    また、カットは「もうこれで十分」と思ってからまだ3〜5秒回す。あとから余韻が欲しいと思うことがある。再生の時は、でき事は現場で見ているときに比べて、時間的な余裕が必要になる。
  10. 逆光は補正!に限らず

    逆光になると必ず補正ボタンを押してしまう。これはあまりいい傾向ではない。例えば木々の間に立つ少女の姿・・・。無理に逆光補正するよりは、少女をシルエットで見せたほうが、はるかに雰囲気のあるカットになる。
    但し、人物のバストショットが逆光により暗くなるときに、しっかりと補正して美しい色を出してあげるのも大切です。



編集の基礎の基礎

  1. まずはイメージ作り

    まずテーマを決める。同じように子供を撮っても、子供の見つめるものに主題を置くか、親子のつながりに主題を置くかで、創造するイメージが違ってくる。
  2. 素材を整理する

    テーマに沿った映像のすべてに目を通すのは当然の理。そしてただ見るだけではなく、それらの内容を書き出してみたり、ラベルを作るなりしておくと、後々の作業が効率的に行える。
  3. 不要部分を削除

    素材を整理し、全体を見渡せば次はイメージに合わせて、ある程度の構想を練る段階。よく見ると不要なカットは意外に多いもので、イメージに合わないものや余分なカットは思い切って捨てること。これが大事です。
  4. カットを割り振りする

    見せたいカットをどう見せるかも重要な編集テクニック。各カットの並べ方次第で、その画面の印象が変わってくるし、次のカットへの流れも考慮しなければならない。従って、編集者の主観を表現できる過程でもある。
  5. 時間の調整

    個人的な作品を作る上では、それ程気にすることはないが、放送局などでは秒単位で時間を合わせる。しかし個人作品でも、あまり長時間だと見苦しいし、1年の行事を60分テープにまとめる、などの心掛けは必要だ。
  6. 作品出来上り

    出来上がった作品は貴重なオリジナル作品である。カセットのツメは折っておこう。家族で見るのも良し、友人、知人に配るのも良し、とにかく誰かに見せて意見や感想を聞こう。今後のビデオ編集にきっと役にたつ。

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