こんにちは
まず、私が高校生だった時の気持ちに戻って「大学生のこういう所が分からない、知りたい」と思っていた事からお話しようと思います。
また、私は佐賀大学農学部の学生なので、他の所と多少違う点についてはご了承ください。あまり大きな違いは無いとは思いますが・・・
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大学の試験について
大学の試験は、高校とは違い期末試験しかありません(理工学部は大変なので、中間試験と期末試験で評価するようです)。15回の講義が終了してから16回目で試験、という形ですが、評価の仕方は先生によって様々です。試験は無くレポートで評価する先生もいますし、出席点と試験の点数で評価する先生もいますし、試験のみの先生もいます。
また、試験は全て論述形式です。高校までの試験とは違って記号問題はありませんし、分からなかったらとりあえず思い浮かんだ単語を書いておく、という神風特攻隊的な戦法も使えません(先生方の方針や外国語などで多少違いはあります)。全く的外れな解答でない限り部分点はもらえるので、自信がなくても何か書いておく事をオススメします。
試験は過去問とほぼ同じ問題が出される事が多いです。まあ、同じ授業をしているわけですから、その講義において大事な点というのは自ずと限られてきますよね。サークルの先輩や友達を通じて過去問を入手しておくことが大切だと思います。範囲が広いので、出す問題を予告してくださる先生もいます。
GPA制度について
大学の成績評価はGPA(grade point average)という方法で評価されます。中学や高校では1〜5の5段階評価だったと思いますが、大学では0〜4の5段階評価になります。
成績は大体このように評価されますが、評価する先生によって多少の違いはあると思います。
秀、4、A (90〜100)
優、3、B (80〜89)
良、2、C (70〜79)
可、1、D (60〜69)
不可、0、F (59点以下)
各教科で出された0〜4の成績の平均が自分のGPAになります。このGPAがやがて研究室配属や就職の際に関わってくる場合があります。
時間割について
大学の授業は、高校までとは違い自分で時間割を組む事が出来ます。自分の所属している学部学科学年ごとに開講されている講義や選択可能な講義が決まっているので、自分が好きなように時間割を組んでください。
また、選択科目は自分で受講するかしないかを決めることが出来ますが、必修科目は学部学科で受講する事が義務づけられているので、それは必ず受けなくてはなりません。文系の学生は選択科目が多く、理系の学生は必修科目が多いようです。先生によって単位が取りやすい、取りにくいがあるので、先輩や友達に聞いてみるといいでしょう。
単位について
大学は単位制といって、授業科目を単位という学習時間数に分けて修得していく方式になります。
講義や演習などでは90分(1コマ)×15週=22.5時間の授業を学修すると2単位です。実験やスポーツ実習、外国語などは1単位です。
よく「単位を落とす」と言いますが、然るべき学習内容を修得しなければ単位は下りません。成績評価で言うと可以上で単位が出ます。残念ながら不可を取ってしまった授業は、来年また受講しなおさなければなりません。
授業について
高校までの授業では、自分たちの教室に先生がいらっしゃって授業が行われる、という授業が主だったと思いますが、大学の授業では自分たちが講義の行われている教室に移動しなくてはなりません。短い時間でキャンパス内を移動しなければならないので、少し大変になります。
授業は、先生の方針にもよりますが、パワーポイントを用いたスライド形式が主になります。スライドを見せながら話をされるので、全てノートを取ろうとすると大変なので、要点をまとめる技術が必要になります。レジュメを配ってくださる先生や、ネットから落とせるようにしてくださっている先生もいらっしゃいますから、ぜひ活用してください。
大学の試験は、ただ板書を写しただけのノートでは太刀打ちできません。先生の補足説明の方が重要なので、適宜メモを取って聞き逃さないようにしてください。板書もせずに口頭での説明されたことが試験に出ます。
決められた席はありませんし、出席も自由です。全て自己責任の世界なので、自分が今一番しなければならないことを良く考えて、悔いのないキャンパスライフを送ってください。
大学生の服装について
当たり前ですが、大学に制服はありません(大学校は別ですよ)。体育や実習でもない限り基本的に私服で構いません。
それから、全体的に学生がお洒落かどうかは本当に各大学によって違います。そこは事前に調べてください・・・。
私の大学では、普通にジャージやほぼ寝間着で登校してくる人もいますが、よその大学ではみなさん朝からバッチリ化粧までしてくる人ばかりの所もあるそうなので一概には言えません。とりあえず入学してからしばらくは、女子はみんな雑誌から出てきたような似た格好をしていましたが、時間が経つとそうでもなくなりました・・・。
生活について
授業開始時間は各大学で違いがありますが、佐賀大学の1限の開始時刻は8時50分です。私は通学に2時間かかりますが、大学付近に下宿している人は8時45分に出ても間に合う、という人もいます。
大学の時間割は自分の好きなように組めるので、必ずしも1限から出席する日ばかりではありませんし、自分が選択している授業が終われば帰ることが出来るので、夕方まで大学に居る必要もありません。講義と講義の間に空きコマがある日もあるので、自分の時間が多く持てるのではないでしょうか。
参考までに、私の1年時と2年時での時間割を簡単に書いておきます。
1年前期 |
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月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
スポーツ講義 |
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主題 |
主題 |
化学 |
生物 |
スポーツ演習 |
主題 |
主題 |
情報基礎概論 |
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第二外国語 |
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農学基礎科目 |
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情報基礎演習 |
大学入門科目 |
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英語 |
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2年前期 |
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月 |
火 |
水 |
木 |
金 |
専門科目 |
英語 |
教職科目 |
主題 |
専門科目 |
専門科目 |
農学基礎科目 |
主題 |
第二外国語 |
専門科目 |
生物学実験 |
物理 |
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専門科目 |
フィールド 実習 |
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教職科目 |
友達関係について
「大学ではサークルに入らないと友達が出来ない」と言われているようですが、必ずしもそうではないと思います。大学では講義ごとに学生が入れ替わるので、交流が多い授業では色々な学部の友達が出来ますよ!と言っても話しかけられるのを待っていても駄目ですから、タイミングを逃す前に自分からどんどん話しかけてみてください。入学したての頃などはみんな知らない人に囲まれて戸惑っているので、迷惑に思う人はいないと思いますよ。
ですが、他学部の生徒とは授業で会うだけですから、話をする友達は沢山出来ますが、一緒に行動したり遊んだりといった深い関係にまで発展することは稀なので、気が合う仲間や学部を超えて親密な友達が欲しい人は気になるサークルや部活動に参加するのも良いかもしれません。
また、大学生は基本的に夜遊ぶ傾向にあるので、自宅生はあまり誘ってもらえません・・・。
サークル活動について
大学には様々なサークルや部活があります。新入生の歓迎の時期には多くのサークル間で熾烈な新入生争奪戦が行われるため、新入生はタダでご飯を食べさせてもらえたり、遊びに連れて行ってもらえたりと色々ちやほやしてもらえるので、この間に気になるサークルを見学してみて下さい。
日本の大学の中 には、健全なサークルを偽った宗教団体もあるらしいですし、押しの強い所では入る気がなくても断れなくなる可能性がありますので、出来れば友達と見学して回る方が良いかもしれません。これはあくまで一部の話なので、殆どのサークルではこのような事はないですから怖がらないでくださいね!ぜひ色々な所を見学して、自分の居場所を見つけてください。
休みについて
短期大学や専門学校は休みが少ないですが、四年制の大学はほぼ休みばかりと言っても過言ではありません。休みの始まりと終わりは私立大学と国立大学で違いますが、国立大学では
4月初旬〜8月初旬:前期授業+期末試験
8月初旬〜9月:夏休み
10月〜12月下旬:後期授業
12月下旬〜1月初旬:冬休み
1月初旬〜2月中旬:後期授業+期末試験
2月中旬〜4月初旬:春休み
と、夏休みと春休みは約2ヶ月あります。この間に集中講義が開講されることもあります。この長い休みを利用して、サークル活動に勤しんだり、バイトを入れたり、自動車教習所に通う人が多いです。
今までは私が高校生の時に知りたかったことを書いてきましたが、ここからは大学ではなく専門学校生の友人が思っていた大学生像と現実との違いを私の経験からお話しようと思います。
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「大学生ってもっと大人なイメージがあった」
中学生から高校生になった時もそうだったと思いますが、同じ人間なので学年が上がったくらいでいきなり大人になるというのは無理な話です。むしろ高校までのように規則が厳しくないので、縛られない分だけはっちゃける人も少なくないと思います。
「飲み会に良い印象がない」
ニュースでもたまに大学生が飲酒で病院に搬送される事故が報道されていますよね。大学は本当に飲み会が多いですし、たまに大学構内の掲示板でも未成年の飲酒や、未成年に飲酒を勧めたことで懲戒処分になった人が掲示されています(匿名ですが)。
未成年の飲酒は法律で禁止されていますから、勧められてもきっぱりと断って構いません。最近は断りにくいという学生のために「飲酒お断り」パッチシールのようなものも配布されていますよ。
「授業の様子を一人ぼっち編と友達がいる編でどう違うか教えて欲しい」
授業はお喋りの場ではないので、基本的に一人で聞くものですが、やはり友達と同じ講義を取った方が有利です。
一人だと、頼れる人がいないのでその授業を全部自分でカバーしなくてはなりません。友達がいれば、やむを得ず休んでもノートを貸してもらえますし、プリントも確保してもらえます。交友関係が違う友達であれば過去問をもらえることもあります。授業で分からなかった所や聞き逃した所も教えてもらえます。レポートや課題は一緒に考えれば別の視点の意見が聞けるので、自分が一人で考えただけのものより膨らんだものが書けると思います。
「大学生=充実した素敵なキャンパスライフ」というイメージがあるけど・・
もちろん充実した毎日を送っている人もいれば、毎日を無意味に消化しているだけの人もいますが、実際の大学生は思っているほどキラキラしていませんよ。
高校を卒業すると進路が散らばるので、よく専門学校や浪人生などの友達に「大学生って良いよね、休みばっかりだし大学入ったら恋人できるしサークルとかやって毎日楽しいんでしょ?」などと言われるのですが、それは本当に人によります。別に大学生になったからと言って恋人が出来るとは限りませんよ。
サークル活動はもちろん大学生活を彩るために重要なものだとは思いますが、部の伝統や人間関係でこじれることがありますし、入ってみたら活動内容が思っていたものと違うこともあり、次第に参加しなくなる人も辞めていく人もいます。大学というのは小さな社会集団なので、人間関係の問題はいつだってついてきます。社会勉強だと思って、うまく乗り切ってください。
ここからは、私が実際に大学生になって感じたことについて少しだけ触れようと思います。
大学生になって思う事
高校はある程度住んでいる場所も学力も年齢も限られていましたが、大学くらい規模が大きくなると、本当に色々な人が集まってきますし、その人達と関わって行かなければなりません。出身地によって常識も違いますから、話が合わないこともあります。後輩が実は自分より年上だったという事もありますし、学年が1つ上の先輩が留年で自分よりも何歳も年上だった・・ということもざらです。
また、みんな20年近く生きてきた人達ばかりなので、完璧に人格が形成されており、個々人で自分なりの考え方や感じ方があります。話を聞いていても、自分の今までの経験からでは信じられないことや全く理解できないことが多々あります。もちろん時には理不尽に感じることもありますし、この人に出会えて良かったと感じることも多々あります。
大学には多くの出会いがあります。友人や先輩後輩だけでなく、教授や得意分野の授業も含まれると思います。興味がないと思っていた分野も、講義を受けてみたらすごく面白かった!、という事もあります。
少し否定的なことを書いてしまいましたが、大学はとても楽しい所ですよ!何しろ高校までの生活と違って強制的にあなたを縛るものなどないのですから、自分の興味のあることに向かって好きなだけ突き進めば良いと思います。
有意義な大学生活を送れるように応援しています、ぜひ思いっきり楽しんでください。
最後に、入学してからまだ1年と少ししか経っていませんが、佐賀大学農学部のことについて私が知っている事をお話しして、終わりにしようと思います。
佐賀大学農学部について
佐賀大学農学部は、応用生物科学科、生物環境科学科、生命機能科学科の3つの学科に別れており、生物環境科学科は2年次に更に3つの講座に別れて専門的な教育が行われます。それぞれの学科の概要は佐賀大学の公式HPの方が詳しいので、そちらを参照してください。私はHPに掲載されていない入学後のことについて少し触れようと思います。
まず、入学後のオリエンテーション後は、応用生物科と生物環境科は付属のフィールドセンターに移動して施設内の見学をした後に、施設で取れたお米やお肉を使ったバーベキューが振る舞われます。フィールド実習は、応用生物と生物環境のみ2年次に行われます。前期は必修、後期は選択になっていて、前期は作物の管理や田植えなどを行い、後期になると食品加工が入ってきます。実習後にキュウリやみかんの試食をさせてもらえることもありますし、規格外で出荷できないものを分けてもらえることもあります。
また、2年生になると実験も入ってきます。学科の先生が一回ずつ交代でそれぞれの研究室に沿った実験を用意してくださいます。この実験で研究室に興味を持つ生徒さんも沢山います。みんなで外に出て虫こぶを採集してきたり、果物を観察して最後は食べたりとなかなか楽しいです。
佐賀大学は4年間ずっと同じキャンパスなので、1年の後期から専門科目を受けることができ、2年の冬には研究室配属が決定します。研究室にもよりますが、早めにとりかかる所では2年の終わりや3年から卒業研究にとりかかる所もあります。そうでなくても、早いうちから実験器具に触らせてくれたり、研究材料の餌作りを教えてくれたりする所は多いようです。
他にもまだまだ楽しいことがありますが、ここから先はご自分の目で確かめてください。お待ちしています。