ぼくの歌はきみの歌(Your Song) 曲 ・Elton-John,詩Bernie-Taupin |
この歌はエルトン・ジョンのあまりにも有名な曲。曲ももちろん良いけど、バーニー・トーピンの詩がすばらしい。
これはもはや言い古された誉め言葉になっているけど。バーニーがどの程度高級な詩人なのかは、それほど彼の
歌詞に注目していない私には、しかも語学力の乏しい私には判断できそうもないが、少なくともこの曲の
歌詞の良さは理解できる。・・・それが単純なラヴソングだからだろうが。 そのラヴソングのどこ が気に入ったかといえば、まず”ためらい”の気持ちがでていること。それは"It' little bit funny" という最初のフレーズに端的に示されている。愛の告白を紋切り型ではなく、ためらいながら、前置きを 並べながら語る、言葉の流れの自然さが私を引きつけるのだ。そしてエルトンの歌い方もこの内容にふさわしい やさしさで、言葉と言葉を巧みにつなげて情感を出している。きちんとメロディを決めて歌うのではなく、 フレーズによって自由に節回しを変えていく。だから1,2,3,4番とも出だしのところなど、とても 新鮮だ。とくに3番の"I sat on a roof"というところは内容通りの温かみを感じる。4番の「きみの目が とてもすてきだということは」をもってくるまでの"anyway, the thing is what I realy mean"というとこ などジーンときてしまうほどの良さだ。 (UP-BEAT 1974 6/ 3号 掲載) 現在のエルトン・ジョンといえば、その巨万の富と名声に恵まれたあまり、お腹も膨れ、買い物依存症などという ぜいたく病に陥っているといううわさを聞いた。またダイアナ王妃の葬儀の際に葬送の歌を捧げたことでも 有名になった。あの曲は「Good by, yellow brick road」という2枚組アルバムの中の、たしか "Candle in the wind"という曲をリメイクしたものだ。 "Your song"に話を戻せばたしかサッカーの中田英寿 選手が好きな曲ということも耳にしたことがある。この曲の入っているアルバム(ファーストだったかセカンド アルバムだったか?)の中には"Take me to the pilot"というソウルフルなかっこいい曲も入っているし "Border song"というこれまた初期の名作もある。サウンド的には地味だがその才能を世に知らしめるには 十分なアルバムと言える。(2001 7/ 1) |
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