winter

(Jagger-richard)

確かに 寒い 寒い冬になった
  風は南からは少しも吹いてこない
  確かに寒い寒い冬になった
愛の灯は すべて燃え尽きてしまう
 確かに つらい つらい冬になった
  俺の足は土の上をひきずっていく  
 長くて熱い夏がやってくるっていうが
  そのとき愛の灯は明るく燃え上がるだろう  
 クリスマスツリーの灯がすべて消える頃
 カリフォルニアに行けたらなあ    
だが俺は俺の裸の壊れたキャンドルを燃やしている  
 ”復活劇(restration plays)”はそこここで見られただろう  
 確かに 寒い 寒い冬になった
  俺の足は土の上をひきずっていく
  野原はどこも褐色で不毛だ  
 春はまだ遠くにある
  クリスマスツリーの灯がすべて消える頃
  ストーニーキャニオンに 行けたらなあ
 だが俺は俺の裸の壊れたキャンドルを燃やしている  
 ”復活劇(restration plays)”はそこここで見られただろう   
  ねえねえ、 ときどきおまえのことを想うよ、ベイビー 
ねえねえねえ、たびたびおまえのことを 想って泣いているよ 
 俺のコートでおまえを包むんだ
 俺のコートでおまえを包むんだ
イエー 俺のコートでおまえを包むんだ
  ベイビーいつか おまえを抱きしめたい
いつか俺のコートでおまえを包みたい
  いつかおまえのために キャンドルを燃やしたい
いつか俺のコートでおまえを包みたい
  いつかおまえのために キャンドルを燃やしたい
いつか俺のコートでおまえを包みたい
  いつか・・・・・
この曲を聴くといつも冷え冷えとした空気が流れ込み、聴きすすむにつれて雪の降り積もった風景と  赤々と燃えているキャンドルの炎が目に浮かんでくる。その冷え冷えとした空気の中にミック・ジャガーの 熱唱が響く。 ミック・テイラーのギターが震える。
そのムードを演出しているものは何かと言えば、 チャーリー・ワッツのシンバルの連打であり、ひたひたと押し寄せるストリングスであり漂うギターである。
最初2,3回聴いたときは”単なる大作”かと思った。しかしこれは”単なる大作”以上のものである。 ミック・ジャガーの突っかかるようなすすり上げるような歌い振り。ストリングスもたとえば「スティッキー フィンガー」のラストナンバー「ムーンライトマイル」のような大スペクタクル風なものではなく靄がかかって いる。そうして流れながらひっかかりながらも”baby,sometime I wanna keep you woman.."に到達し 燃焼する。この到達点はこの曲の聞きもの中の聞きものである。
「ローリングストーン」誌73年12月の「山羊の頭のスープ」評によるとこの曲は「ヴァン・モリソンの スタイルを見事に借用している」のだそうだ。それに促されてヴァン・モリソンの「苦闘のハイウエイ」を 買ったのだが、確かに曲の雰囲気は似ていた。そしてヴァン・モリソンを聴いたおかげでますますこの 「ウインター」がよくなってしまったのだ。冬になったら「ウインター」をと思っていたとっておきの 名曲。 ("UP-BEAT"1975.1/15発行掲載)
この前NHKBSの「ポップス大全集」みたいな番組で久しぶりにミック・ジャガーのパフォーマンスを 観た。曲は「アンジー」。十分俳優としてもやっていけるだろうと思えるすばらしい演技力だ。(たぶん 彼が役者をやらないのは、歌手としてのプライドとせりふを覚えるのが面倒だくらいの理由なのでは、と 思ったりもする。)デビッド・ボウイと同じように歌うことがそのまま演技でもあり、”パフォーマンス” という表現がぴったりなのだ。すばらしかった。キース・リチャードも当時はまだまだすてきだった。
ついでにそのときリクエスト1位だったクイーンの「キラークイーン」なつかしくてまたよかった。
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