◆本・小説◆ |
■『火の槍・立花宗茂』
□叢文社
□原田種真 |
最もお奨めする宗茂本。オイラが初めて読んだ宗茂本でもあったりする。読みどころはズバリ「岩屋城の戦い」。これだけの為にこの本があると言っても過言ではないです。この本での紹運は泣けます・・・いやオイラは泣きました。この小説の紹運・道雪・宗茂はとにかくかっこいいです。オススメだけに絶版は痛かったんですが、遂に文庫版が廣済堂文庫という妖しげ(失敬)な出版社から再販されました。タイトルと中の章の構成が変わりましたが、ほぼ昔のままです。買い損ねてた人は買いましょう♪
因みにウチのHPのタイトル『紹運無双』は、「火の槍」の方の小説内からパクらせて貰いました。某ゲーム会社の「○○無双」からパクったワケではないです。
兎にも角にも、ごちそうさまデシタ(笑)。 |
■『立花宗茂
〜乱世をゆく鎮西の武将〜』
□廣済堂文庫(廣済堂出版)
□原田種眞 |
■『乱離の風
若き日の立花宗茂』
□文藝春秋
□滝口康彦 | 戦国残酷物語の大家・滝口康彦氏がおくる、秀吉の九州征伐までの宗茂本。↑の「火の槍」ではほとんど出てこなかったァ千代姫がとても生き生きとして攻撃的です(笑)。「火の槍」の紹運は英雄として扱わてるとすると、こっちは「本当に英雄か?」と何歩かさがって少し意地の悪い見方で紹運を表現してます。残酷作家の魂が疼くんでしょう(笑)。けどオイラ好きなんだよね、滝口氏は♪。この小説では登場人物が皆思い悩んでます。滝口氏の小説での「苦悩→行動→結末=悲劇?」人間のサガを残酷に、より残酷に表現してくれます。この本もモチロンお奨めです。残念なのは宗茂の生涯の前半しか書かれてない事かな。因みに短編の読切で、この小説の続編ともいえる関ヶ原の頃のァ千代姫の小説は発表されてます。(↓のァ千代参照) |
■『小説 立花宗茂』
□PHP研究所
□八尋舜右 |
↑の「乱離の風」と共に小説としてはよく出来てる。オススメ♪。何年か前に、同社の月刊誌・歴史街道で宗茂の母「宋雲尼」の短編小説を書いてたんでァ千代姫のも期待してたら、突如この本が出版され驚かされました。文章が素直なんでこの人の小説は読みやすいです。個人的に「火の槍」「乱離の風」と、この本が現時点でのベストの宗茂本。ただこの本の場合、ァ千代姫の解釈で、後半多少もやもやした気分になるッス。
PHP文庫から「立花宗茂」と少し改題した文庫版が出てるので、そちらが入手しやすいです。 |
■『立花宗茂』
□PHP文庫
□八尋舜右 |
■『小説 立花宗茂 上・下巻』
□学陽書房
□童門冬二 |
ある意味分かり易く、広い年代で読める宗茂本…かな。個人的には話が前後してたりして読みづらかった。童門氏流の脚色なのかもしれないけど、道雪とァ千代が死んだ後「道雪星」「ァ千代星」と「お星さま」にするのには…(いや…微笑ましく思いましたがね…)
色々イヤな事書きましたが、初心者には読み易い小説ではあると思います。 |
■『立花宗茂 士魂の系譜』
□葦書房
□西津弘美 |
西津氏の大友三将シリーズの第3弾。叢文社から出版されていた「炎の軍扇・立花道雪」「戦国挽歌・高橋紹運」の待望の続編。何故か出版社を葦書房に変えていきなり出版された。完全に前作・前々作の続き物として島津軍の立花城攻めから始まるんで、前知識が無い人には分かりづらいかも。是非前作・前々作を手に入れて読みましょう(笑)
小説の出来自体は余り変わってないようで、ちと宗茂の存在が薄いような気がしましたが、他の宗茂本には書いて無い話を所々に織り交ぜているんで、個人的には結構楽しめました。最後あたりは、家族・兄弟・家臣達に先立たれて、独り老いゆく宗茂がもの悲しく、寂しい気分になってしまいましたが…。何はともあれ、道雪・紹運・宗茂の三代記(立花三代と云えないのが悲しい)の完結編なんで一読を。 |
■『立花宗茂』
□学研M文庫(学習研究社)
□志木沢郁 |
2004年に出版された宗茂本です。
学研M文庫から出版というので「どうかな?」と思ってましたが中々の良本でした。
小説は、宗茂の初陣から死までを扱って、他の小説に比べて朝鮮役の記述が多めかなという印象。
この小説が他の宗茂本に対して挑戦的かつ意欲的な作品だと言えるでしょうか。随所に独自見解や人物像があり、後発での発表で甘えが無いのが潔い。僕の持つ人物像とは若干違うけど、作者の考える宗茂やァ千代姫が一味違う感じなので面白いですし、石田三成といった敗者が、比較的好人物として描かれていたりと、他に無い魅力を感じました。…ただ東軍武将は嫌な感じで描かれたりもしてますが…。
個人的に残念なのは、紹運・道雪が早い段階で居なくなってしまう事。両父と宗茂との繋がりが希薄な内に話が進んでしまい、武将立花宗茂を創った核になる部分が無いまま、話が進んだような印象を受けました。あと、話が盛り上がるであろう所がなぜか軽く流されたりと、少し位ヨイショして欲しかったです(笑)
少し毛色が違う宗茂本ですが、色んな意味で面白かったです。見付けたら読んで見てください。
…因みにァ千代姫、何故か所々描写がエロいです(笑) |