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■■ 幕末柳河・小説紹介 ■■

■■小説
   『志は、天下』
 〜 柳川藩最後の家老・立花壱岐 〜
全5巻
一巻 立志・黒船
二巻 国事奔走
三巻 藩政改革
四巻 明治維新
五巻 柳川城炎上

河村 哲夫 著
海鳥社
各2600円
『志は、天下』の概要

 時は幕末、柳河藩の家老十時氏の三男として生まれ、ゆえあって同じく家老筋の立花家を継いだ立花親雄(立花壱岐)。新藩主「立花鑑寛」公の信任の許、藩政改革に燃える壱岐。肥後細川藩の藩士「横井平四郎(小楠)」との出会いは、一藩内しか及ばなかった思想を、「天下(日の本)」へ、更に「天下国家(世界)」へと視野を広げる。
 黒船の来航により風雲急をつげる徳川幕府、攘夷の風が吹き荒れる中、壱岐は全権家老として藩論を「開国論」として掲げる。盟友横井小楠の越前松平家への招致、越前藩の気鋭「橋本左内」との交流そして明暗を分けた安政の大獄。柳河藩最大の改革を成功させ雄藩への道を進む壱岐、そして初めての挫折。
 歴史の流れに身を任せる柳河藩。「王政復古」の名のもと移り行く時代に再び立ちあがった壱岐。横井小楠の非業の死を経て、真の改革を見据えた壱岐は輔相・岩倉具視に三顧の礼で迎えられる。
「神武の創業」に匹敵する「真の改革」を目指した立花壱岐の到達した境地とは…。

 そして、柳河藩民が明治維新以後、100年に渡り禁忌とし秘匿し続けた謎 『柳河城焼失』。維新以後に九州各地続発した不平士族の反乱を「無血」で切り抜けた柳河藩の謎とは。
幕末の隠れた鬼才「立花壱岐」が最後に放った一手、それは「武士の世」の終焉を告げる…。



『 〜 夕日は、紅に柳城を照らす 〜 』
オイラ
しらべ の一言

幕末の柳河藩というと、何を成したのか知らないという方が殆どかと思われます。実際、維新回天の時期は停滞気味だったようですが、その前後の動向は歴史に少なからず影響を与えていたようです。
この小説の主人公である立花壱岐は当時「諸侯の家老の中でも稀なる人物」とみられていたようで、実際にその行跡は目を見張るものがありました。生来虚弱な体質であった為、挫折を味わってますが、その思想の究極点は、現代を見据えたような国家論、改革論を残しています。

政治家として「志を天下に及ぼす」という野望を絶たれた壱岐の最後の仕事は、藩民を「無血」のまま時代を切り抜ける事でした。名城「柳河城」の最後と、鬼才壱岐の最後の機略。近年まで柳河でタブーとされた謎がこの小説に凝縮されています。

武と智の違いがあれ、初代藩主立花宗茂を彷彿させる英断果行の人=立花壱岐。「もうひとつの維新史」として時代に埋もれた偉人を知って欲しいものです。小説形式ですが、資料を元に構成されてるので読んで楽しく、歴史の勉強にもなってお得な本です。

「・・・やれやれ、壱岐節に翻弄されたわい」
立花鑑寛公 談(笑)



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