旧日記帳

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「８月１日（火）」

昨日は図書館が月曜日で休館日でした。しかるに福岡市民図書館は月末が休館日です。したがって昨日は二つの休館日が重なっていたことになります。こういう場合、図書館はその翌日を振替休日とします。つまり、本日も休館日だったわけです。図書館の前で気がついた僕がうかつでした(^^;

そのまま家に帰るのも体裁が悪いので、西新の漫画喫茶に直行しました（笑）。

最近は、漫画喫茶や漫画専門の古本屋が大繁盛しています。漫画本を自分のものとして所有するのではなく、情報としての対価を払って利用するだけで十分という人が増えてきたことが背景にあると思います。

これはこれでとても合理的なことだとは思いますが、出版社や漫画家の方々は気が気ではないでしょうねぇ。

パソコンソフトなどでは、必要なソフトはプロバイダからそのつどダウンロードするという流通形態が提唱され、そこで「利用に対する対価」が徴収できるようになっていますけど、「本」の場合は難しいです。だれか、著作権者に対して「利用」に対する対価を徴収できる仕組みを考えてくれないもんでしょうか。さもなくば、漫画業界が尻窄みになってしまいます。

パレートの法則じゃないけど、単行本になったもので読むに値するのは２割程度。その２割のうちで僕個人にフィットするのはさらに極一握りです（マイナー指向なんで（笑））。このまま漫画業界が尻窄みになれば、その一握りでさえ読めなくなってしまいます。そういう未来は何とか避けてもらいたいところであります。

（話は飛んで前々から思っていたけど、「色っぽい女性」の絵は女性作家の方がうまいようですね。一概には言えないと思うけど、一般論としてそう感じます。他方で「かわいい女性」の絵は男性作家の方がうまいような気がします。僕も自信を持って言っているわけではないのですが、どうでしょうか？）

「７月３１日（月）」

昨夜遅く、対馬海峡を台風六号が通過。実は、福岡市の場合、このコースを台風が通過するときが一番危ないのです。つまり北半球の台風はコリオリの力によって必然的に「左巻き」になりますので、進行スピード＋回転速度の風が北部九州を襲うことになるわけです。実際に、過去、福岡市に被害を与えた台風の大部分はこの進路を通っています。

案の定、昨日は夕方あたりから風が強くなり、夜中の１２時あたりに風がピークを迎えました。幸い雨はそれほど降らなかったのですが、風で雨戸ががたがたと鳴り、たまに家が軽く揺れるのを感じました。

東京に住んでいたとき、何度か台風が関東地方に上陸しましたが、多摩地区に来る頃にはみごとに弱まってくれていて、こっちで感じるのと同様の台風の臨場感を感じたことは、ついになかったですね。日本は広い。

そういうわけで、夕べはよく眠れず、なんか寝不足です。今日は一日机の上で船をこいでいたような気がします(^^;

「７月２７日（木）」

前に、ＰＨＳで常時接続ができないかな、なんぞと書きましたが、どうやら実現しそうです(^^)

『関西電力は２４日、グループ内の通信子会社「ケイ・オプティコム」がアステル関西から引き継ぐＰＨＳ事業を活用し、日本で初めてＰＨＳを使ったインターネットの常時・定額接続サービスを行うと発表した。基本料金、通信料、接続料を含めて月額４０００円程度の定額制で、常時接続サービスとしては最も安い価格帯となる。』

アステル系のＰＨＳ事業はＤＤＩやＮＴＴに比べると必ずしもうまくいっていません。アステル系は各地域の電力会社が主体となっている（ことが多い）のですが、ＮＴＴのＩＳＤＮ網を使っているのでコスト的に苦しい立場に立たされています。

そこで、関西電力がバックにいるアステル関西は会社を清算し、残った人員や設備をインターネット接続の専門会社に移管。しかもＩＳＤＮではなく自前の光ファイバー網をつかうんだそうです。ＰＨＳのような音声通話の場合は、一定のデータ流量が保証されていなければならないのでＩＳＤＮが必要ですが、インターネットなら、そのへんはアバウトですから、パケットをルータで運べばいいのです。よって必ずしもＩＳＤＮに頼らなくてもよいわけです。

別にアステル九州の不幸を願うわけではありませんが、このサービス。九州でもやってもらえませんでしょうかねぇ（笑）。

追伸・・・・「Ｌｉｎｕｘ　Ｊａｐａｎ」。難しいです（涙）＞Automatic氏

「７月２６日（水）」

ここ数日、ヤフーの株式掲示板を見ています。別に僕が株をやっているわけはないのですが、株式をやっている方々はそれぞれ独自の企業観をもっていますから、たまに面白い書き込みを見られるのです。特に面白いのは日本興業銀行の掲示板です。

興味のある方は、ここから日本興業銀行のボードへ行って見てくださいな。もうぼろくそ言われているから（笑）。興銀、やはり恨まれていたんですねぇ(^^;

銀行といえば、うちの近所に＊＊信託銀行の社員寮があるんだけど、４月になって＊＊信託銀行と合併することとなりました。ところが、４月になっても社員寮の看板が＊＊信託銀行のまま変わりません。ようやく最近になって看板がかけ代わりましたが、こんどはなんと看板に銀行名が書いてありません。またどこかと合併の予定があるのでしょうか。株価も下がっていますし、どうもきな臭いですね(^^;

今週の経済三誌がそろってゼネコン倒産の話を特集で組んでいますが、ゼネコンの倒産は、即銀行の経営危機とつながります。こういった話が好きでない方には、なんのこっちゃとお思いでしょうが、現在の日本のような状態では、全体を見る目は必要不可欠だと思います。

さもなくば、例えば、今回のそごうの従業員の人達のような目にあってしまいます。

そごうの従業員は、会社持ち株会の会員でもありました。他の日本企業の多くと同様に、そごうは従業員に株を買わせていました。もちろん、その目的は会社経営陣の経営権を支えるためであります。この株式は、そごうの会社再生法の申請により紙屑となりました。もはや株式を買った金は返ってきません。

それどころか、やはり他の日本の企業と同様に、そごうでは社内預金制度を設けておりました。この制度を利用すれば、市場より高い金利で利子がついていたそうです。ところが、今回の会社再生法の申請により、預金債権は売掛債権と同様に紙屑同然となってしまいました。

通常、会社が倒産しても賃金債権だけは例外として手厚い保護が与えられています。ですから給料債権は優先的に返還されます。ですが、社内預金は賃金ではありません。これは取引企業との売掛債権と同様に扱われます。ですから、そごうが取引先に発行していた手形と同様に無価値となってしまいました。これは、従業員にとっては二重の損失です。

２ＣＨの掲示板などをみると、もう早くから自分たちの会社が駄目になってしまっていることに気がついていたようですね。彼らは、もっと早く会社を見限るべきではなかったでしょうか。

確かに、次の職もないのに会社を飛び出すのは大変勇気のいることでしょうけど、社内預金を奪われてしまうリスクを考えれば、そうも言っていられないでしょう。やっぱ難しいかな（笑）。

ところで、「そごう」を「＊＊銀行」に置き換えたとき・・・・・・・・預金を問題ある銀行に残して置いた者は「あほ」なんでしょうねぇ。それが自己責任というものだからです。とはいえ、自分の取引銀行の情報を常に見張っていなければならないとは大変疲れることです。

まったく、大変な時代になりましたねぇ(^^;

「７月２６日（水）」

今年の論文試験の問題、表面的には易しいようにみえましたが、詳しく検討すると罠があちこちありますね。判例をベースにしている問題なんかでも、実は肝心な前提条件が違っていたりして、判旨そのままでは使えなかったりするわけです。厳しいですなぁ(^^;

某ネットの議論。無茶な書き込みを読んでいると、参戦したい気持ちがムラムラと(笑)。でも、まともに書いていたら半日潰れてしまうので、自制します（今のところは。いつまで持つかわからん(笑)）。

あ、そうそう。さむり＆＠夫妻。おめでとうございます。安産だったようでよかったですね。また生活が大変になりそうですが、がんばってねぇ。それにしても、僕がパパになる日はいつになるのでしょうか(^^;

「７月１９日（水）」

やはり某ネットでの話題を受けて・・・

我々の間で刑罰論を議論するとき、「被害者の人権」なんて言葉をつい言ってしまうと、「なにそれ？「公共の福祉」の間違えでしょう」と言われてしまいます。被害者の人権と加害者の人権を両天秤にかければ被害者の人権を優遇するのはあたりまえだからです。

問題は、被害者の人権を侵害した加害者に対して、国家は「公共の福祉」を根拠に、どこまで加害者の人権を制限できるか（つまり刑罰権を行使できるか）、なんですよね。

「７月１７日（月）」

某ネットの時事板で少年法の問題が話題に上っていました。この手の問題は、誰でも論じられる反面、あまりに身近な問題であるがため、なかなか理性的な議論になりにくいもんですねぇ(^^;

刑罰の適用範囲積極説の立場に立つ人達には「俺は法律を守っているのに、法律を守っていない奴らが保護されるのは公平でない」という素朴な心情があるのは間違いないところです。しかし、素朴であるがゆえに、これを論破するのは結構難儀です(^^;

まず、適用範囲積極説にたった場合、その理論的根拠について検討してみましょうか。

積極説の立場を理論づけるとすれば、前期古典派（旧派）刑法学の立場、すなわちカントからヘーゲルあたりの刑罰観を述べることとなります。（刑法の授業の２時間目あたりで習う内容なんで恐縮なんですが(^^;）

すなわち、

『個人が私的な復讐を勝手に行うことを許した場合、強い者は復讐できるが弱い者は泣き寝入りになる。かような弱肉強食の社会秩序は近代の禁忌するところである。また、害悪を受けた者はより大きな復讐を行いがちであるため、復讐の連鎖が生じ社会秩序の維持が図れなくなる。したがって、近代国家は私的な復讐を禁止すべきである。

国家が刑罰権を行使することによって、たとえ（腕力などの）弱い市民であってもその権利は保護されることになる。

国家の刑罰権は、この市民から取り上げた個人の復讐する権利を国家が代わって行うものであるから、犯罪によって他人に害悪を与えた者に対しては、与えた害悪と同等な害悪、すなわち刑罰を与えなければならない。

加えて、犯罪者に対して刑罰を与えることは、犯罪予備軍に対して威嚇力となる。

つまり、犯罪によって得られる「快」と刑罰を受けることによって得られる「不快」を比較すれば、合理的人間なら犯罪を行うことを避けるはずである。これによって社会の中で生じる犯罪は減り、市民の権利を守るべき国家の任務に合致する（ヘーゲルはこの一般予防的見地を否定）。』

こんなところでしょうか。

おそらく、この考えが我々の正義感に最も合致し、すなおな解釈ではないかと思われます。では、なぜこの考え方を素直に適用しないのでしょうか。

それは、最大の問題は、この考え方は、一度すでに破綻しているという点です。

（この項あとで書き直します。時間がないので(^^;）

「７月１７日（月）」

『（株）オサダ（資本金5億8360万円、佐賀県武雄市武雄町武雄3950−1、長田龍夫社長、従業員530人）は、7月17日に佐賀地裁武雄支部へ民事再生手続き開始を申請した。

店舗開設の資金増加から借入増に陥り、同期は８億６７９９万円の赤字を計上、信用不安に陥り取引先から現金取引を求められていた。負債は３４７億円。約２４０億円の借入金が資金繰りを圧迫していた。』

地元の大手ディスカウントストアが事実上の倒産となりました。

次の手形を決済してしまえば、運転資金が底をついてしまうため、不渡りを出す前に民事再生法の適用申請となった模様です。いや、ほんとこの法律はベストセラーになりましたね。

あちこちに新店舗を展開したため（３８店舗。それもハイパーマートと呼ばれる大規模店舗ばっかり）資金が固定化。資本金６億弱という弱小な自己資本にもかかわらず、有利子負債で店舗展開してきたつけがまわって、資金ショートしてしまったようです。

本来なら、こういう企業はメインバンクが債権放棄などで時間をかけて再生させるのですが、もう銀行側にも余裕がないようです。あるいは「天下の興銀さんでさえ、そごうを倒産させたんだ。われわれだって。」という気持ちになったのでしょうか(^^;

銀行などからの借入金が２４０億円あるのに、負債総額が３５０億円ということは、手形サイトを長期化。つまり手形の償還時期を６ヶ月とか先に延ばして運転資金を捻出しようとしたと思われます。

ということは、倒産の余波を受ける取引先が相当多数に上るということを意味します。１００億円にのぼる手形債券が棒引きをされ、下手すると紙切れ同然となるからです。現金取引を要求していた取引先は賢明でした。

すでにゼネコンの数社の手形は取引銀行以外割り引かなくなっているそうです。政府は日銀に圧力をかけてゼロ金利政策を維持する決定をさせましたが、政府機関がどう動こうと、すでに賢明な下請け企業は対倒産シフトを採っているわけです。この流れは止まらないでしょうねぇ(^^;

「７月１４日（金）」

そごうの事実上の倒産の余波が続いています。

そごうグループの中で経営状態の良くなかった地方の店は即日閉店、破産処理へ向かうそうです。普通、こういった不採算店の撤退は再生計画の中で検討されなければならないものですが、そごうの場合、財テク戦略上各百貨店が独立した会社となっていたため、単純に会社ごとに破産か民事再生法適用かを選べばよかったわけです。

そごうグループは各百貨店を子会社形式で支配していたので、グループ全体の財務状況が極めて分かりにくかったのですが、皮肉なことに清算の場面ではじめて別会社にしていたメリットが出たと言えるでしょう。

今後、現経営陣は再生計画を策定しなければなりません。ですが、それはとても困難な作業でしょう。なぜなら、現在の流通業界から見て「百貨店」という業態自体が今後成り立っていけるかどうか危うい状態だからです。

百貨店は、一応「小売商」という分野に位置づけられています。小売商というからには、商品を選び、仕入れて、販売するというのが基本です。ところが、百貨店の現実の商売は、むしろ不動産業といってよい状態となっています。

すなわち、都心の一等地に豪華なビルを作り、そこに集客力のあるテナントに入っていただき、百貨店自体はそこからの賃料で収益をあげる。そういう楽な商売の仕方をしていたわけです。いわば他人の商売の上がりから上前をはねる商売をやっていたわけですから、当然のことながら収益性は悪くなります。ですが、これまでは不動産価格の上昇で含み益がどんどん積み上がっていましたから、こういう怠慢な商売も破綻することはなかったのです。

ところが、バブルが崩壊し、土地の価格が下がり始めるとこの商売の欠点が露呈することとなりました。

加えて、スーパーや量販店が自らの努力で良質な商品を開拓し、それを安い値段で買い付け、そしてそれを安い値段で売り始めると、百貨店の存在価値は低くなります。彼らの努力で、最近はスーパーや量販店の品物も質が向上し、品質にそれほど差がない状態となっています。そうなると、自ら商品を開拓してこなかった百貨店には手がありません。スーパーや量販店との競争力の差は開くばかりです。

こうなると百貨店が採れる道は二つしかありません。一つは不動産業に徹してしまう道です。ですが、この方法はあまり利益は上がりません。バブル期に多額の有利子負債をかかえた店の場合、利益をすべて利子負担に投じても足らない事態となります。

もう一つは、自らのリスクで商品を買い付け、自分達が努力して商品を売るといういわば小売商の本道に回帰する方法です。おそらくこれこそが百貨店の生きる道だと思います。

ですが、これは口で言うほどたやすいことではありません。福岡市に「岩田屋」という老舗の百貨店があります。オーナー社長の中牟田氏は合理的な方で、百貨店の行く末を見越して百貨店の王道に帰ろうとしました。岩田屋自身が商品を買い付けて、これを売ろうとしたのです。ところが、こういった「売れる商品」を選ぶ力というのは一朝一夕には育たないのです。岩田屋は不良在庫の山を抱えることとなり、とうとう本店を売り払うほどの窮状に陥ってしまいました。

（なお、この本店新館は、地元の学校法人（都築学園）が買い付け、６月２８日にベンチャー企業向けの支援組織ハッチリーとしてオープンしました（http://www.iijnet.or.jp/hatchery/））

そごうの場合、もはや岩田屋方式を採る余力はないと思います。そうなると、どこかの同業他社に買い取ってもらうか・・・・あるいは、債権者の貸付金を棒引きしてもらって（普通会社更生法適用の場合で、債権の８〜９割は放棄される）、社員もほとんど解雇して、不動産業に徹するしかないのではないかと思います。いずれにせよ茨の道です。

「７月１２日（水）」

自宅に帰って「そごう民事再生法適用へ−事実上の倒産」のニュースを知りました。いや、よかった。

民事再生法による処理は、そごう単体で見れば決して最適な「解」ではありませんが、もしそごうへの債権放棄案が通れば、確実にゼネコン各社への債権放棄につながっていたでしょう。そうなれば、必要とされる公的資金の額は何兆円ですまなかったかも知れません。

そもそも今回の債権放棄案自体が無理がありました。なぜなら、たとえ債権放棄を認めてもそごうの経営が改善される目当てがなかったからです。そして、大口債権者だった新生銀行（旧長期信用銀行）が債権放棄にｙｅｓと言わなかった以上、最初から法的処理に移るべきでした。

これが預金保険機構への債権買い戻し、そして債権放棄案への同意と続いたのは、何故でしょうか。それは、ひとえにそごうのメインバンクである日本興業銀行の強力な政治力のなせるわざです。

では、なぜ興銀はそれほどまでに政治力を持てたのか。それは、興銀と大蔵省との密接な関係にあると言われています。

ご存じの通り、金融行政はこれまで大蔵省の強力な裁量行政によって運営されてきました。大蔵省の役人は確かに有能な人達だったのでしょうが、金融のプロというわけではありません。特に大蔵省の主流を占める法学部出の官僚達に金融行政の機微など分かるはずがありません。

では、大蔵省はどうやって政策立案を行っていたのでしょうか。実は、大蔵省は興銀に政策立案を請け負わせていたのです。（この辺の所は「三本の矢」榊東行著（早川書房）見てちょ）

こういう行政との密接な関係から、興銀は行政への発言力が極めて強かった。その強力さは、国がより多くの国債を発行したがっていたにもかかわらず、興銀の発行する金融債に競合するような五年もの国債だけはあえて発行しなかった（興銀がさせなかった？）というほどです。

今回のそごうの債権放棄の件では、プライドの高い興銀マンがそごうに取引のある地銀各行に赴いて頭を下げてお願いに回ったと聞いています。

政治力の強い興銀マンに頭を下げられてこれを断れる地銀があるはずもなく、結局新生銀行を除くすべての銀行が債権放棄に応じました（これも怖いことですが(^^;）。

だが、ただ一行、外資の下に下った新生銀行だけは首を縦に振りませんでした。これはなぜでしょう。新生銀行の場合、旧長銀から引き継いだ債権が焦げ付いた場合、瑕疵担保責任に基づく国の保証がありました。したがって、そごう向けの債権が焦げ付いても痛くもかゆくもありません。ところが、債権放棄に応じてしまえば、国からの保証は受けられません。興銀がいかに圧力をかけようとも、新生銀行としては債権放棄案は飲める話ではなかったのです。

そこで、興銀は預金保険機構に泣きついて、新生銀行から右債権を（焦げ付きが確定してもいないのに）買い取ってもらったというのが今回の件のアウトラインです。

要するに金融村で不浄事が起きたので、いつものように談合でもみ消そうとしたが、新しく入ってきたよそ者が談合をばらしてしまったというところでしょうか（笑）。

今後の焦点として、新生銀行の問題取引先がどうなるか、があります。つい最近倒産した消費者金融の「ライフ」や第一ホテルは、実は新生銀行が倒産の引き金を引いたと言われているからです。どういうことかといいますと、新生銀行としては、取引先の債権が預金保険機構との間の「瑕疵担保責任約款」で担保されている限り、取引先を下手に生きながらえさせるよりも、潰してしまった方が損害が少ないからです。

残る問題貸出先として世上に上がっているのは、「セゾン」「熊谷組」「ハザマ」「ダイエー」等々です。

日本的な金融村のメンタリティーからすれば、談合先延ばし方式で処理されたであろうこれらの企業群ですが、新生銀行という金融村の異端児の存在によって思わぬ展開になるかも知れません。

「７月１２日（水）」

蔵相サミットが終わって、福岡市民図書館の周辺は静かになりました。会場だった隣の博物館ではサミット用に作られた車止め（自動車が突入してくるのを防ぐ防護壁）を取り外す作業が行われています。ま、いろいろあったけど無事終了して良かったですね。次は宮崎での外相サミット。そして最後は沖縄の首相サミットです。

さて、サミットに向けて日米間にさまざまな政治課題が生じていますが、一番訳の分からないのがＮＴＴ市内接続料金の引き下げ問題です。アメリカは現在の接続料金を半分に引き下げるよう強硬に主張しています。

対するＮＴＴは、最初は４年以内に２２．５％程度の引き下げと言っていたものの、これを一年前倒しして３年以内にするとのことででお茶を濁したい模様です。ですが、アメリカは強硬です。 「２年間で２２・５％引き下げた後、速やかに４０％以上引き下げる」案を提示しています。結末はどうなるのでしょうか。

先週あたりから、ＮＴＴが新聞に連日ＩＳＤＮ関連の一面広告をバンバン載せているのに気づかれた方も多いかと思いますが、これも日米交渉のからみなんでしょうねぇ。ＮＴＴとしては、ＩＳＤＮの割引プラン（ｉアイプラン等）を利用すれば、現在でも接続料金は決して高くないよ、と言いたいのだと思います。

確かに、ＩＳＤＮの割引プランは結構お得です。ｉアイプラン３０００だと３０００円の事前支払いで７５００円分の通話ができます。定番のテレホーダイなんかも夜型人間にとっては便利なサービスです。また最近話題の「フレッツ・アイ」だと４５００円の定額料金でＩＰ接続を２４時間完全につなぎっぱなしにできます。（実は、私がＩＳＤＮに加入した動機は、このフレッツ・アイのサービスエリアが福岡市までのびてきたせいでもあります）

ですが、まだまだ改善して欲しい点があるのは事実です。

ｉアイプランにしても、外国の接続料金に比べればまだまだ高いです。チャッター御用達のテレホーダイも、接続時間が２３時から８時までと極めて不健康な時間帯に設定されていて、問題です。ネットワーカーの中にはテレホーダイタイムに生活時間を最適化している人も多く、夜仕事をして昼寝るといった生活になっている方も数多くいます。これではネットワーカーに社会生活をするなと言っているようなものです。また下手すると体をこわしてしまいます(^^;

この点、フレッツ・アイは、常時接続が比較的低額で実現できるため、我々は大いに期待し、また世間の評判も上々のようです。やはりインターネットは常時接続が基本です（と、いいきってしまいましょう(笑)）。問題は回線品質の点と、プロバイダの対応ですかね（特に定額制のプロバイダの場合料金プランの根本的見直しが避けられない）。

最近ではＮＴＴの公衆回線を使わなくてもインターネットへの接続が可能な方法が出てきています。

ケーブルＴＶなどで２４時間常時接続のサービスをやっているところが増えてきました。私の住んでいるところでも、ＪＣＯＭのケーブルがようやく延びてきたようです（昨日向かいのアパートで工事をやってた）。

僕が内心期待しているのは、ＰＨＳで２４時間接続ができないか、ということです。

前にも述べましたが、僕の家では、一階にワイヤレスＴＡを置いて、二階の自室の子機でＩＳＤＮに接続しています。他方、僕がＰＨＳでデータ通信する場合、受信アンテナの先は直接ＩＳＤＮに接続されています。ＰＨＳの受信アンテナ（公衆電話ボックスの上についている二本の黒い奴）がワイヤレスＴＡみたいなものというわけです。ですから、この二つの方法には原理的な差は存在しないわけです。

ＰＨＳの通話料金は加入電話に比べてもさらに高いのですが、ノートパソコン＋ＰＨＳの組み合わせは結構便利です。ですから、これで料金が何とかならないかなぁ、なんぞと思っています。

（ちなみに、この文章は、図書館で書いて、その場でＰＨＳを使ってアップロードしています。結構便利です）

「７月７日（金）」

今日から福岡蔵相サミットが開催されます。

おかげで、ここ数日、百地の博物館近辺は警官でいっぱいです。近隣の県警からだいぶ増援部隊が来ているらしく、他県ナンバーの警察車両をよくみます。図書館は博物館の隣にあるので、かなり影響を受けています。 博物館上空ではヘリコプターが一日中飛び回っています。正直に言ってうるさかったです。

昨日は図書館の自販機コーナーで偶然に福岡県警に行った高校の同窓生に会いました。両手いっぱいに缶飲料を持っていましたから、持ち場の同僚達から頼まれて買いに来たのでしょう。話を聞いてみると本当に福岡県警は総動員態勢だそうです(^^;。

そういうわけで、図書館はサミット中は休館。本日の僕は自宅調査日モードであります(^^;

さて、今回の蔵相会議では、おそらく発展途上国の債務の棒引きの問題が話し合われることでしょう。借金の棒引きといえば、国内のゼネコンや百貨店だけかと思いきや、国レベルの話でもあるわけですね。これも隠れた不良債権といえるでしょう。

この分だと、またいつどこから不良債権が吹き出してくるか分かりません。これも結局税金で穴埋めされることになりますから、まったく困ったものです（怒）。

不良債権といえば、我が国の借金は６００兆円。この借金は国債で調達しているわけで、これだっていつ不良債権に転化するか分かりません。このとんでもない国債依存の財政が許されているのも、ひとえに我が国の製造業がドルを稼いできているからです。国際収支の黒字によって、国債の過剰発行という情けない現実が覆い隠されているわけです。

もし、この貿易黒字がなければ、我が国も、例えば韓国のようにたちまち資金ショートに陥りＩＭＦの管理下に入らなければならないでしょう。

こうしてみると、債権放棄を要請している発展途上国と我が国とはさほど立場が違うわけではありません。我々は発展途上国を笑えないわけです。

当たり前のことですが、無から有は生じないのです。政治の力で借金はなくなりません。このまま赤字を垂れ流していると我が国にいつかかならずハイパーインフレというつけが回ってくるでしょう。

その意味で「通貨が堕落するとき」（木村剛著：講談社）は、お勧めです(^^)。

「７月４日（火）」

昼飯中。

図書館の近くのホークスタウン（球場に隣接して建設されたショッピングモール。当初の計画では豪華なドーム型になりドーム球場と合わせてツインドームになるはずだったが、ダイエーの懐具合が悪くなったのでありふれたショッピングモールに計画変更された）に来ています。このショッピングモールは、ごく最近で来たもので、ほとんど足を踏み入れたことがなかったので、今日来てみた次第です。

食事どころを探して、一見うまそうなピザ屋を見つけたので入ってみましたが、これが大失敗。味はともかく高くて量が少なすぎ。ランチタイムにこの値段なんて、いったいどういう客層を見込んでいたのでしょうか。

一般論として、いわゆる観光地の食堂はまずいといわれています。確かに、個人的にも詐欺のようなまずい食事に都会では考えられない金を払わされたことがあります。なぜ、そのような商売が許されるのでしょうか？

その理由は、例の継続的取引は安心を生むという原則にあります。

一般に観光地の客は一見の客。つまりその場限りで次回にはこない客です。したがって、いくらまずい食事を出しても、客足には関係ありません。逆に、よい食事を出しても次の客になってもらえないのですから、経営者は料理の質を上げるモチベーションを失ってしまいます。そこで、観光地の食堂は総じてまずい、という現象が生じるのです。

逆に、ビジネス街の食堂や学生街の食堂などは、美味しい食事にありつける確立がかなり高くなります。それは、お客さんが継続的にやってくるため、もしまずい食事をだせば、その客は次回に来てくれないからです。

どうも、今日の僕の昼食はまさに前者の例にあたったようです。このホークスタウンは学生や若年社会人のデートコースをあてこんだようなところです。ゲームセンターやボーリング場が併設されています。ということは、まさにここは観光地に準じるところといえるでしょう。

デートで来る若者達、野球観戦にやってくる人たち、そういう客は店からすれば継続的なお客さんになってくれることをあてにできません。だから、店の見てくれだけ繕っておけば客は入ってくれるわけで、味まで努力する必要はないのです。

さて・・・・、食べ終わりました。どこかで口直しをしたい気分ですが、昼食代としてはいささか金を使いすぎました。今日はこのへんでとっと帰って勉強することにしたいと思います(^^;

「７月４日（火）」

ここ数日、日差しが強くて、とても暑い日が続いています。考えてみれば、つい先日夏至をすぎたばかりですから、日差しが強いのは当然です。これから八月にかけて気温はぐんぐん上昇していくことでしょう。

今週は、福岡市で蔵相サミットが行われます。世界の偉いさん達が訪れるのに粗相があってはならない、というのでここ数日警備が厳重になりました。会場となる福岡市民博物館は、いま僕が使っている福岡市民図書館の隣にあるので、その様子は直に体感できます。

今もこの辺り一帯を警察のヘリコプターが飛び回っていますし（うるさい）、窓の外では、警察の人たちが百メートルおきに立って、警戒しています。なんと今日から検問所までできています。この暑いのにご苦労様です(^^;

問題は、サミットの当日、この図書館が臨時休館となってしまうことです。警備の関係上仕方のないことかもしれませんが、あまりうれしくありません。

ま、一市民の立場でぼやいても建設的な結果がでるわけでなし、今週は「忍」の一字で我慢するしかありませんね。

「６月２９日（木）」

前に述べたとおり、自宅の電話回線の調子が良くなかったので、このほど思い切ってＩＳＤＮを導入しました。

某パソコンのＦＥＰではＩＳＤＮと打つと「サービス統合デジタル通信網」と固有名詞登録されていて思わずニヤリとさせられたのですが（遠い目・・・）、その訳語の通り、ＩＳＤＮとは、「Intergrated Servicesを提供する Digital Network」のことです。

今までは十数メートルのケーブルを二階まで引き回していたのですが、今回は一階にあるモジュラージャックの側にワイヤレスＴＡを置いて、二階の子機でパソコンに接続しました。通信速度は６４Ｋなので、今までのアナログモデムと比べて際だった差はでないのですが（無論速いことは速い）、モデムのようにネゴシエーションの時間がないので、接続すればぱっとつながる手軽さがすてきです。

ＩＳＤＮについては、強力な競争相手（例えば、ＡＤＳＬとかケーブルＴＶとか）が出てきており、その将来を危ぶむ声も少なくないのですが、ま、とにかく今はこのサービスを楽しんでみたいと思います。

「６月２６日（月）」

衆議院議員選挙が終わりました。選挙結果はともかく、やはり投票率が低かったようですね。

原因はいろいろあるでしょうけど、僕が思うに小選挙区制が採用されたため、投票のしがいがなくなってしまったのが原因の一つだと思います。

つまり、以前の中選挙区制の下なら、投票に値する（と感じられる）候補者が一つの選挙区から数人でていましたので、それなりに投票のしがいがありましたが、今の制度では、投票に値するだけの本格的な候補者が限られていて、投票するか、棄権するかくらいしか選択の余地がないように思えるのです。

それでも面白い選挙区はあるわけで、東京都の柿崎とか海江田万里とかが受かったのは、小選挙区制のおもしろさですか。逆に、鳩山由紀夫氏が北海道でゼネコンの御曹司にあやうく破れそうになったのは、小選挙区制の怖さですかねぇ。

いずれにせよ、今回の選挙で本当に残念に思うのは、増税論議が宙を飛んでしまったことです。

小渕政権の下での緊急経済対策は、確かに仕方のない政策だったでしょう。銀行への何十兆円もの国費の投入。何百兆円もの公共事業の実施。おかげで、日本初の経済恐慌の危険はどうやらなくなったようです。

しかし、その代償として我が国の借金は６００兆円にもおよぶ巨大なものに膨れ上がりました。政府は「財政再建より景気対策」といいますが、金が宙から湧いてくるはずがありません。かならずどこかから捻出しなければならないのです。

したがって、側国の財政は、もはや「増税をするか、しないか」などという悠長な議論をする段階はすぎてしまい、「どういう増税をするか」が議論されなければならない段階に達しています。

今回の選挙はそれが主な争点にならなければならなかったのに、政府はみごとにだんまりを決め込んでしまいました。それはそうです。それを喋ってしまっては選挙に勝てませんから。

これに対して、民主党は、課税最低限の引き下げという案を出してきました。民主党が選挙前にあえて国民の不興を買う政策をだしてきたことを僕は高く評価します。

ま、課税最低限の引き下げは一つのプランであって、我が国が採るべき方法としては、（１）「消費税を１５％か２０％くらいまで引き上げる」（２）「すべての法人に対して外形標準税を導入する」（３）「インフレ政策を採る」・・・等々がありえるわけです。

いずれも国民の不興を買うことは明らかなので、政府は「経済構造対策をとることで景気を押し上げて税収を増やす」という最も耳障りのよい（最も実現困難な）政策を打ち出しています。

今度の選挙では、本当は、こういったことを議論すべきでした。さて、続投の決まった森政権は果たしてどのような政策の選択肢をとることでしょうか。不安です(^^;

「６月２２日（木）」

天神の「日本長期信用銀行」の看板が、いつの間にか「新生銀行」にかけ代わっていました。何か感慨深いです。

僕は、ここで生まれて初めて「取り付け騒ぎ」という奴をリアルタイムで目撃しました。もう日付も覚えていませんが、長銀の経営危機が新聞にすっぱ抜かれたあの朝、僕はたまたま自転車で長銀の前を通りかかったのです。

それはすごい光景でした。人の列が長銀店内からあふれて地下鉄の入口の方までできていました。列を作っていた人達がほどんど年輩の方々ばかりだったのが印象的でしたね。

こういうときは、客は店内に収容し決して外に列を作らせないようにと大蔵省の方から通達が出ていたはずですが、こう人が多ければ対処の仕様もなかったことでしょう。銀行の中では預金保険機構のしくみについてのビデオが放映されていて、数人のお客さんが食い入るようにみていました。（金融債に預金保険は適用されるか明らかでないのに、よくやるもんだわ）

僕の前にいたおばあちゃんが「わたしゃ、あおば生命（日産生命の承継会社）でも酷い目にあったんだ、もう（長銀が）何をいっても信用できないよ！」と長銀の人にくってかかっていたのをよく覚えています。人があれだけすごい形相をするのをみたのははじめてでした。

昭和の初めに我が国における金融危機が起こったことを、我々は歴史の一部として知っています。そこで、日本の至る所で取り付け騒ぎが起こったことも知識として知っています。

しかし、それはあくまで知識であってリアルタイムに体験することとは話が違います。あの朝、長銀前に集まった老人達の独特の雰囲気・不安感・焦燥感は目の前で見てもらわないと説明できません。僕に孫でもできたら「おじーさんはねー、若い頃銀行の取り付け騒ぎというのをこの目でみたことがあるんじゃよ」と自慢してやろうと思っています（笑）。

冗談はともかく（？）、それより衝撃を受けたのは、あれだけの騒ぎになり、新聞社のカメラマンが写真を撮りにきていたにもかかわらず、翌日の新聞には一行もあの取り付け騒ぎについてふれていなかったことです。見事な報道管制でした。噂によると北陸に地方紙一紙を除いてすべての新聞社が報道しなかったのだそうです。きっと、大蔵省から強力な圧力がかかったのでしょう。

確かに、取り付け騒ぎを報道しては、他の銀行へも騒ぎが波及します。ですから、報道管制に応じた新聞社の動機は分かります。しかし、このことは同時にこと銀行の経営状態については新聞情報はあてにならない、ということも示しています。

今現在、銀行の経営危機は表面的には沈静化したように見えます。しかし、僕には今の状態がいつまでも続くとはとうてい思えないのです。選挙の後どういう動きが出てくるか興味深いです。

「６月１５日（木）」

しばらく前から、我が家の電話機の調子がよくありませんでした。具体的には、電話が鳴っても１ＲＩＮＧで切れてしまったり受話器を取ったら切れてしまったりと気味の悪い現象が続いていました。

加えて回線状態もよくありませんでした。ネットに接続中に突然切れるといった現象がよく起こっていました。

そうこうしているうちに今日の朝、ＮＴＴから電話がありました。曰く「お宅に電話をかけた方が、電話が繋がらないのでなんとかしてくれ、と言ってきまして」とのこと。

ＮＴＴの方で回線をチェックしてもらったところ、回線には問題はなく、問題は我が家の電話機の方にあったようです。

「繋がっている電話機は何台ですか？」「電話機は２台です。でも、モデムが二つとスカイパーフェクＴＶのチューナーに繋がっています」「あー、原因はそれです。こっちの調査でも電話機が４台くらいぶらさがっているとでています。」

そういえば、分配機でモデムをつないだとき、ＲＩＮＧ音が小さくなってしまい、家族から苦情が出ていました。ＲＩＮＧの駆動電圧が下がってしまったのでしょう。

回線の仕様では、せいぜい接続している電話機は２台程度を想定しているとか。それでは機能不全が起こっても仕方ありません(^^;　　しかも、うちの場合は、回線のジャックとモデムとは１０数メートルのケーブルで接続されているという無謀なことをやっています(^^;

とにかく、原因は分かりました。問題は対策です。今の電話機をコードレス子機つきの電話機に換えて各部屋を無線でつなげば問題は解決します。コードレス電話は盗聴される心配がありますが、デジタルコードレス方式なら傍受される心配も少ないでしょう。

いっそ、ここでＩＳＤＮに加入してしまうというのも手かもしれません。一階にルーターでも置いて、ワイヤレスで二階の自室までつなげれば理想的です。それとも、最近流行のケーブルＴＶでも入れて電話代を気にせず２４時間接続・・・・・・・はぁ、金がない・・・・・やめときましょう（笑）。

「６月１４日（水）」

報道によると、昨年成立した民事再生法を破綻した銀行にも適用しようとする動きがあるようです。破綻が見込まれる銀行がまだ存在しているのでしょうか。

今日は民事再生法の解説記事（受験新法７月号Ｐ．１１２）を読みましたので、すこし解説してみたいと思います。

民事再生法は昨年の暮れに、従来の和議法に代わって成立した法律です。

企業が傾く場合、本業で利益を上げられなくなってしまう場合もあります。この場合は、会社を精算するしかありません。この場合は通常「破産法」が適用されます。

これに対して、本業で利益を上げられるにもかかわらず、会社が傾いてしまう場合があります。例えばバブル期に本魚徒関係ない無謀な不動産投資をした場合などが典型です。

この場合、本業の利益で借入金を帰していかなければなりませんが、金利負担だけでも本業の利益を上回るなど返済のめどが立たない場合があります。この場合は、会社を精算し返せる範囲で借入金を返済しなければなりません。

しかし、本業で利益を上げられるのに、会社を畳まなければならないということは、あまりにももったいないことです。会社には債権者だけでなく、取引先や従業員など多くの利害関係人が存在しているからです。

そこで、こういう場合のために再建型の法的手続があります。

我々の目によく触れるのは、「会社更生法」だと思います。これは株式会社に限られているころからも分かるように、大規模な会社の再建に使われる法律ですが、中小企業には向きません。また、経営権を破産管財人に握られてしまうため、オーナー企業が申請するには抵抗が大きいようです。

そこで、中小企業などの再建には、「和議法」という法律を使うこととなるのですが、問題はこの和議法はかなり欠点のある法律だったことです。そういうわけで、今回和議法は廃止され、民事再生法として活用されることとなったわけです。

主な改正点を挙げてみますと

（１）和議法では、対象企業が破綻（支払不能や債務超過）しないと手続に入れない＞民事再生法では、破綻の前の段階で適用が可能。

（２）和議手続に入っても、債務者が勝手に財産を処分すれば債権者には手がなかった＞民事再生法では、否認権など強力な財産保全手続を導入した。

（３）和議法では、債権者の多数決で和議の条件が整っても、その履行は債務者の自由意思に委ねられていた（そのため、債権者はほとんど泣き寝入りしていた）＞民事再生法では、債務者が履行するまで裁判所が関与し、管財人が監督することとなった。

といった具合です。

さて、こういう法律が整備されたということはとても喜ばしいことだと思います。

しかし、逆に言うと、政府がこういった法律を急遽整備しなければならないほど、社会にやばい会社が急増しているといえるのではないでしょうか。

「６月１３日（火）」

一週間も更新をさぼってしまいました。申し訳ありません(^^;

さて、今日は衆議院選挙の告示日です。

小渕元首相の病気によって首相となった森首相は、今まで「談合総理」とか「裏口入学総理」(笑)とさんざんな酷評を浴びてきました。

これというのも内閣の組織を小渕内閣から引き継いだため、一度も総理大臣としての権力行為を行っていないので、権力の集中が生じていないためです。しかし、選挙の洗礼を受け、自分で内閣を組織すればそこに権力の集中が起こります。ここで初めて森総理は実質的に総理大臣になれたといえるわけです。

憲法の規定によれば、衆議院の解散の日から４０日以内に総選挙を行わなければなりませんから、立候補した人たちは大変忙しい日々を送っていることでしょう。

ところで、我々の目は衆議院選挙の結果に向いていますが、実はこの衆議院選挙と同時にもう一つの投票がまっています。それは、最高裁判所裁判官の国民審査です。

憲法７９条２項によれば、「最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行われる衆議院議員選挙の際、国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行われる衆議院議員選挙の際さらに審査に付し、その後も同様とする」となっています。

今回国民審査を受ける裁判官は以下の９名です。

亀山　継夫（６６）検察官／大出　峻郎（６７）行政官／町田　　顕（６３）裁判官／金谷　利広（６５）裁判官／奥田　昌道（６７）学　者／山口　　繁（６７）裁判官／元原　利文（６９）弁護士／梶谷　　玄（６５）弁護士／北川　弘治（６５）裁判官

外国の場合、裁判所は政治的色彩が強いので、最高裁判所裁判官の選任のされ方にも国民の関心が高いです。

例えば、フランスの場合は、裁判所は議会の委員会みたいな感じで、裁判官の政治的立場ははっきりしていますし、ドイツなどは憲法裁判所の裁判官は自分は何々政党の綱領に従って判断を下す、という旨をはっきり公表します。

裁判所の独立性の強いアメリカでは、裁判官は一度選任されれば辞めさせられないので、例えば共和党政権下で選任された裁判官が民主党政権下でも残存していて、それが一定の政治的役割を担います。（興味のある方は「ブレザレン」というノンフィクションが出ています。）したがって、誰が最高裁裁判官になるかという問題は世間の関心が高いです。

日本の場合、国政における裁判所の比重が低いせいか、あまり関心を呼びませんね。もっとも、政治的に影響が大きい国会議員の選挙でさえあまり投票率が高くないので、当然といえば当然なのですが。

そういうわけで、国民審査は国費の無駄遣いとの批判を浴びることも多いです。

しかし、今後、裁判所の役割が増大し、ある程度政治的判断を下さざるを得ない状態になったとき、あるいはこの制度が生きてくるかもしれません。少なくとも形式的とはいえ国民による信任を受けたという事実が判決に対する説得力をもたせる程度の働きは期待してよいかとも思えます。

皆さん。今度の選挙には必ずいきましょう(笑)。

「６月５日（月）」

今日の朝、某２ｃｈの掲示板で、某社（住宅地図の最大手）のホームページがハックされたというニュースを知った。早速行ってみると、なんとグロい死体の写真がホームページに貼り付けてあった。あー、気持ち悪い(^^;

９時になっても、まだそのままだったので、電話をかけてみると「いま警察の方がお見えになって実況検分をしています。申し訳ありません」とのことであった。

掲示板に一報が入ったのが午前１時頃だから、８時間ほどそのままだったことになる。それをみるに、会社の担当者はどうも出社するまで気づかなかったようだ。出社してみてさぞあわてたことだろう。気の毒に。

ホームページのセキュリティーについては、我が国の企業はわりと無関心だと言われている。理由は大した情報を載せていないからだというから情けない。

しかし、サーバーのセキュリティーの問題を甘く見てはならない。被害を受けるのが自社だけなら良いけれど（よくもないが）、自社のサーバーコンピュータを足がかりに別のコンピュータに侵入するという手口をとられた場合、結果的に、他人の犯罪行為に加担することになってしまうからだ。

ちなみに、今回の会社のホームページは、９時２５分になって回復した。

「５月３０日（水）」

毎日新聞につぎのような記事が載っていました。

『独協大などを経営する学校法人「独協学園」（本部・埼玉県草加市）の緒方昭夫理事長（６１）＝福岡市南区高宮＝が、個人的に経営していた福岡市城南区樋井川の医科系進学予備校「グレイス学園」の学園長室で首つり自殺していたことが３０日分かった。』

『民間信用調査機関などによると、緒方理事長は１９７６年、グレイス学園を開設。全寮制で当初約１００人の学生がいたが、４年ほど前から学生が減り、売り上げが激減して今年３月末に閉鎖した。緒方理事長はグレイス学園の運営会社の社長を務め、個人的に債務保証をしていたという。』

むごいですね〜。高校を卒業してここに行った人を何人か知っていますので、なおさらです。

前に、学校法人の中に経営がずさんなところがあると述べましたが、どうも予想通りの展開になってしまいました。

このニュースから読みとれることは二つあります。

一つは、我が国の人口動態が少子化傾向を強め、こういった経営基盤の弱い学校法人の経営を直撃していることです。今のところ表面化しているのは、予備校や専門学校クラスですが、実は大学も相当危ないところがあるようです。

二つ目は、銀行の不良債権処理がいよいよ最終局面（の始まり？）にさしかかっていることです。

その例として、先週でしたか、消費者ローンのライフが会社更生法の適用を申請しました。その負債額が何と一兆円弱にまでのぼり我々を驚かせました。

前に、商工ローンや消費者金融会社の間で不良債権のババ抜きが始まっていると書いた記憶がありますが、この会社はまさにババを引いてしまったようです。消費者金融は利益率の高い業種ですから、金融機関さえしっかりしていれば何とかなったかも知れませんが、メインバンクがあの長銀ということで、それも駄目だったようです。

他にも、第一ホテルの会社更生法申請などが我々の記憶に新しいところです。

もう一つ、興味深いニュースを示しましょう。

『民間信用調査機関の帝国データバンクが２９日まとめたところによると、和議に代わる再建型の新倒産法である民事再生法の申請企業が、４月１日の施行以来約２カ月間で１００社を突破した。民事再生法は、企業が債務超過といった破たん状態になる前に申請できるほか、再建手続きの簡素化が図られている。このため、同法の申請件数は、昨年の和議などの再建型手続きと比べ約３倍になっているとしている。』

時事通信のニュースです。この民事再生法とは、従来の和議法に代わるもので、会社更生法のように経営権を手放さずに会社再生プロセスに入れるので、どうやら好評のようです（苦笑）。

つまり、今まで銀行にすがって生き延びていた企業群に対して、銀行がようやく三行半を突きつけているということでしょう。そうなると銀行側も当然返り血（不良債権の顕在化）を浴びますが、その引当金は公的資金で補充してありますので、銀行経営は大丈夫、ということでしょうね。

おそらくは、この理事長も銀行から三行半を突きつけられた組ではないかと想像します。こういうケースは今後どんどん増えていくことでしょうね。

次の山は、選挙明けのゼネコン処理でしょう。どうもそういう気がします。そしてとどめを刺すのは、ゼロ金利解禁でしょうか。今度の森総理大臣にそこまでの度胸があるかどうかが見物です。

「５月２９日（月）」

最近気がついたのですが、福岡市内の表通りのマンホールがいつの間にか樹脂で封印されているんですね。おそらくは再来月にせまった蔵相サミットにそなえてのことだと思います。マンホールに爆弾を仕掛けられることを憂慮しての対症療法だと思います。しかし、その間の下水などのメンテナンスはどうするのでしょうか。他人事ながら気になるところです。

対症療法はいいけれど、それには副作用というものが伴います。刑事政策でも同じようなことがいえます。

先に、国家が国民に刑罰を科するのが許されるのは、犯罪者が「自分の意思」で犯罪を犯したからだ、といいました。

逆に言うと、国民が犯罪を犯さないようにするには、犯罪者に犯罪を犯しても割に合わないと思わせるほど刑罰を高くして「自分の意思で」犯罪をやめさせるのが一番、ということになります。刑罰の威嚇力によって犯罪を予防しようという考え方です。犯罪の原因を考えずに、ただ刑罰を強化すればよいという点で、対症療法的な手法といえるでしょう。

この考え方は、一見もっともなように思えます。現にアメリカで行われているスリーストライク制（犯罪を三回繰り返したら、終身刑に処する制度）は、確実に効果を上げているといわれています（手元にデータがないので、不確かですが）。

しかし、このような対策には次のような点で限界があります。

まず第一に、犯罪者個人についてみれば、犯罪者は必ずしも合理的に行動して犯罪を犯していないという点です。

犯罪者が犯罪を犯すに際して、犯罪を行いたいという欲求と、刑罰の重さを天秤にかけて、冷静に行動してくれるというなら、刑罰を重くすることに意義があります。

ですが、困ったことに、人間という生き物はそんなに合理的な生き物ではありません。後に考えればばかばかしいといえる理由で重大な犯罪を犯してしまうものなのです。

そういう場合、いくら刑罰を重くしても意味がありません。

第二に、社会全体の犯罪抑止という点でも、必ずしも厳罰化は望ましくありません。

社会の中に刑罰制度を置くということは、社会という系の中に刑罰というネガティブフィードバックを置くことといえます。刑罰を科することにより、一定期間犯罪を起こさせないようにできますし、また刑罰の怖さを学習してもらい、次回から犯罪を犯さないよう思い知ってもらう。それによって、社会の中での犯罪の発生確率を一定以下に抑えることができます。いや、できるはずでした。

ところが、現実には刑罰制度は必ずしも犯罪のネガティブフィードバックにならないのです。

刑務所から出所した元犯罪者は、多くは職を失い、家族は離散し、所持金もないという状態におかれます。そうすると、刑罰の怖さを思い知ったはずの元犯罪者は、容易に再び犯罪に手を染めてしまいます。

つまり、ネガティブフィードバックとして期待されていた刑罰制度は、下手をするとポジティブフィードバックになってしまう危険があるわけです。

系の中にポジティブフィードバックを入れれば、それは電気屋さんのいうところの「発振」です。現実には、警察・検察・裁判所・刑務所の処理能力がネガティブフィードバックに働いて一定のレベルで「均衡」するでしょうけど、どちらにせよ刑罰制度が新たに犯罪を作り出してしまうという皮肉な現象は避けられません。

第三に、あまり正面から議論されていないのですが、現在の日本の刑事制度の仕組みが厳罰化に耐えられないという現実があります。

かって中曽根総理大臣が進めた行政改革の中で、政府の支出を切りつめるため、各行制機関の予算を一律にカットするという、いわゆる「ゼロシーリング」が行われました。

このため、当時法務省も刑務所にかかる経費を切りつめる必要に迫られました。

そこで、さまざまな努力が図られました。例えば、刑務所で受刑者の刑務作業で作った製品（家具とかカバン・靴など、通常の工場では手が掛かりすぎて製造できないが刑務所なら製造できるという製品）を一般市場で販売するといった努力がなされました。

しかし、最も有効な措置としてとられたのが、収容していた受刑者を仮出獄させていまうという措置でした。

刑法の規定で、有期刑に処せられた者については刑期の１／３。無期懲役の場合でも１０年を過ぎると、行政官庁の処分で仮出獄が許されます（刑法２８条）。

受刑者で受刑態度が良く、再犯の恐れが少ないと認められた者について、法務省は積極的に仮釈放を適用して受刑者を外に出してしまいました。

おかげで、当時過剰拘禁（受刑者が定員オーバーすること）になやんでいた刑務所は、その悩みから一挙に開放されました。

もちろん、仮釈放制度は、受刑者の刑務所化を防止し再社会化を促すという効果があります。どういうことかといいますと、受刑者をあまり長く刑務所に拘禁しておくと、刑務所内の生活に最適化してしまい、一般社会で生活ができなくなってしまう危険があるのです。

しかし、一定の刑を宣告された受刑者が、その刑期の１／３程度で出てきてしまう現実にはやはり納得できないものもあります。

行政改革はいいけれど、削って良い予算と決して削るべきでない予算があると思います。そして刑務所経費などは、社会安定のインフラとして決して削ってはいけない予算だったと思います。

さて、刑を厳罰化すれば、それは確実に受刑者数の増加、刑務所の収容人員の増加につながります。

現在程度の刑罰でさえ、受刑者の処理にあっぷあっぷしている国の財政が、果たして刑の厳罰化で収容人員が増加することに耐えられるのでしょうか。

刑の厳罰化の議論の中でこの最も差し迫った問題が議論されていない点に、僕は危惧感を抱いています。

「５月２５日（木）」

更新間隔がだいぶ開いてしまいました。不思議なもので、人間忙しいときは余計なことをしたくなるものなのですが、時間ができると「いつでもいいや」と思ってしまうものなんですよね。結局、より充実した人生を送るためには自分の身を常に忙しい状態に置いておくことが肝心なのかもしれません。私の親父も似たようなことをよくいいます(^^;。

さて、西鉄バスジャック犯については、精神医の町沢静夫氏がＴＶに出て病院からの帰宅を許した精神病院側の対応を批判していました。

僕も町沢先生の本を一冊持っていたので、読み返してみました。「あなたの隣の”狂気”」（大和書房）という本です。（この本は、「逃げ遅れたヒツジ達（光文社）」を加筆訂正したものです）

読み返して感じたことは、我々の生きている時代は、正気と狂気の間が極めてあいまいになってきているのだな、ということです。いわゆるキ○ガイと正常人との境界があいまいになり、その境界上によくわからない精神状態の人達が普通に存在している。つい最近、友人が「（自称（笑））ギャンブル依存症」で身を持ち崩してしまったのをこの目でみていますので、この主張には説得力を感じてしまいます。

しかし、だからといって彼らの行為を許してしまうわけにはいきません。刃物を持ったキ○ガイから被害を受けるのは、まさに我々だからです。

では、法律屋は、こういったキ○ガイをどう扱っているのでしょうか。これについて少し述べてみます。

まず、キ○ガイに限らず、人一般に刑罰（自由刑）を処するということは、その人の身体の自由を制限することです。つまり人権を合法的に制限するわけです。したがって、それには相当の理由が必要です。その理由について考えてみましょう。

法律屋の世界では、現在のところ道義的責任論という理論がその主流を占めています。これはぶっちゃけて言えば犯罪者は「自分の意思」で悪いことをやったのだから、その責任を負うべきだという考えです。悪いことをして刑務所に入れられるのも自分で決めたことなんだから自業自得・因果応報・・・・というわけです。単純明快ですね。

ところが、この考え方にたつと、「自分の意思」を持たない者に対して責任を問うことが極めて困難になります。例えば、精神病患者で自分が何をしているのか分かっていない者に対しては、自業自得・因果応報とは言えないわけです。

そうすると、我々は精神病患者にで自分が何をしているのか分かっていない者（これを心神喪失者といいます）に対して刑務所に入れる根拠を失ってしまいます。

それを規定したのが、悪名高き「刑法３９条：心神喪失者の行為は罰しない」という奴です。

この結論はまことに論理的です。ですが、現実に精神障害者から被害を受けた者としては「たまったもんじゃねー」というのが正直な実感ではないでしょうか。

これに対して、法律屋は「保安処分」という解答を持っています。保安処分とは、一定の犯罪を犯した者に対して、その「将来の危険性」に着目して身柄の拘束を認めようとする制度です。刑務所と娑婆を何度も往復する受刑者（頻回受刑者）が問題となった昭和５０〜６０年に導入が検討されていました。「正常人（責任能力者）には刑罰を、キ○ガイ（責任無能力者）には保安処分を」というわけです。

しかし、この制度は結局日の目を見ませんでした。その理由は、やはり「将来の危険性」という概念があまりにあいまいで濫用の危険が大きかったことにあります。

そこで、法律屋は自らの理論に開いた穴を、厚生省の方に押しつけました。これが精神保健法に規定される「措置入院」という制度です。自傷他害の恐れのある精神障害者に対して都道府県知事に強制的に精神病院に入院させる権限を与えたのです。

ですが、押しつけられた精神医療の現場は大変だと思います。医療という行為は患者の健康を回復することを目的とする行為ですが、それに加えて、収容した患者が社会に害を及ぼさないよう配慮しなければならない。かといって、自分が受け持った患者の将来に至る危険性まで判断する責任を負わされたのでは、精神医達もまさに「たまったもんじゃねー」とぼやくでしょう。今回のバスジャック犯にしても、精神医の前ではいい子を演じて、結局医者を騙し通してしまったわけですから、その困難さは想像がつきます。

精神医の先生達の世界では、このへんをいったいどのように解決しているのでしょうか。

先の町沢先生の本でも出ていたとおり、「正気」と「狂気」の中間にいる人が増えている現在、まさに現代的な課題として論じなければならないところですが、ことがことですからなかなか正面から論じる環境にはないようです。

「５月１４日（日）」

つかれた・・・・・・。もう爺さんの身には３時間半は辛いや（涙）。

福岡会場の総受験者数は１６００人余。昨年より１００人ほど増えたか。まったくなんでこんなやくざな世界に入ってくるんだろう(^^;

スカパーでＬＥＣがやっているチャンネルで今年の問題の解説をやるとかいってたけど、見る気なし。見ても意味なし。

帰宅する途中、花屋でカーネーションの鉢を買って帰る。￥３０００なり。帰宅すると、弟夫婦が待っていて、一家総出で夕食。中華料理はうまかった。

「５月９日（火）」

朝から体がだるくて全然調子が上がらないと思ったら、案の定熱があった。パブロンでごまかす。気持ちわりー。

佐賀のバスジャック犯。ＴＶなどでは現場で射殺してしまえばよかったという意見まで出ている。これはこれで確かに荒唐無稽の話ではない。コメンテータの人の言うところによると、欧米ではそれが通常だそうだ。

ところで、現在、世界各国では死刑廃止が世界的潮流である。そのなかで依然として制度としての死刑を存続させている我が国は、アムネスティーあたりから野蛮国呼ばわりされている。

しかし、死刑を表面上廃止している国だってえらそうなことは言えた義理じゃない。南米の某国などは、死刑を廃止しておきながら粗暴犯は身柄拘束するより「現場処刑」、つまり警官に射殺させてしまう。先進国という欧米でもその辺の事情は対して変わらない。不法な行為をした者に対する処罰の要請が日本などより格段に厳しいのだ。だからこそ死刑制度を廃止しても社会のコンセンサスが得られているとも言える。現場処刑でバランスをとっているのだ。

この点、我が国は死刑制度は残していても、不法な犯罪者に対してそれほど厳しいことはしない。どちらの制度が優れているか比べようがないが、僕には、死刑を廃止しながら現場処刑をボンボン続けるような欺瞞がないだけ、我が国の方が好ましいと思う。とにかく刑事制度の国際比較は表面上の制度やデータだけを比べるのはとても危険なことなのである。

だから、いくら今回が欧米なら現場で射殺されたケースだからといって、そう簡単に射殺、射殺というもんじゃないと思う(^^;

「５月４日（木）」

木曜日。昨日は教科書はやれないといってたにもかかわらず、今日は一日前田の刑法総論を読んだ。違法論から始めて、責任論と読んで共犯論に入った所で果てた(^^;。明日いっぱいを使えば全部目を通せるかなぁ。

昨日のバスジャック。案の定、目を覚ましたら事件は解決していた。突入時刻は朝の５時３分。まさに定石通り。警察の方々って律儀だねぇ（笑）。

今回は不幸にして死者がでてしまった。最初僕は逮捕監禁罪が成立するとばかり思っていた。監禁された人数分の逮捕監禁罪。そして怪我をした方には逮捕監禁致傷罪。死者に対しては逮捕監禁罪と殺人罪の観念的競合。いや併合罪か。

ところが、今回のケースの場合は特別法があるようだ。交通機関で逮捕監禁して人を殺した場合は死刑か最低でも無期懲役なんだそうだ。こんな特別法があるなんて知らなかったわ(^^;

犯人は１７歳の未成年者なので、家庭裁判所を経由するが、１６歳以上なので検察庁に逆送できる。したがって、少年刑務所送りがまず間違いないところだろう。

しかし、１８歳以下は死刑に出来ないので、刑の上限は無期懲役ということになるか。

もっとも、精神鑑定の結果、心神喪失が認定されると、罪は問えないことになる。この犯人は精神病院に入院していたそうだから、その辺の判定が微妙になることだろう。

報道内容からすると、是非弁別能力も自己制御能力も認められそうな感じだから、裁判所もそう簡単に心神喪失を認定しないとは思う。昔は医者が「精神病」という診断を下せば即心神喪失という認定がでていたんだそうだけど、今はその辺厳しくなって、たとえ医者が「精神病」と診断しても心神喪失を認定しなくなっている。

世の中がキ○ガイにそうそう甘い顔はできなくなってきているってことだろう。精神病患者とは本人のみならず社会もまた悩ます人々だ、とは昔読んだ精神病理学の本（多分ヤスパース）にのっていた定義だった。我々はまさに彼らに悩まされている。

「５月３日（水）」

もう水曜日。やばすぎ(^^;。今の時期は、一体何をやっていいのか分からなくなる。教科書を一から読むには時間が足りないし、かといってやるべき課題は少なくない。とりあえず、択一過去問で間違った問題だけをつぶすことにする。

自宅で宅調するのはいいのだが、デメリットもある。今日はそのデメリットがもろに出た日であった。自宅ではＴＶが自由に見られるのだ。

報道でご存じの通り、今日の午後、佐賀発博多行きの高速バスが１７歳の高校生にバスジャックされた。おかげで今日のＴＶの画面は夕方から現在にかけてずっとこのバスジャックの実況中継に占領されてしまった。

リアルタイムな犯罪の中継ほど面白いものはない。下手なスポーツ中継なんか比べものにならない。バスジャックされたバスの映像がリアルタイムにＴＶの画面にでるたびになんでこう興奮するのだろう(^^;。今日の夜の勉強時間はＣＳテレビから延々放送される乗っ取られたバスの放送によってかなり散漫なものになってしまった。ああ、意志の弱い私（涙。

今現在（１：００ａｍ）バスジャック犯はまだ捕まっていない。だが、明日の朝のＴＶで事件は解決しているであろう。おそらく警察は夜明け頃（５時あたりか）を目安に強行突入するだろう。これはまず間違いない。

この事件では犯人は一人なので、この犯人の疲労がピークになった頃に救助隊が突入するというのが定石だ。広島の夜明けは五時前あたり。このころ人間の注意力は最も散漫になる。おそらく今回の件でも警察はこの時間帯を狙うだろう。

こういう予測を書き込んで今日は寝る。目が覚めた頃に、事件が犠牲者を出さずに解決していることを望む。

「５月２日（火）」

もう、五月。日差しは強くなるばかりだ。

最近は自宅に閉じこもっている。先週は月曜日から土曜日までとうとう一歩も家から出なかった(^^;。健康に良くないけどまあ仕方ない。

今日は、愛知県の高校三年生が６４歳の女性を刃物で刺し殺したというニュースで大騒ぎ。夕方になって犯人は出頭したが、これは指名手配の後だから自首減刑にはならない。

動機がキている。「人を殺すという経験をしてみたかった」だと。現在の高校生達の日常というのが変化しているとは宮台あたりがよく言っていたことだ。彼は「人を刺すのをスタンバっている中学生・高校生が少なくない」というのだ。

前は「なんてオーバーなことをいうのだ」と思っていたけど、こういう事件が起こると、宮台のいうことも真に受けないといけないのかもしれない、と考えてしまう。

昔は非行少年・犯罪少年は類型的なパターンができていた。いわゆる「不良」なイメージそのままだ。そして、それは統計的な調査からも裏打ちされていた。

非行少年の再犯率をチェックする「グリュック夫妻の犯罪予測表」という研究がある。

これは少年鑑別所に送られてきた非行少年達にいかなる処分を科すべきかというツールとして開発されたもので、非行少年の外的な環境要因、家庭環境やら親の収入やらを五段階に評価。それをχ自乗検定で分析して、一定の予測表を作る。これによって鑑別所に送られてきた少年を「この少年の外的環境によると、この少年が再犯を犯す率は＊＊％」というのが出る。調査官はこの予測表にしたがって保護観察にするか少年院に送るかを決めることが出来る、というものだ。

ところが、この愛知県の少年は、ここにいう典型的な「非行少年・犯罪少年」の類型から外れている。こういった少年の出現を我々はどう考えればよいのだろうか。

何か不気味な時代が到来してしまっている、という感じを得た。

「４月３０日（日）」

全択の日。会場は九産大。・・・・・・・・何だ！あの問題は。来週のは受けないつもり（怒）。

「４月２８日（金）」

明日から、世間ではゴールデンウィークなのだそうだ。うらやましい。

昨日は弟からＰＨＳの料金プランが適切でないと叱られてしまった。僕が入っているプランは「データプラス」という奴で、基本料金１９００円でデータ通話料１０００円がついてくる。出先でデータ通信をする僕にとってはお買い得なプランだと思っていたのだが、落とし穴があった。それは、通常の通話料金が３倍になるということだ。

最初、ＰＨＳに加入したときは、そう通話に使うことはないと考えていた。だからそれは大きな弱点にはならないと思っていたのだ。しかし、キャラトーク（ＰＨＳ間の電子メール）の料金まで三倍になっていたとは気づかなかった。普通はデータ通信の一種と考えていたからだ。

一部の人はご存じの通り、私は、受信する人達の迷惑も考えず結構キャラトークを飛ばしまくっている（笑）。一人で机に向かっている生活は寂しいもので、ついメールを飛ばしてしまうわけだ(^^;　（ごめんよぉ(^^;＞思い当たる人）。そういうわけで、ＰＨＳの料金が思ったよりかさんでしまっていたのである。

そこで、料金プランを変更することにした。基本料金２７００円のコース（通常プラン）とデータ通信料１９００円定額払い（これで５時間通話可能）のコースをミックスした奴だ。固定費用が高めだけど、通常会話料金は標準（一分１０円）だし、キャラトークも一本１０円ですむので、だいぶまともになるだろうと期待している。

以上で思ったのは、電話料金という奴は、賢く使わないと損をする反面、賢く使えばかなり安く上げられる余地があるということだ。これもＰＨＳ・携帯電話業界の過当競争のおかげだ。過当競争になれば、業者は消費者により安くて多彩なサービスを提供してくるのが常だからである。

逆の言い方もできる。電話料金は、賢く使えば安く上げられるが、賢く使わないと大損するともいえる。つまり、勉強しないと利益を享受できないのだ。

敷衍して考えると、これは単に電話業界だけの話ではない。世の中自由化の進む中、当然業界は過当競争の荒波にさらされる。ということは、こんご消費者に対し業者は多彩なサービスを提供してくるということとなる。

すると、僕がＰＨＳで経験したことが、いろんな局面で生じるのは間違いなかろう。

例えば、金融商品などがそれにあたる。銀行や証券会社にいけばさまざまな金融商品のパンフレットが手に入る。今や利殖という意味ではほとんど意味をなくした定期預金から、社債、公社債投信、さらには怪しげな外貨系の投資信託。これらの内容を頭に入れるだけでもけっこう大変だと思う。ましてそれらの中から最適な選択を選び出すとなるともうパニックだ。

自由化は確かに消費者にメリットをもたらす部分もある。しかしそのメリットを享受し得るには情報と頭が必要だ。そのためには努力しなければならない。自分で情報を集めて自分で検討しなければならないからだ。

だから言える。自由な社会は「疲れる」社会でもあると。業者側から提示される情報を処理できなくなれば損をするのだ。ああ、面倒くさい。しかし、だからといって、今までのようにどのサービスも皆同じという世の中にはもはやもどれまい。もどることは経済の自殺行為である。僕らはこの動きについていけるだろうか。今はともかく老人になったときまでついて行きつづけることができるだろうか。さてはて・・・・・・疲れる(^^;;;;;;;;;;;;;。

「４月２３日（日）」

今日は実に良い天気だった。気温はまだ低いけど、太陽高度があがって日差しはすでに真夏並になっている。あと二ヶ月すれば夏至なんだから早いものである。「真夏の夜の夢」って作品があるけど、まさに今がそういう季節なのだ。

日本人が「真夏の夜の夢」と聞くと八月の暑くて寝苦しい熱帯夜を連想してしまう。実際そう誤解している人も多い。しかし、イギリスでミッドサマーというと、５月から６月ごろの季節を指す。この季節は緑はまだ薄いのに太陽光線は強く。森の動植物も成長期。まるで木陰から妖精達が踊りだしてきそうな時期である。そこで、シェークスピアは妖精達の空騒ぎを題材に「真夏の夜の夢」を書いた。

さて、そういうウキウキする季節なのだが、我々にとっては迷惑な季節でもある。それは、世間が皆休日になり休暇を楽しんでいる最中に最も過酷な時期を部屋にこもって過ごさなければならないということもある。そういうのがいやだったから僕が東京にいた頃は、この時期多摩川の川辺のベンチで本を読んでいたっけ。聖蹟桜ヶ丘のあたりの川辺には小さな牧場があって、牛さんたちを眺めながら、択一の問題を解いていた（笑）。

だが、もちろんそういうのもあるけど、何より辛いのは、この時期、日の出時間が目に見えて早くなってきていて、生活リズムを崩しやすいことだ。

福岡にいるとそれほどでもないけれど、東京は東にあるので明らかにこちらより夜明けの時間が早い。この時期だと、夜自体が浅いのに加えて、４時半になると鳥たちが騒ぎ始める。

試験前眠れなくて、この時間帯まで目を覚ましているともう睡眠は困難だ。だんだん白んでいく空。鳥のさえずりがうるさくて眠れない。そうしているうちに夜が明ける。まるで直射日光にさらされたゴキブリのような気分になる。こうなるともう睡眠は絶望的だ。

ここの日の出時間が３０分以上遅いことで、福岡に戻ってきてひそかに喜んでいる。ま、早く寝られればそれにこしたことはないのだろうけど（笑）。

「４月１９日（水）」

受験票がきた。東京にいたときは、出願期日で受験会場を選ぶことが出来た。３日目あたりまでが東京大学本郷校舎。続いて慶応。７日までが中央大学理工学部。後は早稲田大学理工学部。最後は早稲田大学本校・・・というわけだ。

僕はわりと、早稲田大学の理工学部が気に入っていたので、出願開始１週間目あたりに法務省の地下一階にある司法試験管理委員会に直接もっていっていた。

しかし、福岡ではそういうわけにはいかない。受験会場はただ一つ。西南学院大学のみだ。あまり立派な校舎とは言い難いがなじみの校舎だ。少なくとも二年前までの会場だった福岡大学高宮校舎よりは違和感はない。なにせ、あの近辺で６年間もいたのだから（笑）。

４月も下旬。脳細胞がバチバチ音をたてている感じだけど、人間って意外と丈夫に出来ているもんだ。大丈夫だろう。

「４月１１日（火）」

先に述べたごとく、今日は箱崎の県立図書館に行った。西新から地下鉄で１５分。考えようによっては百地の市民図書館より近いと言える。

県立図書館は箱崎小学校の前にある。朝図書館前に到着すると警官の姿を見かけた。想像するに、数日前、箱崎小学校で窓ガラスが何者かに大量に割られるという器物損壊事件が起こった。しかるに、今日は小学校の入学式だ。そこで、不測の事態に備えて警官を配置したとみえる。物騒な世の中になったものである。

物騒なと言えば、今日は県立図書館でも事件があった。夕方の６時頃だったか、別館の学習室の隣の女子トイレから突然女性の悲鳴が数回にわたり聞こえたのだ。

第一回目「きゃ〜〜〜」（学習室の面々は、ピクリともせず）

第二回目「誰か、助けて〜〜〜〜っ」（面々は、互いに顔を見合わす）

第三回目「誰か〜〜、誰か助けて〜〜〜〜〜」（何かが起こったことを察した男どもが血相を変えて立ち上がりトイレに向かって駆け出す）

僕が駆けつけたときは、女子トイレの中で女の子が泣きながら何か言っていた。何が起こったのかさっぱり分からなかったが、再伝聞で聞いたところ、どうも女子トイレを覗いた不審人物がいたらしいのだ。

時は春。変な奴が出てくる季節である。変な事件に巻き込まれないよう気をつけなくちゃ（笑）。

話題を変える。

今日昼飯時新聞を読んでいたら、日経新聞にザウルスの記事が載っていた。サードパーティーがザウルスにリナックスを実装したという話は前に聞いていたのだが、このほどシャープとしてもこれを積極的に推進していくことにしたのだそうだ。すげ(^^;

もちろん、使える資源が資源だから，Ｘｗｉｎなんて動かないだろうけど、カーネルだけでもそこそこすごいかも。

考えてみれば、初期のＵＮＩＸワークステーションなんてＭＣ６８０２０の１６ＭＨｚ程度でＢＳＤ＋Ｘｗｉｎを動かしていたのだから、スペック的にはザウルスでもそれほど見劣りしない。

携帯端末の世界は、ソニーがｐａｌｍに進出するとか、いろいろ動きがある。結構楽しみだわ。

「４月１０日（月）」

今日から２０日まで市民図書館が休館になる。この忙しいのになんてことだろう。

そういうわけで、今日は朝からセミナーの空き教室で勉強していた。ところが、午後になって事務のおねーさんがやってきて「授業で使いますので、５：３０には教室をでてください」とむごいお言葉（涙）。朝見た掲示板ではちゃんと９：３０まで使えるようになっていたのに・・・・。

そのまま自宅に帰ったけど、帰宅してから調子があがらずソファーで眠ってしまった(^^;。これから（１１：００）勉強を再開するんだけど、もう取り返しがつかないなぁ。今日は負け戦だわ。

セミナーが新しいビルに移って、どうも事務局にこういったミスが多い。困った困った・・・。明日は県立図書館にでも行くかなぁ。

こういうふうに、その日ごとに勉強する場所、時間が変化するのは経験上あまりよくないことがわかっている。昨日もおとといも・・・・一週間前も同じような生活をやってたなぁ・・・・というときが一番調子がいいものなのだ。いっそ、県立図書館に拠点を移すことも検討している。

「４月８日（土）」

「ＳＰＡ！４／１２号」の「ｅビジネス新種・珍種職業大図鑑」。ｅビジネス周辺ビジネスを紹介している。どこまで本気かわからないけど、それで飯が食えるのは立派なことだ。どこかにいい飯の種、落ちてません？（ぉぃ

まぁ、それはいいんだけど、そのなかの「コミュニティー・リーダー」って何だ？なんで、そいつのイラストに「Ｘ６８０００」と書いてなきゃならないんだ(笑)。

「４月６日（木）」

名古屋で中学生が同級生から５０００万円を恐喝されていたというニュースがあった。なんか桁が違う(^^;

先に少年法について述べたが、実は民事責任においても、少年は保護されている。１１〜１２歳以下の少年が他人に損害を与えても、その少年は責任を負わない。責任能力、つまり自己の行為の是非弁別がつかない奴等に賠償責任を負わせないこととなっているのだ。

もっとも、それでは被害者はたまったもんではないので、民法はその代わりに未成年者の保護者に対して重い責任を課している。条文を示す。

「民法７１２条：未成年者が他人に損害を加えたる場合においてその行為の責任を弁識するに足るべき知能を具えざりしときはその行為につき賠償の責に任ぜず」

「民法７１４条：（１）前２条の規定により無能力者に責任なき場合においてこれを監督すべき法定の義務ある者はその無能力者が第三者に加えたる損害を賠償する責めに任ず。但し監督義務者がその義務を怠たらざりしときはこの限りにあらず」

未成年者が他人に損害を加えれば、被害者は監督義務者（親）の過失を証明することなく、直ちに損害賠償が可能となる。裁判において証明責任を負うというのは大変な負担となるので、これが不要となれば被害者にとっては楽だ。

ところで、ここに「その行為の責任を弁識するに足るべき知能」を具える者として、判例はだいたい小学校卒業程度（１２歳前後）を基準としている。

ということは、１２歳前後から２０未満にかけては、被害者の保護がはなはだ不十分ということになる。

それではあんまりだ、ということで、判例はたとえ１２〜２０歳までの年齢でも、被害者が、子供の親の監督が不十分だったことを証明すれば、親自身の不法行為といえるとして親に責任を課するようになった。ただ、この場合は、被害者が親の過失を証明する必要があるので、負担が重い。

今回の事件では、この点がネックになるだろう。被害者の少年が、「いつ、どこで、誰が、何を、どうした」を証明しなければならないことにくわえて、「それを親が知りながら放置した」という事実まで立証しなければならないからだ。

そこで、場合によっては、被害者は学校を相手に損害賠償を求めることも考えられる。７１４条には続きがあって

「民法７１４条：（２）監督義務者に代わりて無能力者を監督する者も前項の責めに任ず」

となっているからだ。

学校は、学内において生徒の安全を配慮する義務がある。もし恐喝が学校内で行われた場合は、学校に責任が及ぶ場合もありえよう。

あるいは、こういうように学校内のトラブルに法律も持ち出して解決する手法に抵抗を覚える人もいるかもしれない。学校という共同体内部の出来事は共同体内部で解決すべきであって法律を持ち出すべきでないという理屈だ。

しかし、それは誤りだ。なぜならそういう処理ではおうおうにして「弱い者に泣いてもらう」解決方法が採られやすいからである。

この点に関連して話を進めるが、こういう事件が起こるようになると、学校において生徒の生命・自由・財産を守ってやるシステムがはなはだ弱いということを痛感させられる。

かっては学校という共同体の中で、ある程度の秩序が生じていた。しかし、もはや「クラスメート＝仲間＝皆仲良く」という理屈は維持するのが難しい。では、教師がその役をつとめればよいではないかというかもしれないが、教師は教育の専門家であって、治安維持のための専門家ではない。教師に専門以外の役割を押しつけるのはあまりに酷である。

とすると、学校の中で生じる秩序は、いわゆる弱肉強食の秩序にならざるを得ない。今回の事件で明らかになったように、学校の中は、警察の手も届かないのだから。そうなると、弱い奴は徹底的にむしられることとなる。これはまずいことだ。

半ば冗談、半ば本気でいうのだが、アメリカのように、学校の中を警官なりガードマンが定期的に巡回するようなシステムも、あるいは考えなければならないのかもしれない。

それはともかく・・・、この被害者の親子は、母子家庭なのにすべての蓄えをむしられてしまったわけだ。これからどうやって生活していくことだろう。

「４月４日（火）」

青木総理大臣代理は、本日午後７時、憲法７０条の規定に従い、内閣を総辞職することを決めた。同規定による内閣の総辞職は初めてのことだそうである。ちなみに７０条の条文を以下にしめす。

「内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があったときは、内閣は総辞職しなければならない。」

今回の辞職は、条文前段の「欠けたとき」にあたるというのが政府見解だ。教科書を読むと「死亡」の他に「失踪」とか「亡命」ってのが例としてあがっていた。総理大臣が亡命・・・うーむ(^^;・・・まあ、そういう異常事態を想定した条文なので、今まで適用された前例がないのだろう。

次の総理は、森自民党幹事長となるらしい。どんな人かピンとこないが、石川県出身の議員で結構地方の利益代表というイメージが強いなぁ、僕には。派閥としては福田派の系譜。福田元総理が引退した後、安部＞三塚＞森とリーダーが代わっている。田中派の系譜を引いていた小渕首相・・・元首相は積極財政と親和性が高かったけど、福田の系譜はわりと財政均衡路線と親和性があるはず。一般世論は今までの政治路線と代わらないと言っているがはたしてどうかな。

もっとも、これだけ赤字国債を大盤振る舞いしてしまったあとは、財政縮小か増税しか仕事がないわな（笑）。ＣＮＮをみていたら、「今の日本の政治状態は主立った政治案件が片づいて自動操縦状態であるので問題ない」といってた。確かに、赤字国債のまっかっか予算なり、年金支給年齢５年間先送りの年金法案も片づいてしまっている。

このまま、選挙に入れば小渕元首相への同情票が入るだろうから、ひょっとしたら来月当たり総選挙か？やるかも知れないな。

「４月３日（月）」

帰宅してＴＶをみると、小渕首相は脳死状態だそうだ。政治家の病気というのは控えめに発表されるのが常なのだそうだから、昨夜のニュースの時点で覚悟をしておくべきだったかな。南無ぅ・・・・・・。

サミットも近いことだし、政局がごたごたするだろうなぁ・・・。後継者は誰になるんだろう。

「４月２日（日）」

いまＴＶをみてたら小渕総理大臣が倒れたのと一報が入ってきた。うーん、この時期に・・・・・。

有珠山の火山爆発。小沢自由党の政権離脱。それに目前に迫ったサミットなどなど・・・。小渕総理は心臓にペースメーカーを入れているそうだし、やはり無理がたたったのか。

スカパーでＣＮＮを見てみると、ちゃんとワールドニュースの冒頭でプライムミニスター小渕が入院！とやってた。（一部の日本の放送局よりニュースが早い。それでどーする。反省しろ、日本の放送局（笑））。海外の関心事も高いようだ。

サミットどうなるんだろう。それどころか、次の総裁候補はどうなるのかな。なんか、総選挙どころではなくなってきたような気がする(^^;

とりあえず、憲法の副総理の権限の論点くらいは勉強しておくか（現実モード）。

「総理大臣の権限−内閣総理大臣臨時代理指定権」

「内閣総理大臣に事故のあるとき、または内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う」（内閣法９条）。

予め指定された臨時代理を、一般には「副総理」と呼んでいるが、副総理を決めると、それが総理の地位を脅かしたり、あるいは、次期総理大臣候補と目されたりして、微妙な政治的影響を及ぼすことがあるので、最近ではこれを予め指定しないで、臨時代理を必要とする事態（例えば、総理大臣の病気や海外出張）が生じるごとに、そのとき限りのものとして、応急代理を指定することが多い。法はかかる慣行を認めていない、というほどのこともないが、応急代理の指定も出来ないという事態が起こり得ないとはいえず、法に従ってあらかじめ臨時代理を指定しておくことが望ましい。指定のないまま総理大臣が欠けてしまった場合には、法に定めはないが、国務大臣の協議で臨時代理を決めるのが実際的だろう。」（高見・高橋：有斐閣憲法２：Ｐ。１６４より）

そうか・・・・最近は副総理が誰だという話を聞かないのはこういう事情があったのか。

「なお、臨時代理の権限は、総理大臣の一身専属的性質を有する権限を除き、その一切の権限に及ぶ。一身専属的な権限には、総理大臣の任免権が含まれる。任命権については大臣が欠けた場合に、臨時代理がそれを補充し得ないのは不都合ではないかとの反対説もあるが、臨時代理がおかれるのは短期間であることが前提であり、その間は、欠けた国務大臣の担当した行政事務の分担管理は他の大臣が代わって行えばよい」

昔の択一では、副総理は国会を解散できるか、とか問題になってたようだけど、どうだったっけ。このへんを解釈で補わなければならないというのは、いかにも日本的だと思う。

政府要人に不都合が生じた場合の処理についてはアメリカなんかではしっかりしていて、ほとんどの要職についてのプライオリティーが決められている。アメリカの推理小説で、「大統領失明す！」（失明が「職務執行不能」にあたるとなると大統領はやめなきゃならない）なんてのがあるくらいで、そこらへんは国情の差が表面にでている。ま、それがいいか悪いかはわからないけど（笑）

「４月１日（土）」

エイプリルフール。購読しているザウルスユーザーのメールマガジンが「ぱ〜まが」と題してパームユーザーからザウルスを酷評するという記事を送ってきた。うーむ、こういう企画もあるのねん。当然、ザウルスの開発チームにも送ったんだろうなぁ（笑）。

新年度そうそう有珠山の爆発という物騒なニュースが日本中を駆けめぐった。いや世界中か。いまＣＮＮをみていたら、やはりこのニュースをやっていた。外国のＴＶから日本の光景を見るってのも変な感じ。つくづく日本人てアジア人やなと思ってしまう（笑）。

今年度からのニュースというと、うちの近くに寮がある三井信託銀行と中央信託銀行が合併する日のはず。寮の表札には変化がなかったが、そのうち掛け替えられるんだろうなぁ。三階建ての低層鉄筋づくりで同じ敷地に広いテニスコートが付属しているというバブルな寮なんだが、こんな資産を持っているところでも経営は傾くんだねぇ。

合併までの過程で、最初は中央信託が主導権を持っていたはずなのに、いつの間にか三井信託が主導権を握ってしまった。その間いろいろネット上をうわさがとびかっていたっけ。

銀行といえば、石原都知事の外形標準税。なんかあっさり通ってしまった。全銀協は訴訟を起こすとか言っているけど、はっきり言って勝ち目はない。昔から裁判所は税制については、判断を避ける傾向が強かった。今回も東京都の判断を尊重するはずである。

けど、いいのかなあ。赤字法人だって水道や道路など公共サービスを使用しているのだから、その対価としての税金を払うべきだという理屈には納得できるのだけど、この理屈を延長していくと、意図的に赤字にしている一般法人への拡張という問題がでてくる。

それどころか、我が国は、課税最低加減が比較的高めなので、税金を払っていない層が決して少なくない。にもかかわらず、彼らもまた水道やガス、道路などのインフラを使っているわけであって、彼らにも課税しないと不公平だという理屈も成り立つ。この税制の延長線には、課税最低限度額の引き下げや累進課税の緩和といった大税制改革への伏線が走っているとみるのは考えすぎだろうか。渡部昇一あたりが吠えている路線とぴったりなのが気になる。

この財政状態のもと、政府は血眼になって財源を探している。そのうち国民に何らかの負担を求めてくることは確実だ。そのときになって、あの石原新税が転機だったな・・・・と思うのではないだろうか。やだなぁ。

「３月２７日（月）」

とうとう、ダウン。今日は自宅調査日モード・・・というか、朝からふとんで寝てた。

ふとんの中からＴＶを見ていたら朝から保険金殺人のニュースばかり。使った薬品の名前はアセトアミノフェン。昼間飲んだ風邪薬の成分表を見てみると、この風邪薬にも入っていた。気持ち悪いや（笑）。

こういった薬の処理は肝臓でやっているんだけど、アルコールの処理と同一回路で行っているので、アルコールと風邪薬を同時に飲むと肝臓が過負荷になるのだそうだ。気をつけないとねぇ。でも、風邪薬で人が死ぬのか。怖い話だ(^^;

とにかく、今日は寝る。寝るのだ〜〜〜（ぉぃ

「３月２６日（日）」

昨日は、朝から体がだるくて何もできず。結局一日を棒に振ってしまった。帰宅して体温計で熱を計ると７度台の微熱。別にタイムカードを押さないといけない身分ではないのだから、こういうときは最初から休むべきだったと反省。頭痛くらいなら何とか耐えられるのだけど、熱があるともうまったく仕事にならない。

昨日は、福岡でとうとう桜が開花したのだそうだ。やだな〜。梅の花が咲く頃はまだ余裕があるのだけど、桜の花にはいい思い出がない。このころになるとスケジュールが完全に余裕がなくなるからだ。

追記：このページの各日記にはしおりを入れてあるんだが、ときどき埋め込みに失敗してとんでもないことになっていることもある。許されよ(^^;

「３月２２日（水）」

近所の喫茶店に場所を移動して、勉強を始める。これから９時までここにいる予定。

ｗｅｂで西日本新聞のページをみていたら次のような夕刊記事が載っていた。

「山口県光市で昨年四月、母子二人を殺害したとして殺人罪などに問われ、死刑を求刑された同市の元会社員の少年（１９）に対する判決が二十二日午前、山口地裁であった。渡辺了造裁判長は「犯行は極めて冷酷かつ残忍で社会に与えた衝撃は計り知れない」としながらも「殺害自体に計画性がなく、当時十八歳と一カ月の少年であり、内面が未熟で、更生の可能性がないとはいい難い」などと述べ、無期懲役を言い渡した。」

う〜ん、やりきれないなぁ・・・。

この被告人は、１８歳でなければ、ほぼ確実に死刑事件だったと思う。判決は被告人の行為の性質、性格、経歴、被害者の落ち度、社会的影響性等を総合考量して決定される。

だが、未成年の刑事犯の場合、罪一等減じられるので、死刑にすることは難しいのだ。

未成年の場合、少年法の規定により、犯罪少年については、一応すべて家庭裁判所に送られ（家庭裁判所前置主義）、しかる後に死刑・懲役・禁固にあたる犯罪行為で家庭裁判所が刑事裁判相当と認めた場合には、事件が検察官に送られ（逆送）、通常の刑事手続きにのる。（この逆送の対象となるのは１６歳以上である）

そして、少年法は、犯行時十八歳未満の場合に「死刑をもって処断すべきときは無期刑を科す」と定めている。

よって、これは裁判官がどんなに死刑相当の事件と考えても難しい事件なのだ。

とはいえ、やはりやりきれない。なぜなら、刑事システムは、国民個々人の復習する権利を国家が代行することで吸収してきたという面があるからだ。

もう少し詳しく言うと、法のない状態では個々の人間は、相手側の侵害行為に対して「自分の身は自分で守る」。そして侵害行為を受けたら、「自分で相手に復讐する」ことで秩序を守るしかない。

しかし、各人の力に差がある以上、それは弱肉強食の秩序であり、それは不幸な社会である。社会経済的にも各人が個別に防衛力を維持しなければならないという社会は、多くの時間と労力と費用を費やし、しかも得るところは少ない。

そこで、国家が法という秩序を作り、他人に侵害行為を行う者に対しては刑事システム（警察＞裁判所＞刑務所）がこれを処罰するという形を作り上げた。これが近代国家である。

とすると、死刑相当の犯人が死刑にならないというと、国家に吸収されたはずの個人が復讐する権利が行き場を失ってしまう。欲求不満が溜まる。やりきれない。

これに対する答えは、一応用意されている。

刑罰は、被害者にとっては国家による復讐の代行なのだが、国家にとっては、将来の被害の防止という観点の方が勝る。

そして、犯罪の防止という観点から刑罰を見ると、実は、刑罰の強化が決して犯罪の予防効果を持つものでない。なぜなら、犯罪者が、犯罪を行おうとする動機と刑罰による苦痛を天秤に掛けて、合理的に犯罪を行ってくれているのなら、刑を重くすればするほどよいことになる。しかし、犯罪者の多くは困ったことに合理的な計算抜きで犯罪を犯しているからである。

とすれば、国家による刑罰権の行使はむしろ抑制的に行い、犯罪の予防に重点を置くべきである。そういう理屈である。

しかし、これはやはり国の側からの理屈だわなぁ・・・・。

だからといって、この前の大阪高裁の判決みたいに、マスコミの実名報道による一種の私刑を容認することで、バランスをとろうとするのもおかしな話だ。

結局のところ、刑事システムの中でおきざりにされてきた被害者の立場を、刑事システムの中に取り込んで、被害者が裁判の過程でさらに傷つくことのないようにしたり（二次被害の防止）その被害感情の慰撫のための手続を盛り込んだりと、制度を改革していかんといかんね・・・・月並みな結論になってしまった(^^;

「３月２２日（水）」

うーむ、朝予備校に行ったら、掲示板に９：３０〜９：３０まで５０１教室を自習室として開放しています、と書いてあって安心して５０１に常駐していたのだが、いま掲示板を見てみると、９：３０〜６：００と変更されていた。お〜い、夜からの三時間、どーしてくれる！あわてて常設自習室の方をみてみると・・・当然空き席はない。しまった！

新校舎に移ってまだ一週間経っていないので、事務局の措置にいろいろと不都合なところがでてきて我々を楽しませてくれる(^^;・・・早くなれてくれ(^^;

不都合といえば、新校舎は、福岡銀行本店の側なのだが、先週は福銀に右翼の街宣車がやってきてうるさくて困った。頭取が新しい人に替わったので、顔見せ興行をやっているようだ(笑)。石原都知事の銀行いじめが世間に受けたので、これに続けとばかりにスピーカでがなりたてている。これで福銀の来年度の使途不明金が増えるようなことがなければいいのだが。

そんなこんなで、３月もあと一週間と少し。年度末である。（秋のままだった某うさぎ工場のページも更新されたようだ(笑)。）きもちよく４月を迎えるべくがんばらなくちゃ。

「３月１７日（金）」

僕が行っているＷセミナー福岡校は、最近盛況である。今日の不況のせいか資格を採ろうという人が増えているらしい。司法試験だけでなく司法書士、社労士、さらに最近は公務員試験の講座までやっている。おかげでビルが手狭になっていた。セミナーではとりあえず近所のビルを別に借りて今まで対処してきたのだが、もう限界だった。

そこで、このたび近所に新築のビルが建ったのを機会に、散らばっていた教室を一つにまとめることとなった。その４階と５階に引っ越しをしたのである。

そういうわけで、今日から、新ビルでお勉強である。新しいビルはやはり気持ちがいい。

ただ問題もある。専用自習室が用意されていないのだ。今のところ、空き教室でお勉強である。予備校の人に聞くと、本当は２フロアと半分借りるはずだったのだが、貸し主の方から半フロアの部分貸しは出来ないといわれてしまったので、教室不足のままのスタートなのだそうだ。ちと、不安である(^^;

今週に入って、ようやく択一の問題を解き始めた。論文の勉強と択一の勉強。この力の配分がかなり頭を悩ます問題なのだ。論文の勉強が万全とは言い難い状況なので、できるだけ択一の開始は遅らせたい。だが、択一に落ちてしまっては元も子もない。三月ももう半分終わった。そろそろ択一を初めてよい頃だろうと思う。

さて、どうなりますことやら・・・・・。

「３月１２日（日）」

前に触れた古本屋「まんだらけ」が開店したので、ちと顔を出してきた。

ふっ・・・・ふふふふふふ・・・・・。顔がにやついて仕方がない（笑）。ブックオフより大きいぞ(^^)。蔵書数は結構な数だ。しかも、本だけでなくアニメアイテムものが多数。なぜか佐藤製薬のゾウの人形まで売っていた。

店員さんがコスプレ姿ってのもいい。カードキャプチャーさくらの姿をした店員さん。可愛かった(^^)。ふほほほほ・・・・・。二次元のアニメ画より３Ｄの方がいいよね（笑）。

考えてみれば、僕はコスプレの実物はあまり拝見したことがない。あれだけ長い期間東京にいたのにコミケにも一度も顔を出したことなかった。これ、けっこう心残りだ(^^;。

さて、コスプレの話だけでこの日記帳を終わらせては品格（？）にかかわるので、経済にからませる（笑）。

「まんだらけ」や「ブックオフ」のような大規模古本屋が最近好調だ。「まんだらけ」の場合はほとんど直営店でやっているから、あまり目立たないが、「ブックオフ」の場合は地元の資本とフランチャイズ契約でやっているから店舗の展開・拡張が急だ。

この成長の秘密は、古典的な古本屋と一線を画したビジネスモデルで運営しているからである。

古典的な古本屋は、基本的には仕入・販売は店主の裁量で行っている。仕入は客からの購入の場合は、店主と売り手との交渉によって決まる。あまりはっきりとした定価がないのが現実だ。また、販売についても店主の裁量によるところが大きい。こうなってくると、あまり多くの本は入ってこないし、売る弾が少なければ販売価格も上げざるを得ない。

この点、ブックオフやまんだらけは、仕入・販売をマニュアル化してしまった。どのクラスの本はいくらくらいで仕入れていくらくらいで売るという全国に通じる「相場」を作り上げてしまった。

こうなると、売る方としてはいくらで売れるという目安がつきやすいし、買う方も商品がたくさんあるので選択の余地があり、かつ値段もそこそこ安い。

恐らく、こういった商売は、ゲームソフトの中古販売店のノウハウが古本の販売に波及したのではないかと思う。

こういった、大規模古本屋については、昔からの古本屋めぐりを楽しんできた人達からそうとうぼろくそに言われているようだが、ライトなユーザーである私などには古本屋が便利になったと喜んでいる。

今日は、択一模試の前だったからゆっくり見て回れなかったが、明日は昼飯ついでに少し見て回ろうかと思っている。今日見かけた店員さんが、また、カードキャプチャーさくらのコスプレをしていてくれるとうれしい。

「３月１１日（土）」

弟がさっそくＰＳ２を買いおった。なんともうらやましい(笑)。

ＰＳ２は、世間の評判はいいけれど、ゲーマー達の評価はどうなんだろうか。雑誌などでは、ソニーの圧倒的な強さに感情的な批評もでていたようだが。僕はといえば、あのＸ６８０００ｃｏｍｐａｃｔもどきの姿を見ると食指が動いてしまう(笑)。今は忙しいけど、暇になったらきっと買うだろう。

今週のニュースでは、地元の大手予備校「水城学園」の長浜校舎売却のニュースがショックだった。

大学受験予備校も、小子化の波に押され、さらに東京や名古屋の大手予備校がこぞって福岡市内に参入してきたため、地元の老舗とはいえ対抗できなかったようだ。

別に水城学園がそうだったとはいわないけど、学校法人という奴は、経営がけっこういい加減なところが多い。

学校法人という組織の関係から理事長の独裁制がひかれ、周囲はイエスマンというところが多い。しかも私学助成金や税制の関係で結構儲かる。

そのわりに、学内には教育の専門家と労務管理の専門家しかおらず、真の経営のプロが欠けていたりする。そういう学内体制で、いったん大きな投資話が転がり込んでくると、法人を傾けてしまうほどの暴走をしてしまう。

また、教育畑の方々は僕が言うのもなんだが意外と世間知らずで、あるいは学生運動対策要員としてやとった男に学校を支配されてしまったり、有利な出資をしてくれるという話に乗って、右翼の親玉に学校を乗っ取られたりと、酷い話はつきない。（以上は、全部実話）

学校法人のオーナーには地元の名士と呼ばれる人が多いのでなおさらやっかいだ。

そういや福岡には問題のある学校法人が多いな(^^;;;。指折り数えてみると結構な数になる。福岡の県民気質に何か問題があるんじゃなかろうか。そういうことも考えていたりする。

おっと、お昼の時報だ。この図書館では、先月の中頃あたりから、お昼の時報時の館内放送に次の台詞がはいるようになってしまった。曰く、

「最近、館内では置き引きが発生しております。皆様、お手元の荷物には十分お気をつけください」

警備の人に聞いたところによると、新聞の閲覧台の足下に男性がカバンを置いていたところ、新聞を読んでいる間にもっていかれたのだそうだ。怖い・・・・。僕もカバンにシンクパッドを入れたまま放置していることがよくある。気をつけないとなぁ。

しかし、こんなことに注意を払わなければならない今の日本の社会情勢は悲しいものがある。バブル戦犯どもの罪は重い。

「３月４日（土）」

久しぶりに図書館で勉強。予備校の方が択一答練の関係で土日は空き教室が使えなくなってしまったからだ。

スカイパーフェクＴＶとディレクＴＶの合併が正式に発表となった。スカパーの方で両者の首脳の記者会見が放送されていた。ディレクの社長が「我々は数年前、スカイディレク。あるいはパーフェクトディレク、といった会社を模索していた。その合併交渉がうまくいかなかったことが、敗因だっただろう」と述べていた。そう。実はスカパーもスカイＢとパーフェクＴＶとの合併によって出来た会社だったのだ。合従連衡が会社の命運を分けたといえる。ヒューズは今後スカパーに出資。第六位の株主になると言っていたが、ディレクに出資していた松下はどうするんだろうか。出資したくても、スカパーの株主であるソニーが反対するに違いない。

５００人いるディレクの社員は新会社に承継されることはなく皆解雇されるそうだ。なかなか厳しい。しかし、株式会社の長所はこういった合併・分離・精算が楽に行えるというところにあったはず。今後は業界の再編がらみでこういった例が増えてくることだろう。

考えてみれば、放送業界というのは、今後大変な変革の時代を迎えるわけだ。これまでＶＨＦ／ＵＨＦ帯域の地上波でＮＴＳＣ信号による放送が長く行われてきたので、我々はあたかもこの状態が永遠に続く真理のように受け取っている。特に東京のキー局が大手新聞社と提携関係を持ち、全国紙の数だけキー局があるという収まりのよい形で運営されているため、我々はこれが一般的な「解」であるように錯覚している。

しかし、この形態は電波帯域が有限であるという事実からくる部分的な「解」にすぎない。今度ブローダーバンドな通信技術の発達で、放送と通信が完全に融合する。６４ｋどころかメガビット／秒単位の広帯域通信の時代がもうそこまできている。２４００ＢＰＳなモデムでちんたら文字通信をやっていた時代とは完全に一線を画す。そうなると、何も今までのような東京キー局５社体制にこだわる必要はない。ＡＯＬとタイムワーナーの合併なんぞはその先駆的な例だろう。

場合によっては、富士通放送とかソニーチャンネルなんぞという会社ができても不思議じゃないのだ（すでにソニーはVAIOＮＥＴという番組をスカパーの中にもっている）。商社なんかも出てくることは間違いない。

問題は、放送事業にそこまでの消費者の需要があるかどうかだろう。今回のディレクＴＶ精算の件も、要するに衛星放送自体にそこまでの需要がなかったからだ、という冷めた見方があるのも事実である。

先に述べたとおり、消費者の持ち時間が一日２４時間しかないという事実は変わらない。だから今後通信と放送が融合したメディアがでてきても、ＴＶの代替品としての役割だけでは普及は無理だと思う。

意外と、今後期待できるのは携帯電話のｉモードのような携帯端末系のメディアかもしれない。これら携帯端末は消費者の細切れなアイドルタイムを使うものなので、まだまだ開拓の余地があると思うからだ。

携帯電話の液晶画面がＴＶの画面になり、しかもＴＶじゃできない双方向性のサービスを行う。そんなのはどうだろうか。

「２月２９日（火）」

２月２９日。うるう日。あちこちで細かいトラブルが生じているらしい・・・。昔、ベーシックの記事なんかでよく万年カレンダーが例題として載っていたけど、あれって、うるう日の修正はやってたっけ？どうでもいいけど妙に気になるなぁ（笑）。

今夜は、身近な話題を二つほど。

まず、最初に。天神北のマツヤデンキが撤退したのは昨年暮れだった。天神地区の中心が三越の開店で南に移動したのも手伝って、５階建てのビルにまるまる治まっていた電気店が撤退してしまったのだ。

我々はその後継テナントに何が入るか注目していたが、このほど何が入るか明らかになった。それが、なんとあの「まんだらけ」なのだ（笑）。

「まんだらけ」とは、知る人ぞ知る（知らない人は全く知らない）漫画専門の古本屋チェーン。いわば「おたく」御用達の店である。そして、私はおたくに親和性をもつ人間である（自分のことを指しておたくとなのるほどおこがましい奴じゃない（笑））。

かなりうれしいかも知れない・・・・しかも予備校のすぐそばだし（ぉぃぉぃぉぃ

次に、ＣＳデジタル放送の世界に動きがあった。アメリカのヒューズ社を中心とするディレクＴＶが清算を決定。ライバルだったスカイパーフェクＴＶが吸収合併することとなったのである。

前にも述べたとおり、僕はスカイパーフェクＴＶを使っている。つかっていて感じるのだが、ＣＳをテレビの別チャンネルと考えると本質を見誤る。これはＴＶのようであって実はＴＶではない。高度な情報システムという感じなのだ。

チューナー自体がとても賢くて、番組表などを自分で表示してくれる。ほとんどパソコン並の機能を持っている。しかも、電話線と接続すれば双方向ＴＶとして使える。なおかつ、インターネットの上り線としてパソコンに接続して使えば、いますぐＭＢ級の通信回線として使用できるのである。

この仕組みは来年にも始まるＢＳデジタル放送でも同様である。いや、双方向性に関してはＢＳデジタルの方が上かも知れない。

今後は、一本化されたＣＳ放送とＢＳデジタル放送が相競う時代が来ることになるだろう。そうなると地上波の世界は極めて矮小化されていき、いつの間にか時代に取り残されてしまうかも知れない。

もっとも、こう沢山のチャンネルができても、いつ見るんだ、という疑問がある。一日は２４時間しかないのは定説（笑）だからである。次は、その辺が問題になるだろうなぁ・・・・。

「２月２７日（日）」

日曜日ということでのんびりしてしまった。もう日暮れだ・・なんもやっとらん。やばい(^^;

先週はいろいろあったが、今回はミドリ十字の血液製剤事件の第一審判決について考えてみたい。

訴因はエイズウイルス入りの血液製剤を過失により販売し一人の患者の命を奪ったということである。そして、罰条は業務上過失致死。判決は二年程度の実刑判決であった。

この二年程度の量刑については、世間の判断が分かれるところだろう。患者代表は当然であるが「軽すぎる」と言っていた。せめて５年！と言っていた人がいたけど、５年の判決が出ても彼はやはり軽すぎるというに違いない。

だが、これはもっともな意見である。公訴事実にあらわれた被害者はたった一人であるが、その裏側に死におびえる何千人ものエイズ患者の存在があるからだ。

とはいえ、業務上過失致死の刑の上限は５年。これを超える刑を科するわけにはいかない。法律は国家と国民の（社会と市民の？）契約であるから、これ以上の量刑を科するのはルール違反である。やむをえないことだろう。

さて話を少し広げてみる。

エイズ事件に限らず最近は、刑事事件の被害者たちが注目をあびている。国家は被告人に対する人権は守っているが、被害者の人権をなおざりにしていないか、というのである。特に交通事犯に関して顕著である。

これにはいくつもの側面があって、簡単に述べるわけにはいかないのだが、やはり世間一般が思っているよりも過失犯の量刑が軽すぎるという点に問題があるのだろう。

そもそも、刑法では、原則として故意犯（わざとやった犯罪）のみを処罰する。過失犯（不注意によって生じた犯罪）を処罰するのは例外なのである。

その理由は、故意犯に比べて過失犯は非難すべき点が少ないからである。それは、例えば人を殺そうと大きな石を崖から落として人を殺した場合と、誤って石を崖から落として人を死なせてしまった場合を比較して考えれば明らかであろう。

刑法は国家の刑罰権の行使要件を定めているが、国家が国民を処罰する以上、それは人々から強く非難されるものに限られるべきである。そして、人々が何を非難するかというと、例えば人を殺す、というように悪い考えを思い浮かべそれをそのまま実行した点にあるといえる。その点、人を殺すと考えていなかったのに、人を殺してしまったというような場合（過失犯）は、明らかに非難が弱い。だから、過失犯の処罰は例外扱いとされているのである。

確かに加害者の方を向いて考える限り、この理屈は合理的である。だが、問題もある。殺された被害者のほうからしてみれば、誤って殺されようが、意図的に殺されようがどっちも同じということだ。

被害者の家族からしてみれば、家族が殺され、当然加害者は重罰に処せられるべきと考えていたのに、その期待を大きく裏切られることとなってしまうのである。これが、最近の「被害者の人権」論の根底にある。

さて、それではどうすればいいのだろうか。

過失犯の刑が軽いとは加害者への非難が少ないという点にある、とは前に述べた。だが、現実には、本当か？といいたくなるようなことも少なくない。

まず、特に交通事犯についてだが、加害者の反省が足りない。

交通刑務所の所長さんが書いたエッセイにでていたが、交通事犯の受刑者は人を殺したにもかかわらず、「事故」ということで極めて罪悪感が少ないのが現実なのだそうだ。人間の頭はずるくできていて、自分に不利なことは忘れよう、あるいは合理化しようとする傾向にある。「あれは事故だった」とか「誰でも同じさ、自分は運が悪かっただけだ」とかいう理屈が頭に浮かべば、自分が人を殺したという事実を忘れてしまう。それでは被害者はうかばれない。

そこで、最近では、被害者に対する補償・和解の有無が起訴や判決において重視されるようになってきている。アメリカなどでは被害者と加害者を面談させて加害者の反省と被害者の感情の慰撫を図る制度ができていると聞く。

次に、本来、過失犯については民事事件として解決するのが筋というものだろう。

だが、この民事裁判という奴は、金での解決が主目的であるから、被害者の感情の慰撫という点からすればむしろ逆効果となりかねない面をもつ。

そこで、アメリカでは、民事事件でも「懲罰的損害賠償」というおっそろしいものがある。民事裁判は被害者の現実の損害を補償することが目的である。逆に言うと、被害者が受けた損害以上の賠償は、たとえ加害者がどんなに悪質であっても求めることはできない。だが、アメリカは公法（刑事事件）と私法（民事事件）の区別があいまいなので、加害者の悪質さを加味した損害賠償の請求が許されているのである。（日本のような大陸法系の考え方になじんでいると、アメリカ流のやりかたのいいかげんさにはあきれることが多い。）

だが、日本でこのやり方が許されるかどうかは判断が分かれるところだろう。アメリカで懲罰的損害賠償の判決を受けた日本企業が日本で強制執行を求められた事件で、日本には懲罰的損害賠償なんかない、という理由で最高裁がこれをはねつけた例がある。

むしろ、日本の場合は、「謝罪の強制」の方を多用した方が便宜ではないかとも思う。反省の態度がみられない過失犯の加害者に対して「私がわるうございました。ごめんなさい」と新聞広告をださせる判決を出すのである。

いずれにせよ、社会情勢が悪化し、被害者の人権がさけばれるようになった今日、この問題を看過することはできまい。近いうちに司法制度の中に何らかの改変が行われると思う。それがどういう形になるか、たぶんに楽しみである。

「２月２２日（火）」

２のぞろ目の日。

なんか、気がつかないうちに、成年後見制度が施行されていまってる。いつの間にってかんじだ。

成年後見制度とは、いわゆる「ボケ老人」等々、一人で契約やら財産の管理やらをやる能力に問題がある人達を保護する制度である。

法律が描く我々の社会は、自由市場というリングの上で、契約という技を使いながら日々闘いを続けているバトルフィールドなのである。財産という体力を持つ者も、あまり持たない者も、それぞれに知力を尽くして闘っているというわけである。

ところが、あまりに体が小さい者、病気の者、怪我をした者・・等、バトルフィールドでの戦闘に耐えられない者については、一定の底上げをやってあげないと闘いにならない。一方的なジェノサイドになってしまう。

法律はこれまで、禁治産者制度という奴でこういう不平等に対応してきた。しかし、この禁治産制度というのは人聞きが悪くて、高齢者でこういった制度の適用がふさわしい人達がいても、彼らの方で忌避されやすかった。

そこで、このほど制度を改正して、成年後見制度という奴を新たに付け加えたわけだ。

その改正に伴って法律の用語例が相当に変更されている。例えば、従来差別的であるとして批判の強かった用語について変更がなされた。

「禁治産者」→「成年被後見人」

「心神喪失」→「精神上ノ障害ニ因リ事理ヲ弁識スル能力ヲ欠ク」

「禁治産の宣告」→「後見開始ノ審判」

「準禁治産者」→「被保佐人」

「心神耗弱者」→「精神上ノ障害ニ因リ事理ヲ弁識スル能力ガ著シク不十分ナ ル者」

「準禁治産宣告」→「保佐開始ノ審判」

「無能力者」→「制限能力者」

といった具合だ。

ま、成年後見制度の当否や問題点についてはここで述べるつもりはない。

ここで問題なのは、また六法と教科書を買い直さなくてはならないという現実だ（笑）。いやー、僕はいま本棚に六法を何冊持っているだろうか(^^;　内田の民法もまた補正版がでるだろうなぁ・・・・・はぁ(^^;

世の中の進歩についていくにも金がかかるのである。

「２月１５日（火）」

東京都の外形標準税条例が通りそうな情勢だ。なにせ世論の支持が圧倒的だからだ。

世論が支持しているのは単なる「銀行憎し」の想いからなのだろうが、その結果は重大である。今回の外形標準税はひょっとしたら日本型資本主義をぶち壊すだけのインパクトを持っているかもしれないのだ。

その理由を述べる。

前に、日本人は社会一般に対する信頼が低いと述べた。日本の企業が取引関係を構築する際、長年のつきあいを重視する行動に出やすいというのも、社会一般に対する信頼が低いのが原因であるとも述べた。

しかし、企業活動をしていく上では常にいつもの相手とばかり取引をしていられない。常に販路を拡大していかなければ商売にならないからである。だが、新しい相手が信頼が置けるかどうか疑わしい。相手先の経営状態が悪く支払いを滞られれば自分たちが損害を被らなければならないからである。

そういう場合、どこかにその新しい相手が信頼が置ける者なのか、経営状態がいいのか悪いのかどうかを問い合わせられればそれに越したことはない。

そこで、日本では取引金融機関からの情報収集という手段が重視されることとなる。経営が傾きかけているかどうかを一番知っているのは取引金融機関である。企業に融資をするかどうか判断する際、相手の経営状況を報告させるからである。

「＊＊という会社は危ない」という情報を小耳に挟んだ銀行の担当さんが、自分の担当の会社の社長から「今度＊＊という会社と取り引きしようと思っているんですよ」と相談されれば、当然「ちょっとやめておいた方が・・」というに違いない。つまり金融機関が情報センターとしての役割を担うわけである。

したがって、自然にメインバンクを中心とする系列企業に取引相手がさだまってしまうという構造が生まれる。これがアメリカなどから見ると不公正貿易といって非難されるわけだが、これは今回の話題とは別な話だ。

以上は、奥村宏教授の法人資本主義論の請け売りである(^^;

さて、ここまで聞くと日本の系列社会というのは実に合理的な機構であるように思える。だが、これは間違えだ。なぜなら、本来この情報センターとしての役割は「企業会計制度」が担わなければならないものだからである。

会計制度は、企業の経営状態を公示し、よって取引の相手方に信頼を付与する役割を担っている。この制度がきちんと機能していれば、わざわざ金融機関経由で正しいかも分からない情報を集めてくる必要はなくなる。

監査法人・公認会計士による監査はこの会計制度が正しく運営させるための制度といえる。

では、なぜ日本ではこうならないのか。それは会計制度が今ひとつ信用できないからである。日本では前年度まで帳簿上は経営上の問題がなかった企業が倒産してみたら実は債務超過に陥っていたなんてことが日常茶飯である。先日スーパーの長崎屋が倒産したが、これもきちんと公示されていたのか疑問である。これでは、企業会計は信用されない。

もちろん、日本でも公認会計士制度がある。「公認」会計士とは、まさに品質を公認された会計をやってくれる会計士の意味であって、これの監査の品質を疑われてはどうしょうもない。

バブルが崩壊したのは９２〜３年あたりだったか。その頃、僕はまだ大学の図書館にこもっていたが、バブルの崩壊で一番衝撃を受けていたのは、法学部の学生ではなくて実は商学部の特に公認会計士の資格を狙っていた連中だったのをよく覚えている。図書館の片隅で学生さん達が深刻そうに話していたっけ・・・。

この日本の会計制度がいいかげんだという原因の一つが、日本の税制にある。

日本の会計制度は、商法・証券取引法・税法がもたれあったトライアングル体制によって構成されている。商法３２条２項には「商業帳簿の作成に関する規定の解釈については公正なる会計慣行を斟酌すべし」とあるが、これを根拠に証券取引法・税法がリンクされる構造になっているのである。

こうなっているのには合理的な理由があったのだが、問題なのは各法律は目的が違うということである。商法が目的とするのは、株主および取引の相手方のため引き当て財産となる資本がきちんと確保されているかどうかである。証券取引法の方は現実に企業が儲かっているかどうかを重視する。税法は、利益の捕捉とそれに対する課税が目的である。すべて目的が違う。だが、現実には企業は最後の目的、すなわち税法にあわせた（税金を支払わないように最適化した）企業会計を行ってしまう。これはこれで仕方のないことだが、それが商法や証券取引法が目的とする経営状態の公示という機能とコンフリクトしてしまうのである。

（帳簿上の）利益を出さないことを最優先とした経営は、日本を代表する超優良企業が帳簿上はほとんど利益をだしていなかったりするなど、理屈にあわない状態を作り出しているのである。

外形標準課税は、税金の対象を「利益」ではなく「外形」とするものである。ここからは推測で発言するしかないのだけど、これによって従来の「利益」を出さない経営が変わってしまうのではないだろうか。

いったんこの制度が導入されれば、企業は、税金を支払わないよう「外形」に工夫をこらしてくるだろう。「外形」とは従業員数や保有不動産・事業所の数・規模をいうのだから、これらの数字を削減することにつとめるだろう。

だが、これによって、少なくとも今までよりは企業会計の信頼性が高まるのではないだろうか。

企業会計の信頼性が高まれば、今までのように機会損失を我慢して系列内の取引先とだけつき合うのではなく系列を超えた取引が可能になってくるかもしれない。そうすれば日本経済全体としての効率性が高くなる可能性がある。

今回の石原東京都知事の試みは見た目よりインパクトが強いのである。

「２月９日（水）」

石原都知事が吠えた。預金量５兆円以上の銀行に対して外形標準税を課するというのだ。

現在の税制では、主に「利益」に対して課税がなされている。これは一見合理的なように見えるが、弱点もある。景気が悪くなって企業が利益をだせなくなったとき、税収が著しく減少してしまうのだ。

しかし、利益がでなくなったからといって、行政サービスはちゃんと受けているのだから税金を払わなくて良いという道理はない。そこで、従業員数や売上高などの事業規模から税額を定めてそれを基準に支払ってもらうというのが、外形標準税の骨子だ。

現在の銀行は、不良債権の償却のまっただ中で、かなりの粗利はとれているにもかかわらず、不良債権償却費を引いて利益を計上するため、課税の標準となるはずの「利益」はゼロないしきわめて低額になっている。税収減に悩む東京都としては何とも恨めしい業界だったわけだ。

さて、ここで、東京都のような一地方自治体がなぜ税金を定めることができるか不思議に思った方もいらっしゃるかもしれない。確かに、普通の感覚では税金は国会が（大蔵省が？）定めるものという捉え方になるだろう。

しかし、日本国憲法は地方自治権を定めている。そして、地方自治の本旨には地方課税権もまた含まれるというのが通説だ。なぜなら自分の財政的基盤を自分で決められないなら、それは自治とはいえないからである。判例も大牟田市電気税訴訟で、地方自治体の課税権を認めており、これを受けて、地方自治法も条例による課税をみとめている。

もっとも、憲法上・法律上、東京都が外形標準税を定めることができるというのと、外形標準税を課してよいか、という議論はまったく別物だろう。

今日の新聞各紙も、その論調はみごとに分かれている。

読売新聞「乱暴すぎる」

朝日新聞「いっそ全企業を対象にして」

毎日新聞「東京の論理にも一理あり」

日経新聞「石原都知事の投じた一石」

税金は、景気のよいときは企業から多くの税金を徴収し、景気をさまし。逆に景気が悪くなれば、支払う税金の額も少なくなるので、景気の下支えの機能を果たす。そういうことで、景気に対するネガティブフィードバックの機能を有している。つまり、景気にかかわらず一定の制御装置の役割を果たしているといえる。

だから、これを外形標準税化することは、確かに国の政策のあり方としては、矛盾する動きともいえる。

だが、利益に税金をかけるという現在の仕組みが、企業の行動を「節税」という本来の事業活動以外の目的にオプティマイズさせてしまい、結果として経済全体がゆがんだものにしていることも、これまた事実なのだ。

その当否は今後は都議会の中で議論される。もともと議会という制度は、国王が税金を課するとき、議会の承認が必要だ、という形で成立したものである。その意味で、もっとも議会で行われるべき議論であることは間違いないわけで、論戦を期待したいところだ。（今頃銀行業界から個々の都議会議員に対してさまざまな工作が進行していることは疑いない(^^;）

「２月４日（金）」

市民図書館に行ったとき、僕が昼食でよく利用するのは長崎チャンポンのリンガーハットだ。野菜が入っていてなかなか健康的だ。それに第一うまい（笑）。

そのリンガーハットが、このほど東証一部に上場するというので、８日から３日間チャンポンがサービス特価２５０円になるそうだ。これはうれしい（笑）。

しかし、このリンガーハットという会社がここまでくるまでには、日本経済の縮図とも呼べる荒波を経ている。

まず、９５年にこのリンガーハットは財テクに失敗。大きな特別損失を計上している。

その後、メインバンクの日本長期信用銀行が政府の特別管理下におかれる。おかげで資金調達がかなり困難になる。

しかも、株式の持ち合いをしていた東邦生命が経営難のため外資のＧＥキャピタルに営業譲渡（事実上の倒産）。相手が持っている持ち合い株が市場に流れ出ると株価が暴落するので、東邦生命の持ち合い株を自腹を切って買い戻す羽目になった。（名目は従業員報酬のための株式買い戻し）

この過程で、リンガーハットの経営陣は資金調達を銀行からの間接金融にたよることに見切りをつけて、市場からの資金調達に切り替える戦法に出る。そのため、例えば、この会社は店内に「我が社の株を買いませんか」とパンフレットを配っている。株主優待制度の一環として、チャンポンが安く食べられるのだそうだ（笑）。

間接金融から直接金融への流れは時代の流れだけど、ここまでやっている会社を僕は知らない。経営陣はバブル崩壊から金融危機に至るまでによほど酷い目にあったとみえる。

今日のニュースによると、日経平均の株価が一時２万円を超えたそうだ。株式価格が上昇している時期には資金が集まりやすい。この時期の上場は実によいタイミングだ。リンガーハット首脳部は喜んでいることだろう。

だが、もし将来株価が下がったら・・・・・・。市場からの資金調達は理想だけど、それにはリスクがあるのもまた事実。経営者は大変だろうねぇ。

「１月３０日（日）」

インターネットビジネスの本質は「流通の中抜きにある」のだそうだ。

メーカーから消費者にいたるまでの流通過程の中ではさまざまな業者が間に入る。もちろん、彼らは彼らなりに諸品の流れを合理化したり、メーカーのリスク分散を請け負ったり、と付加価値を有しているのだが、カットできればそれにこしたことはない。

インターネットによる流通は、中間にいる業者を中抜きして生産者から直接消費者に商品を届け、中間マージンをカットできるという可能性を有している。アメリカでの書籍や自動車の販売は、そういった方向に流れていっている。

では、日本ではどうか。野口悠紀夫氏によると、法規制や税制などの要因があるので、そう簡単には流通の中抜きは行えないだろうということである。

どういうことかというと、例えば、書籍の場合、再販制度があるのでたとえアマゾンドットコムのようなインターネット通販業者を使っても、市場価格より安く買うことができない。そうなると、インターネットビジネスのうまみである、低価格での商品提供ができなくなってしまい、利用するメリットはなくなってしまう。そういうことだ。

それだけではない。インターネット通販については、日本人の社会に対する信頼の低さがネックになるだろうと僕は考えている。

どういうことかというと、最近の社会心理学の研究によると、日本人は集団主義指向であるので、社会に対する信頼が高いと思われがちであるが、実はその逆で、日本人は、個人主義指向の欧米人たちに比べて、社会一般に対する信頼が低いという事実が明らかになっている（山岸俊男「安心社会から信頼社会へ」（中公新書）および「信頼の構造」（東京大学出版会）。

日本人は社会一般に対する信頼が低いので、つきあう範囲の人間を限定して集団を形成する。一定範囲の人間とのみ長期間つきあえば、そこで裏切られる可能性はかなり低くなるので、そこに日本人は安心を求める。これが、日本人の集団主義指向の正体だというのである。

逆に、欧米人は社会一般に対する信頼が高いので、つきあう範囲の人間を限定する必要性が低い。そこで、集団主義指向の行動をとらず、個人主義指向が強くなるというのだ。

その結果、日本人の取引行為は、「多少高くとも長くつきあいのある業者から買う」という行動をとりやすくなる。それによって日本人は安心を得られるのだが、反面やすい物を買うことができたにもかかわらず高い買い物をさせられるというデメリット（機会損失）を得ることになる。

この日本人の行動パターンは、逆に売る立場の者にも影響を与える。

売る方にしてみれば、努力して値段を下げても、消費者はつきあいのある業者の方を選んでしまうので、努力しても馬鹿らしい。よって、客を囲い込んで高い物を交わせるよう努力するようになる。よって、売る方もやすい物を提供しない。

以上のことを念頭に置いて、日本におけるインターネットビジネスの将来を考えると、あまり明るい未来はないようにも思える。

たとえ、インターネット通販業者が流通の中抜きをして安い物を提供しても、消費者はそれに踊らない可能性があるのだ。

だが、いくら長年のつきあいを大事にするといっても、機会損失に耐えられてこそである。安い物を買えないことに耐えられなくなれば、いかに日本人といえども値段の安い方を選ぶだろう。

また、インターネット通販が広まって、ＴＶショッピング並の普及率となれば、普及率自体が信頼をかもしだして、インターネット通販が爆発的に広まる可能性がある。ここあたりは鶏と卵の関係だが、そういう可能性は決して低くない。

さらに、別の注目すべき動きもでてきている。作家が出版社や書店を通さず、自己のホームページで自分の著書を直販するという動きだ。

作家の小松左京氏が始めた試み（http://shop.bookpark.ne.jp/sakyo/）だが、自分のホームページから注文すれば、製本した本を読者に直接送るというのだ。（虚無回廊３とか・・・・）

これは、過去出版社から出した在庫を送るというのではなく、直接自分で（もちろん業者に頼んで）製本した本を販売するという点で画期的だ。

消費者は出版社を信用して本を買うのではない。作家の筆力を信用して買うのである。だから作家や、他にミュージシャンなどには、日本であっても中抜きの効果を直接受けられる可能性がある。

インターネットビジネスはまだ始まったばかりだ。上に述べた理由で、アメリカで流行ったビジネスがそのまま成功するとは思えない。でも、日本の実状にあったビジネスが生成してくる可能性は高い。

さて、そのとき僕は・・・・・何か飯の種はないかなぁ（笑）

「１月２９日（土）」

司法試験の解答用紙が横書きになるそうだ。びっくりした。しかも、インクの色が黒に指定された。モンブランのマイスターシュティック＃１４９にブルーブラックのインクを使っている僕はどうなるの？(^^;;;;;

現在の解答用紙はＡ３版の大きな紙を二段組にしてつかっており、縦書きである。しかし、その前は、Ｂ５版の縦書きだった時代があった。採点がしにくいということで、現在の用紙に変更となったと思われる。

以上で分かるとおり、官公庁のかってのスタンダードはＢ版の用紙である。数年前までは、任意規定だったが民事訴訟法規則（？）に、訴訟書類はＢ版を使う旨が規定されていた。だから、当然、司法試験の解答用紙もＢ版だったわけだ。

だが、コンピュータの世界をみれば分かるとおり、世界のスタンダードは圧倒的にＡ版だ。Ａ４サイズ以外のプリンターはもはや少数派もいいところ、Ｂ版の奴など、わずかしかない。そういやファックスも最近はＡ４サイズの奴が多い。

しかるに、事務作業をやった方はわかるだろうが、オフィスで扱う用紙はサイズを統一しておかないと事務効率の低下が甚だしいことになる。

ところが、現状では、オフィス内はＢ版の資料とＡ版の資料が混在する事はさけられない。今までの資料を捨てるわけにもいかないし、なにせＡ版の文房具はＢ版に比べるとまだまだ高い。

そこで、気の利いたオフィスではコピー機を使ってＡ版をＢ版に、ないしはＢ版をＡ版に縮小・拡大して保存していたそうだ。だからコピー機にはこの手の縮小・拡大機能は不可欠だ。かって富士ゼロックスがこの手の機能を付けるよう本社に要請したが、本社の方にこの事情を説明するのにだいぶ苦労したとか。うーむ。

こういう非能率な状況もここ数年改善されつつある。官公庁、裁判所の書類も今後はＡ版でいくことなった。世代交代には時間がかかるであろうがまずは歓迎すべき方向だ。

そういうわけで、司法試験の解答用紙もおそらくはＡ４の横書きというスタンダードな奴に変わることになる。いや、ひょっとしたらＡ３の二段組かな。今の用紙のままで、罫線が横になった奴かもしれない。ま、どちらにせよ、これも世の中の流れというものだろう。

個人的には試験会場にワープロを持ち込み可能にしてほしいのだけど、これは無理な話だろうな（笑）。

「１月２５日（火）」

とうとう官庁のホームページが狙われた。科学技術庁や総務庁のホームページが何者かに書き換えられたのだ。

この手の事件はアメリカではすでに行われていたが、日本で少なくともこれほど大規模になされたのは初めてだそうだ。これで日本も一人前？ぉぃ

警察の捜査が開始されたが、ＴＶによって容疑事実に対する罰条が違う。あるＴＶは、威力業務妨害罪となっていたが、別のＴＶでは、電子計算機損壊等業務妨害罪となっていた。ここにも初の事態に対する混乱が見受けられる。

正解は、後者。電子計算機損壊等業務妨害罪だ。条文を示す。

２３４条ノ２「人の業務に使用する電子計算機もしくはその用に供する電磁的記録を損壊し、もしくは人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報もしくは不正の指令を与え、またはその他の方法により、電子計算機に使用目的に沿うべき動作をさせず、または使用目的に反する動作をさせて、人の業務を妨害した者は、五年以下の懲役または百万円以下の罰金に処する」

・・・・・・・結構面倒くさい(^^;・・・・・よもや択一試験にはでまい(^^;

この条文は、従来の威力業務妨害罪が三年以下の懲役と比較的軽い処罰だったのを、昭和６２年に条文を改めて重罰化したものだ。

もっとも今回のケースはその書き込まれた内容からして国外犯である可能性が高い。そして、２３４条ノ２は国外犯処罰規定がない。

とすると、実行行為は国外で行われたものだから、日本の法律では処罰されない可能性が高いのか？

いや待てよ。結果発生は国内でなされているのだから・・・・・・（教科書を調べる）。

構成要件に該当する事実の一部分でも存在すれば、その場所が犯罪地であるから、構成要件的行為が行われた地、構成要件的結果の発生した地、どちらか一方が国内に存在すれば国内犯となるわけか（あぶねー、忘れていた(^^;）。

今回の事件が示すとおり、ネットワーク社会では、犯罪地での法律を適用するという現行法の建前（属地主義）が適用しにくい。今後、我々の想像を超える事態が生じ、驚かされることは少なくないだろう。

「１月２４日（月）」

「最高裁の判例によると、人の人格は二週間で変えられる」のだそうだ。ライフスペースの関係者の弁である。無論、そんな判例はない(^^;。（ちゃんと判例データベースで調べた（笑））

先日のミイラ事件でライフスペースに家宅捜索が入ったさい、学校にも行かずに集団している子供達が発見された。そこで、児童相談所が彼らを保護していたのだが、それを児童相談所の「子供達を洗脳のするための拉致監禁」として、彼らの親たちが児童相談所に押し掛けたのだ。

なるほど、視点が変わると、児童相談所による保護が拉致監禁に変わるのか、と感心してしまった。

昨日は、麻原の子供が拉致監禁された大騒ぎとなった。考えてみれば、アーチャリー達は学校にも行けず隔絶された世界で生きてきたわけで、彼らにとっては拉致監禁などという自覚はなかったに違いない。彼らの社会復帰は難問である。

個人の人格的自律に重きをおく社会では、個人の自己決定権が尊重される。しかし、それはその個人が正しい判断をする能力があることが大前提となる。

いい年をした成人がどういうカルト集団を作ろうと自由だ。しかし、子供達は別問題だと思う。

自分たちの意思に関わりなくその集団で生活して行かざるを得なかった子供達が、社会の規範を学ばず、その小さな部分社会の規範のみを真実として成長すれば、彼らの人生はその部分社会にオプティマイズされ、他の社会では生きては行けまい。

例えば、ひところ、多重人格者が話題となって、僕もこれらの本を結構読んだ。シビル−私の中の１６人とかイブの三つの顔とか。これらの人達は子供の頃の虐待が原因となっている例が多い。そして、もっとも唖然とさせられるのがカルト集団で育った子供達の例だ。小集団の閉鎖的な生活では、そのしわ寄せが子供達に回ってくるのは「定説（笑）」だと思う。

従来、こういう役割は親族の者が介入してきて解決してきた。だが、都市化した現代社会では、親族関係にそういう役割を期待するわけにもいかない。

結局の所、国が親の親権をさしおいて、子供の保護に乗り出さざるを得まい。いわゆる国父思想（パターナリズム）って奴だ。

だが、どういう場合に親権に介入して良いかは、ケースバイケースにならざるを得ない。当面その任に当たる児童相談所の職員にはそうとうな負担がかかるだろう。場合によっては相当酷い場合でも、保護の網から漏れるケースも生じ得る。

残念なことだが、ＴＶのニュースにこういった事件が消え去ることはないだろう。

「１月２０日（木）」

ここ数日、モニタの調子が悪かった。画面の右端がピクピクと左右に揺れて不安定になっていたのだ。

最初僕はその原因をグラフィックカードのせいだと考えていた。前にも述べたが１０００円で買った安物（ダイアモンドのＥＤＧＥ ３Ｄ）なので、そろそろ買い換え時か、などとのんきに考えていた。

ところが、試しにモニタにシンクパッドのビデオ出力を入力してみても症状は変わらない。それどころか、そのうち画面が暗くなり電源が切れてしまった。なんと原因はモニタの側にあったのだ。

コンセントを引っこ抜いて、時間をおいて電源スイッチを入れると一時は立ち上がるのだが、すぐにまた電源が切れてしまう。重症だ。

その辺に詳しい人に聞くと、保安回路が働いて電源を落としているという。何となくフライバックトランスあたりが怪しいな(^^;

このモニタは、ＴＯＴＯＫＵ（東京特殊電線）のＣＶ７１１Ｒ（１７インチ）という。ダイアモンドトロンを装備して高性能ということで買った代物だ。

だが、社名から分かるとおりマイナーなメーカーなのでサービスステーションが一カ所しかない(www.totoku.co.jp)。しかも、１７インチディスプレーは重くて梱包・郵送するだけでかなりのコストがかかる。買った店はツートップなんだけど、はたしてここに持っていって修理を受け付けてくれるのやら。修理を受け付けてくれても、１７インチの新品が２〜３万で店頭で並んでいる時代に果たして修理費をかけるメリットがあるかどうか・・・・・・。悩んでしまう(^^;

しかし、買って２年程度の代物がこうも簡単に壊れるとは、運がないことだ。今月は択一問題集買ったので金ないし・・・・。あーやだやだ。

とりあえず、アプティバの１５インチディスプレーを流用して急場をしのぐことにした。せいぜい８００＊６００程度の表示しかできないが、まあ不自由はないと思う。

「１月１７日（月）」

北部九州一帯で変造５００円玉が自動販売機で大量に使われたらしい。新５００円玉が発行される前の駆け込み需要とか。おかげで、５００円玉を使えない自動販売機まで出てきているようで、なんとも無惨な話だ。

変造５００円玉とは、韓国の５００ウォンが日本の５００円玉より若干重いものの形状が似ている点を利用して、５００ウォンを変造して作る５００円玉の偽物だ。変造とは日本国の通貨を改変することをいうので、正確には偽造５００円玉となる。

この事件を、法律的に切るとどうなるか。試験問題風に解説してみたい(笑)。

問題：（１）甲は、韓国の５００ウォン硬貨をドリルで削り、自動販売機で５００円玉として使用し「ダイエットペプシ」とおつり３８０円を得た。この場合の甲の罪責はどうなるか。

（２）乙は、自動販売機に千円札を挿入し麦コーラ「メッコール」を買ったところ、しばらくして、おつりに右５００ウォン硬貨が混じっていたことに気がついた。乙は、悔しかったのでこの硬貨を使って缶コーヒー「ＢＯＳＳ」を買って、おつり３８０円を得た。この場合の乙の罪責はどうなるか。

まず、（１）について述べる。

５００ウォンを削って自動販売機が５００円玉と間違えるよう加工することは、通貨偽造罪にあたるだろう。

もっとも、偽造というのは、一般人をして真貨と誤信させる外観を作出する必要があるんで、もっぱら自動販売機で使うためドリルで穴をあけた５００ウォンが果たしてこれにあたるか疑問の残るところである。ドリルで穴だらけになった硬貨を手渡しされれば、これを偽造通貨と呼ぶ奴はそういないだろうからである。

この論点は教科書にもあまり書いていないところだけど、テレフォンカードの偽造と同様に、自働機械の普及は、「一般人をして誤信させる外観」の意味を確実に崩していっているといえる。

次に、自動販売機に挿入する行為が、偽造通貨行使罪にあたるかであるが、「行使」とは流通に置くことをいうと解されているから、機械に対して使っても「行使」といえる。

問題は、ダイエットペプシと３８０円を得たことだなぁ。

偽造した通貨を使えば偽造通貨行使罪が成立する。そして、それを人に対して使えば本来詐欺罪が別個に成立するはずである。

しかし、そもそも偽造した通貨を使うという行為自体に詐欺が含まれているのだから、これを別個にカウントするのはおかしい。それに偽造通貨取得後知情行使罪との関係もあるしね。

では、自動販売機に対して使う場合はどーなるんだろう。これは前田の教科書にも書いていない(笑)。

基本的には窃盗罪なんだけど、やはり偽造した硬貨を使うことは窃盗罪を含んでいるので・・・・ってことでいいのかな？(笑)。たぶん、いいんだろうと思う(^^; よって、窃盗罪も成立しない（と、思う）。

結局、通貨偽造罪と偽造通貨行使罪が成立し、両者は牽連犯になる。

（２）について述べる。

こういう場合は、偽造通貨取得後知情行使罪という立派な条文がある。つまり

１５２条「貨幣、紙幣又は銀行券を取得した後に、それが偽造又は変造のものであることを知って、これを行使し、又は行使の目的で人に交付した者は、その額面価格の三倍以下の罰金または科料に処する。ただし、２千円以下にすることはできない。」

これは他の罪に比べるとかなり軽い。やっぱ人の情として無理ないことだからだろう。でも、これもれっきとした犯罪である。ばれたら交番につれて行かれたって文句は言えない(^^;

これも、詐欺行為を含む犯罪だから、詐欺罪は別に成立しない。第一、詐欺罪は上限懲役１０年だから、１５２条が軽く処罰した意味がなくなってしまう。それはいいとして、自動販売機に対する窃盗はどうだろう。これも教科書に書いていないけど、おそらく成立しないと思う(^^;。 理由は同じ。

結局、１５２条だけが成立する。

今、前田教授の新しい刑法各論を読んでいるのでこういう書き込みになってしまった。このＨＰでは、あまり、法律ばっかりの書き込みはしないつもりだったんだけど、容赦されたし。退屈された方、ごめん(^^;

「１月１４日（金）」

知人から車上狙いにあったと相談を受けた。スーパーの駐車場に自動車を３０分ほどとめておいたところ、狙われたそうだ。運の悪いことに、預金通帳入りのバッグを置いたままにしていたため、それを盗まれ、気がついたときには、預金を全額下ろされてしまったのだそうだ。

知人のしょげ返った姿を見るにつけ、こそ泥に対する怒りと、日本も治安が悪化したなぁという感慨が同時にわいてきた。やはり、不況がもたらす影響は深刻なのだ。

さて、今日は、この事件は法律的に見ればどういう風に解釈できるか述べてみる。

まず、刑法的にみると、常識的に考えると、通帳の持ち主に対する窃盗犯ということになるだろう。もちろん、それも成り立つのだが、法律的には意外なことに主な被害者は銀行なのである。

預金通帳が、有価証券ならば、通帳それ自体が財産的価値を有するため被害者は通帳の持ち主ということになる。しかし、通帳は銀行との預金契約（消費寄託契約）を証拠づける証書であって、それ自体が財産的価値を有するものではない。

したがって、預金通帳に対する窃盗行為はたかだか通帳という紙きれ（原価いくらくらいだろう？）に対するものでしかない。

他方、泥棒としても、預金は引き下ろさなくては意味がない。もちろん泥棒は正当な預金者でないので、これを偽って引き下ろす行為は銀行に対する詐欺罪となる。これが泥棒のメインの罪となる。

さて、今回のケースでどうやって預金を引き出したのか不明であるが、印鑑は盗まれていないとのことなので、ＡＴＭを不正に操作したのだろう。とすると、少々やっかいなことになる。詐欺罪は人に対して欺く行為が必要とされる。機械をだましても詐欺罪にならない。

そこで判例は、こういう場合は、銀行に対する窃盗罪が成立するとしている。いわば、ＡＴＭを鍵のかかった金庫と考え、不正な操作で鍵を開けて中のお金を盗ったと解釈するわけである。ちょっと一般の感覚とずれが生じるが、刑法ができたときは自働機械がこれほど普及するとは想像されていなかったのでこういうこととなるのである。

次に、民事的にみれば、どうなるだろうか。問題は、通帳の持ち主は銀行に対して預金を帰してくれといえるかどうかである。

常識的に考えれば、窓口ないしＡＴＭで真正な預金通帳を提示してきたのだから、銀行（ＡＴＭ）がこれに対して金銭を支払っても罪はないように見える。そして支払いによって口座は空になったのだから、ないものは払えない。よって、預金者は何もいえないと考えることだろう。その常識は正しい。だが、その常識は間違っているともいえる。

つまり、こういうことだ。預金契約とは消費寄託契約、つまり物を預けた上で物と同額の物を返還する契約である。預金者は預けた物（と同額の金）を帰してくれという権利があり、銀行は預けた物（と同額の金）を帰す義務がある。

ここで重要なことは、たとえ口座が空になっていても、物理的に金銭が消失したわけではない。債権自体は残るということだ。

たとえ通帳をもっていたとはいえ、銀行は真の権利者でない者に金を支払ってしまったことになる。真の権利者たる預金者としてはそれは銀行側の事情であって金を受け取ったわけではないので、依然として預金を帰してくれ、ということができるはずなのである。

だが、皆さんがご想像の通り、銀行はそういう請求をはねつけるだろう。それは、銀行約款に免責条項が入っていて、正当な通帳をもってきたものに支払ったら銀行は原則として免責される旨が書いてあるからなのである。

また、仮にこの約款がなかったとしても、民法上の「準占有者に対する弁済」として泥棒に対する支払いは有効。よって預金者は預金を払い戻せないという結論になると思われる。そういう判例もある。

まぁ、銀行としては顔も知らない預金者が大勢くるのだから、いちいち本人かどうかの照合をするわけにはいかない。よって事故の不利益を預金者にもっていくのは残念だが仕方のないことなのだろう。

ここまでは今までの話なのだが、今後は事情が異なってくる可能性がある。それは金融機関からさまざまな（例えばデビットカード等）サービスが提供され始めているからだ。

これらは、限りなく有価証券に近い性質をもつため、預金通帳やクレジットカードに比べても、事故が生じる可能性が高い。そして、そのつけは預金者に回っていくこととなる。

一部銀行では、そういうことではデビットカードが普及しないと危惧して、自動的に盗難保険がつくようなプランを提供するそうである。結局、そういう方向に持って行かざるを得ないだろう。現金は盗まれたとしても所詮は上限がある。だが、電子化された貨幣はその被害額がとんでもない額になりかねない。そうなると、今までどおり支払い側の銀行ばかり保護しているわけにはいかないのである。

「１月１３日（木）」

大阪府知事選挙がもめているらしい。野党が推す元通産官僚の女性を自民党本部も推すことで決まったのだが、現地の自民党大阪支部が納得しなかったのだ。野中元官房長官までが説得のため現地の飛んだが、結局まとまらず、大阪の自民党（県連とかいうのか？）は、別候補をたてて選挙戦を戦うこととなった。

こうなったのも、元はといえば、お笑いタレントの横山ノック元知事の不埒な悪行が原因である。民事訴訟では、負けるが勝ちといわんばかりに「答弁しないという答弁」という作戦にでたのだが、結局これが検察の逆鱗に触れ裏目に出たようだ。横山氏はもはや被告人の立場に立たされることとなった。

さて、この「答弁しないと言う答弁」という奴は、法律を知らない方々にはよく分からない戦術だったと思う。

普通、民事訴訟の場合、相手方から（損害賠償請求という）請求をたてられると、請求の認諾をしない限り（セクハラがあったか否かという）事実関係の存否が問題となるわけだ。

これに対する（ノック氏側の）対応は大きく二つある。事実を認めるか、さもなくば否認して争うかだ。事実を認めれば自白となってその事実は存在したことを前提として裁判が進行するし、否認すればお互い証拠を出し合って丁々発止の激論を始めることとなる。

ところが、（ノック氏側としては）他の対応も採りうる。それが「沈黙します」という対応だ。（他に不知という対応もあるけどこれはおいておく。）ロジック回路でもオンとオフだけでなくハイインピータンスという奴があるだろうが、それを連想すればよい。

訴えた側としては、相手側がいつまでも事実に対する態度を示さないで沈黙されてしまえば裁判を進行することができない。逆に訴えられた側とすればそれで時間を稼げるし相手方の態度をみる余裕ができる。

今回のノック氏のケースでは、法廷でセクハラの現場を根ほり葉ほり聞かれるのがなによりいやだったようだ。だから、彼は答弁しない答弁、つまり「沈黙」を選んだのだろう。

だが、そういうことを許せば、裁判はまともに進行しない。そういう場合は、どちらか一方の態度をとったとみなすという規定を置いておけば裁判の遅延を防ぐことができる。そこで、民事訴訟法は、沈黙すればそれは自白したとみなすという規定をおいて対処した。

自白した事実については、証明を要せずそのまま訴えた側の意見が通る。ノック氏としてみれば、当初の狙い通り、セクハラに関する尋問を受けることなく裁判を終了させることができたことになる。

ノック氏にとって予想外だったのは、裁判所がセクハラの事実のみならず、ノック氏が口封じのため女子大生を逆告訴した点を重くみて、過去最高の慰謝料請求額を認めたこと。そして、この判決で有権者の風向きが変わってしまったことだろう。

結局のところ、ノック氏は民事裁判そして裁判所をなめすぎたと言わざるを得ない。

野党側は、今回の事件を機に、女性票を意識して女性の知事候補を推し、自民党大阪支部（県連？）は、それに反発して別の候補を推しだした。この選挙の決着、結局どうなるのだろう。いずれにせよ、試されているのは大阪府民の民度だという点は疑いのない事実だと思う。

「１月９日（日）」

いま、ＴＶのニュースをみていたら、多摩都市モノレールの全線開通のニュースが飛び込んできた。明日開業なのだそうだ。１月１０日と中途半端な時期に開業となったのは、例のＹ２Ｋ問題のせいだろうか。それとも大学の日程にあわせたのだろうか。

この都市モノレール。僕が大学にいた頃からできるできると言われ続けていく年月（涙）。このモノレールは我が母校と明星大学の間を通って高幡不動に抜けるコースを通る。これからの学生さんは、あの坂道で苦しまなくてすむだろう。うらやましい限りだ。このモノレール計画があったからうちの大学は多摩の田舎に引っ込んだとも言われていたのだが、事実とすればあまりに先読みしすぎの移転だった。おかげで苦労したぞぉぉぉぉ（涙）。

我が母校は伝統的に夜間部が充実していた。それが、多摩に移転したため夜間部の存在価値が有名無実となってしまった。そこで、このモノレールができれば勤労学生も通学しやすくなるので改善されると教授たちは期待していたものだ。ところがどっこい。モノレールができあがった今となっては時代が大きく変化してしまった。今や、多摩での講義をビデオで撮ってインターネットで転送して都内の分校で授業を行うという時代になってしまっている。

時代の流れは速い。今回のケースはあまり時代を先読みしても、当てが外れることもあるという典型例だろうな。

そういや、多摩モノレール自体が予定の乗客数が確保できずに苦労しているそうだ。基本計画がバブルの頃のものなのだから仕方があるまい。これもやはり、時代を先読みしすぎてはいけないという例の一つだろう。なさけない。

「１月９日（日）」

今日は自宅調査日モード。

いま、今年来た年賀状を整理している。転居先不明で帰ってきたやつが数枚ある。郵便局に転居届が出されていなかったのではなくて、彼らからきた住所変更の知らせを住所録に記録し忘れていたのが原因だ。

こうなったのも手元に住所録が三種あるせいだ。三種とはデスクトップ上の年賀状ソフトで作ったやつと、ノートパソコンのオルガナイザーに入っているやつ。そして電子手帳ザウルスの中に記録されているやつ。この三種をばらばらに使っているものだから、データのコヒーレンシーがとれなくなってしまってこんなことになってしまった。どれか一つに統合してそれのみを更新すればそれですんだのに。今後はザウルスに統合してしまって、必要なときにパソコンに転送することにする。

こういうことは住所録に限らない。例えば論証カードなんかを作っているとき、改訂作業を一部デスクトップで、他をノートパソコンでとやってしまうと、同じファイル名にもかかわらず、内容の違うものが二つも三つもできてしまう。

だから、最近は保存する先をローカルなＨＤではなくて、このレンタルサーバの上に選ぶことが多い。これなら保存する先が一つに統一されるので、コヒーレンシーが壊れることはなくなる。

これは個人レベルなサーバの利用法だけど、ロータスオルガナイザーなんかをみていると、数名のスケジュール管理をサーバに置いて、衝突や空白が生じないよううまくマネージするようになっている。なんかすごい世の中だよなぁ。

「１月７日（金）」

市民図書館は高校生がいっぱいでうるさかった。よって、またもマクドナルドにこもっている。

マクドナルドの人間模様というのもまたおもしろい。この時間（１２時頃）は、子供を連れた若い奥さん達が多い。公園で子供を遊ばせたヤンママ達が二次会をやっているわけだ。

左手のテープルでは女子高生達が四人たむろしている。これからカラオケにでかけるのだそうだ。向こうのテープルでは、女子大生達が後期試験のコピー集めをやっている。こういう人間模様を見るのは結構おもしろい。ああ、だから僕はここをよく利用するのだな(笑)。

大学はそろそろ後期試験か。大学にいた頃のことを思い出すな。１月になると、大学への道路に融雪用の水を流すパイプが引かれるんだ。そして、１月中旬からぼちぼち試験が始まって、１月２８日あたりが最後。２月に入るととたんに大学に人気がなくなって、やがて入学試験のため２月下旬まで大学が閉鎖。閉鎖期間中に図書館にいけないので勉強できず調子を崩す、そして受験票を出す頃になると真っ青になるんだよな(^^;

さて、今年はどういう冬を迎えることになるのだろうか。

「１月６日（木）」

昨日、今日と西新のマクドナルドにこもって教科書を読んですごした。朝１０時に朝マックセットを頼み、店を出るときは夜の９時を過ぎていた。これからしばらくあの店にはいけないだろうな(^^;。明日は市民図書館にでもでかけよう。

先月、法律問題で相談された友人のことを書いたが、結局あまり良くない形で決着がついた。

要は借金問題だったのだが、とにかく利息のつく借金は怖い。本当に怖い。借金は家業も家庭もぶち壊してしまう。

商工ローンが社会問題になったので、出資法の利息の上限が下げられることになったそうだが、そんなもんで解決のつくほど単純な問題ではないのが悲しいところだ。なにせ借りる方は自由意思で借りているわけだから、本来は私的自治の問題。国家が口を出すべき問題ではないのが筋なのだ。それを政治の力で強引に利息を制限しても、それは対症療法でしかない。

今回の友人の件は商工ローンとは関係ないが、ちょうどいい機会なので商工ローン問題について少し述べる。

商工ローンに銀行が多くの資金を融資していたことが表面化して話題となっているが、たとえこれを政治の力で引き上げさせても問題は解決しない。昨年の法改正で商工ローンの大手は自社で社債を発行して資金調達が可能となったからだ。苦しくなるのは，業界下位の連中で上位の日榮とか商工ファンドなんかはびくともしないはずだ。

これを聞いた人は、いま世間でたたかれている商工ファンドなんかの社債を買うやつはいるかいな、と思うかもしれない。

しかし、その考えは甘い。日榮はともかく商工ファンドの株価は確実に回復基調にある。機関投資家の連中にとってみれば、いかに悪行三昧のビジネスでも収益があがっていればそれでいいわけであって、その内容は問わない。連中はいま、商工ファンドの株価は売られすぎであって今が買い時と思っているのだ。

残念ながら僕も同感だ。日榮はともかく、商工ファンドの社長はビジネスマンとしては有能な人物だということを認めざるを得ない。あの会社の株が安く買えるなら僕だって買いたいと思う。

彼らは業界の先頭を切っている。いわば革命児だ。保証人狙いの融資だって商工ファンドが始めたのを他の業界がまねしたものだ。こういった法の悪用法は噂によるとすべて社内のメンバーで編み出しているのだそうだ。

商工ファンドは、日榮のような恐喝による直接取り立てではなく、最初から法的手段をとってくることで有名なのだが、この訴訟手続きも、弁護士に頼まずすべて自社の社員でまかなっている。弁護士経費がもったいないからだ。

本来、民事訴訟法５４条で、訴訟手続きは本人を除けば弁護士でないとできない。社員は使用人であって法律上第三者として扱われるから、そういうことは許されないはずなのだが、商工ファンドは法の抜け穴を使っている。

すなわち、単なる使用人では許されなくても、会社の支店長なら、会社を代表して本人の資格で訴訟ができる。そこで、商工ファンドは、なんと平社員に支店長の登記をして、裁判所に出向かせていたというのだ。おかげで、商工ファンドには支店長が１７人も登記されている営業所があるとか。すごい・・・。

日榮が法の逸脱者だとすれば、商工ファンドは法の濫用者だ。だが、あの社長は明らかに今までとは違ったタイプの業界人であることはまちがいない。今後、ああいうビジネスモデルが主流を占めていくだろう。

こういう動きは商工ローンに限ったことではない。消費者金融の世界にも及ぶことだろう。それによってどういうことになるか。

昨年は、都銀や外資が消費者金融と提携ないし買収した動きが目立った年でもあった。例えば、さくら銀行は三洋信販と。三和銀行はプロミスと。そして、ＧＥキャピタルはレイクおよびアイクを買収した。こういった連中は消費者金融が儲かると言うことを知っているのだ。

今年はこういった動きがさらに加速する一年だと思う。それに伴って、私の友人のようなケースも増えていくことだろう。これからの人生、気をつけて生きていかなくては他人に素っ裸にされてしまうことになる。気をつけなくてはならないと思った。

「１月２日（日）」

年が明けた。いよいよ、２１世紀まであと一年だ（笑）。

話題となっていたＹ２Ｋ問題も、食料品など一部業界を潤すだけで終わったようだ。実はこのＹ２Ｋ問題。僕が高校生の頃にＩ／Ｏ誌載っていた記憶があるから、今頃騒ぐのはアホみたいなんだが。

もっとも、昨夜の１２時過ぎ。東京方面にお正月の挨拶キャラトークを打とうとしたら、まったくつながらなかったのであせった。これはＹ２Ｋ問題ではない。同時間に皆が電話にアクセスしたのが原因だ。どうも、人間同じことを考えるらしい(^^;

何はともあれ、新年を迎えた。今年もよろしく！

「１２月２７日（月）」

だいぶ更新をさぼってしまった(^^;

我が愛機「労働一号」君もスペック上だいぶ見劣りがするようになってきた。この秋、ＭＰＵをＫ６（２００ＭＨｚ）からＫ６−２（５００ＭＨｚ）に載せ代えるという小規模なブラッシュアップを行ったが、マザーボードがＰＣ１００の仕様に対応していないものだから、今までずっとベース６６ＭＨｚ＊４．５＝３００ＭＨｚで動作させていたのだ。もったいないことであった。

そこで、このたびマザーボードを取り替えて本格的な機能向上を目指すことにした。幸いメモリーはＰＣ１００対応のＤＩＭＭだったから、追加投資はあまり必要ない。チップセットはアラジンかＶＩＡかで迷ったが、キャッシュメモリーを２ＭＢ載せたＥＰｏＸ社のマザー（ＶＩＡチップセット。ＤＭＡ６６に対応）に決めた。

ケースをばらしてコードやカード類を抜く。そして今までつかっていたＡＳＵＳのマザーをぶっこ抜いて、新しいＥＰｏＸのマザーを載せる。新しい基盤を見るとわくわくする。

最近のマザーはコードの取り付け位置とかジャンパの位置なんかがよく考えられていて感心する。基盤もプリント配線４層程度で、スルーホールがあまりない。シルク印刷もしっかりしている。大したものだ。それだけ台湾メーカーの技術力が向上してきているということだろうか。とすれば、このままでは日本はやばいんじゃないか？

せっかくマザーを載せ代えるのだからというので、ＨＤＤも追加。常識的にクァンタムの普及品を選んだ。容量は２０ＧＢ。高速回転タイプじゃないけど、ＤＭＡ６６に対応しているので、今回のマザーでフルに性能を発揮するはず。

ビデオカードでトラブったけれど（ＥＤＧＥ３ＤがＤＯＳのコンソールを表示できなかった(^^;。これは現行のＨＤＤから立ち上げて解決）、結局、二〜三時間で、ＨＤＤの再インストールまで終わってしまった。細かい設定がこれからあるけれど、まあ夜中にすこしずつやっていくつもりだ。

「１２月１７日（木）」

再度（もう最後にしたい）気を取り直して・・・

天神三丁目（通称親不孝通り）で、新しい店がオープンして、盛況だった。店のおねーさんは皆バドガール姿(^^)。一度行ってみたいねぇ。個人的にはチャイナドレスの方が好きなんだけどぉぃ。

帰りに自転車で前を通ったんだけど、夜の１０時の寒空の下、バドガール姿にコートを羽織ってビラをくばっていたおねーさんの根性に拍手を送りたい。寒そうだった(^^;

堺屋長官の大本営発表を真に受けるわけじゃないけど、今年の親不孝通りをみれば、結構景気は回復基調にあるな、というのが分かる。日銀の短観なんかよりも、親不孝通りのストリートウォッチングの方がはるかに景気を実感できる。昨年の親不孝通りは実に寂しかった。ボーナスが出た直後だというのに、人通りが少なかった。それに比べれば、今年はある程度ましだ。

だが、この景気も、赤字国債の大量発行に支えられているという心許ないものであることも事実。やがて景気が回復してくれば、政府は強力に増税をしてくることはまず間違いない。それとも、話題になっている調整インフレか？やる度胸があればたいしたものだが、どうなんだろう。

それよりも、ゼニゲバ状態になっている国税庁が怖い。あちこちでそうとう細かい取り立てをやっているようだ。

無から有は生じない。これは定説（笑）である。この財政出動のしわ寄せはどういう形で僕らの未来にのしかかってくるのだろうか。人生設計を大切にしないと。

「１２月１１日（土）」

下の文章の訂正。どうやら、皇太后ではなくて、皇太子妃とするのが正しいようだ。

皇太后のお名前は良子（ながこ）で、1903年ご生 誕、24年皇太子妃、26年皇后となり、89年１月昭和 天皇の崩御とともに皇太后となられた（http://www.junis.co.jp/~toshi/Nippon_d/CHAP2%5cJ2_1_c.htm） のだそうだ。

「１２月１０日（金）」

家に帰って初めて皇太后の懐妊のニュースを知る。うーむ、まるで朱鷺やパンダの繁殖のニュースのごとき扱い。ちょっと気の毒だ。天の上でおじさんの江藤淳氏も悲しんでいるだろう。皇族をやっていくのも楽じゃないね。

まぁ、皇族というのは基本的人権の対象外（正確には部分的に制限されている。例えば婚姻の自由とか職業選択の自由とかが）なので、こういう扱いも仕方ないか。皇太后という立場も、天皇制という国家制度の観点からすれば、まさに子供を産むことだけを期待されているわけだし。

この天皇（皇族）の基本的人権という論点は、憲法上では、いわゆる「女帝問題」という形で現れるのが常だ。

天皇の地位は世襲制で、その詳細は皇室典範によって定められる。そして、現在の皇室典範は天皇になれるのは男性に限っている。そこで、この皇室典範は憲法１４条の法の下の平等に違反しているのではないか、と問題提起される。

この問題は、多くはフェミニズム系の憲法学者達から取り上げられる。社会党の土井党首なんかも国会で問題提起したことがあったと記憶している。

たた、この問題は否定されるのが常だ。理由は、天皇制自体が憲法１４条の法の下の平等に矛盾する存在なのだから、その天皇制を前提として男女平等を問題にするのは意味がない、というものだ。

まぁ、今のところはこれでいい。だが、今後はどうだろう。英国みたいに皇室の人間が不倫したり離婚したりと、普通の人間と同じような行為を行い始めたとき、例えば皇族会議が承諾しない女性と結婚したいという皇太子があらわれたときに、果たして同様の結論が出せるのだろうか。さらに、この皇太子が裁判所に人権救済を求めてきたとき、裁判所はどう対処すべきなのだろうか。

僕は天皇制自体は否定する考えはない。なぜなら、万民の納得するルールの中で最も説得力があるのは「昔からそうだった。だからこれからもそうやるべきだ」という経験則だからだ。

しかし、そうはいっても制度の対象たる人間達が「それじゃ嫌だ」と言い始める時代がくるかもしれない。

「１２月９日（木）」

７時半頃、東京の某Ｙ氏からＰＨＳに電話。久々に肉声を聞いた(笑)。忙しそうだねぇ。

ここにアクセスしている人は大部分コンピュータに関わりのある人達だから、いうまでもないことだけど、例年年末は忙しいのに、それに加えて今年はＹ２Ｋ問題でエンジニアは皆大忙しなんだそうな。

日本でもＹ２Ｋ対策はだいぶ進んでいるようだけど、アメリカほどではないよね。アメリカでは、Ｙ２Ｋ問題で一番儲かるのはエンジニアではなくて、弁護士だと言われていた。そりゃ、あちこちで事故が起こればアメリカ人は訴訟に躊躇しない。そこで、とうとうアメリカでは、Ｙ２Ｋ関連の事故で訴訟が続発するのを防止するため、損害賠償の制限をする特別立法を制定したそうだ。

こういう特別法で損害賠償を制限するのは実は日本でも少なくない。例えば、火災を起こした場合などは、それが故意・重過失でないかぎりは、損害賠償が制限される（失火責任法）。ＮＴＴなんかでも、電話回線の故障に伴う損害については制限が存する。

これは、いったんことが生じると大きな損害が生じるのが分かっているけれど、だからといってやめてしまうわけにはいかない社会的な効用がある場合（いかに危険だからといって火を使うのをやめるわけにはいかない）、賠償責任を制限して社会的効用の方を優先するという価値判断に基づくわけだ。

ま、これは不法行為法という限られた場面についてだけだけど、我々の生活全般をみてもそういう例は少なくない。自動車だって、飛行機だっていったん事故が起これば人が死ぬ可能性が高いのにやめられない。さらに言うとギャンブルだって酒だってタバコだって、危険性は分かっているけどやめるわけにはいかない（ん？ちょっと違うだろ(笑)）。

結局、社会を円満に運営していくためには、毒な部分も残しておかないとやっていけないってことだな。要は危険とうまくつき合うこと。それが文明というもんだ（わは、えらそうなことを言ってしまった(^^;）。

「１２月８日（水）」

人生は至る所に落とし穴あり。

法律なんか勉強していると、ときどき知人から相談を持ちかけられる。だから、ある程度慣れているつもりだったが、今回のは強烈だった(^^;

詳しいことは言えないけど、皆さん、ナニワ金融道はきちんと読みましょう。あれはためになります。あの中の物語を単なる作り話と思ってはいけません。あれは現実に、それも頻繁に起こっていることなのです。個人的には、あれを国定教科書にしてもいいと思っています。

「１２月４日（土）」

新聞で服部正也氏の訃報をみた。享年８１歳であった。

服部氏は、日銀からＩＭＦに出向、そのときＩＭＦの命を受けアフリカの新興国ルワンダの中央銀行総裁となった人だ。むろん、日本人としては最初である。

なぜこんなことを僕が知っているかというと、学生時代に氏が書いた「ルワンダ中央銀行総裁日記」（中公新書）を読んだからだ。この本は、発売当時話題となり、７２年に毎日出版文化賞を受賞している。

僕がこの本を見つけたのは府中の古本屋だったか。買ってきて、その日のうちに読んでしまった記憶がある。このときは、いわゆる植民地と呼ばれた地域での独特の経済活動。ルワンダのエリートと呼ばれる人たちのモラルの低さ。そして、それでもなおたくましく生きているルワンダの庶民達の姿にいたって感動したもんだ。

その後、僕はこの本をもう一度読み直すことになる。いうまでもなくあの凄惨なルワンダ内線のニュースを聞いたときだ。この本では、一応、国内にフツ族とツチ族という二つの民族がいることが書かれていたが、それが深刻な民族対立があったとは書いていない。どちらかというと、主に隣国との国境紛争とそれにともなう出費が、この新興国の財政に負担をかけている実状が書かれてあった。

それが、あの凄惨な民族大虐殺だ。氏がルワンダにいたころから２〜３０年後の出来事だろうか。その間にいったい何が起こったのだろう。そして、このニュースでいかに氏が心を痛めただろう。

この本に流れる氏のルワンダ国民に対する暖かい視線は、我々をほっとさせる。だが、だから一層、その後のルワンダで起こった出来事に慄然とするのだ。

氏のご冥福を祈りたい。

「１２月２日（木）」

気を取り直して、また日記を再開する。

昨日、帰宅してから、親父の年賀状の作成を頼まれた。あれ？今年は自分で作ると言っていなかった？なんぞとはおくびにもださず。筆自慢（年賀はがきソフト）に付属してきたサンプルを適当に書き換えて、本年度版の年賀はがきをレイアウトした。印刷してみると、これがけっこうきれいに仕上がった。

最近はいろんなフォントが使えるようになり、市販のプリント済み年賀はがき並にきれいなものが簡単にできあがる。それにカラープリンターもここ数年性能がきわめて向上した。速くてきれいになった。僕がＸ６８＋プリントショップで年賀はがきを作ったときは、なまじカラーにしてしまったために２０数枚の印刷に夜明けまでかかってしまった。それに比べるといい時代になったもんだ。

レイアウトが終わったのはいいが、問題はプリントアウトだ。カラー印刷は結構時間がかかる。アルプスのマイクロドライプリンターは官製はがきでも滲まずきれいに印刷できるので気に入っているのだが、印刷速度はあまり速くない。この時点で１２時近くになっていたので、これで打ち止め。

親父は年賀はがきソフトを簡易印刷機と理解しているようだが（実際そうなのだが）、年賀はがきソフトの真価は住所録と連動させたときに初めて発揮される。表面の宛名書きを完全にプリンターに任せられるのがメリットである。裏書きのプリントアウトのように同じ文面を複数枚印刷するなんていうのは、むしろカラーコピー機に担当させた方がより速くて効果的なのだ。

だが、そうなると事務所の顧客関係の住所録をパソコンに入力しなければならない。その役割は当然僕に回ってくるので、ここは黙って裏書きの印刷に徹することにする(^^;

さて、僕の分の年賀状はどうしようかな・・・・・。

「１１月２３日（火）」

この日曜日に大相撲九州場所が終わったんだね。野球で盛り上がったとばっちりか、今年の冬場所はあまり客が入らなかったとか。相撲もいいニュースがないしね。

この季節になると、町中でお相撲さんの姿を多く見かける。下っ端の弟子達がちゃんこの材料の買い出しにきていたりとか。昨日の朝は、鳥飼神社の近くのうどん屋で飯食べてたら、両脇をお相撲さんのグループに囲まれてしまって焦った(^^; ＴＶでみるならともかく、近くで見るとえらい迫力がある。整髪油の香りがプンとする。

大相撲が終わると冬も本番となる。いよいよ１２月だ。予備校は気をきかせて、クリスマスツリーを飾り始めたが、ちょっと違うんじゃないのか？クリスマスを楽しむ余裕は受験生にない！(笑)

「１１月１８日（木）」

眠い・・・・・・・。前に会社法の教科書を読んだとき、「会社の計算」の章は読み飛ばしたのだけど、ちょっぴり後ろめたかったので、この部分を朝から読み始めたのだけど、あまりの退屈さに見事に眠り込んで閉まった。それもスヤスヤと・・・・・（恥。

こうなると、今日は別の科目をやった方がいいな。民訴のレジュメでも復習するかいな。はぁ、半日無駄になったわい。会社の計算って、いわゆる簿記会計の部分なんだけど、簿記の試験って退屈そう(^^; 同情します＞受験する方

「１１月１７日（水）」

昔の月刊アスキーの付録でＨＤに一切書き込みなしで試せるリナックスというＣＤＲＯＭがついてきていた奴が残っていたので、そいつを試してみた。ＦＤからの起動であったがあっさり起動できたのはおどろき。

「login:」と表示されたときは、思わず「おお、ＯＳ／９！」とつぶやいてしまった（＜これが分かる人、かなりのマニアかも）。ファイラーのＦＤとかもついてきていたし、超高機能のＭＳＤＯＳといえないこともないか・・・。しかし、Ｘ６８のＦＤって、ユニックスから移植したのねん。知らなかった(^^;

もう、今夜は遅いので、Ｘ−ｗｉｎｄｏｗを起動させるのは明日にしよう。シェルのコマンドも最低限度覚えなくちゃ。それにエディターはやはりＥＭＡＣＳがいいな。ｖｉはよく分からない(^^;

さて、寝よう・・・・っと、ＰＨＳを見るとＡ氏からキャラトーク。残念ながら、福岡でも空は曇っていて獅子座流星群は見られそうもありません（涙

「１１月１７日（水）」

ＵＮＩＸＵＳＥＲ誌に連載されていた「ルート訪問記」が単行本になった奴が図書館に入ったので読んでみる。専門用語が多くて難しい・・・・・・。

ルートとは「￥」つまりホストの一番上位にいて管理権を持つ者をいう。マルチユーザーで動かすシステムならではの職種（？）だ。もっとも現状ではルートさんたちは、独立した役割とはみなされていないことが多く、大学や会社の誰かが片手間でやらざるをえない。ところが、現実にはルートの役割とは無数にあり、かつ職人芸が要求されることが多いので（マニュアルが少ない）、その苦労は大変なものなのだそうだ。

かってはネットワークなんざ大学や大企業の中にあるもので一般庶民には関係ないものと思っていたが、最近はイーサーネットカードなんかが格安で売っていてなかなか手軽な環境になってきた。親父のところにくる年賀状などでも「今年からうちの法律事務所にネットワークを導入しました」なんて書いてきている人もちらほらでてくるしまつ。ネットワークといってもレベルによるけど、ま、やった人の話だとつなぐだけならいとも簡単につながるのだそうだ。

ネットワークの効用については、僕らのようなスタンドアローンな環境にいると分からない面があるので、ちと悔しい。そこで、うちにうち捨てられたパソコン（アプティバ７３０；４８６ＤＸ４−１００ＭＨｚ）が一台あるので、こいつにＬｉｎｕｘでも入れてみようかと考えている。

ま、お遊び以上の何者にもならないだろうけど。

「１１月１４日（日）」

うららかな日曜日。山では紅葉が綺麗だろう。

昨夜は、友達とちと飲んだ。わざわざ呼び出して申し訳ない(^^;＞Ｉ氏

今年もあと一ヶ月半。早すぎる・・・・・。手形法も民訴も不完全燃焼だし、刑訴もやらないといけないし。考えてみれば、択一発表後は、５０日くらいで全科目を回したのだから、やる気があれば、商法・刑訴・民訴くらいは回すこともできるはずなのだ。それができない、というのはやはり言い訳なんだろうなぁ。

「１１月１０日（水）」

帰宅途中のマクドナルドにて、文書を書いている。

この時間のマクドナルドは、帰宅途中サラリーマン・ＯＬの自習室と化している(笑)。もちろん、客の主体は大学生・勤労青少年・高校生であって、自習に使う連中は少数派。はっきり言って場違いな奴らだ・・・・って僕もそうか(笑)。

僕に右手の机では、高校生の男女が仲良く勉強している。どうも模試の復習らしい。制服は西南か。僕の後輩どもだ。いい時代になったもんだ。僕らが高校生の頃はこういうことをやっていると憲兵がやってきて、非国民として検挙されていたのだが（嘘だよ〜ん(^^;）。

僕の左手の机は、女の子が簿記か何かの勉強をしている。うむうむ、感心。ちなみに、向かいの机では外人の英会話教師が女の子に外国語（英語ではない）を教えている。向かいのノバの教師と生徒だろう。

思うに、この辺の場所で安い値段で机を占領できるってすばらしいことだと思う。特にこのマクドナルドはあまり客もはいっていないし（ぉぃ。

最近、あるプランを検討中だ。それは、予備校や市民図書館が開く１０時までここで勉強して行くという方法だ。これなら、夜の帰りがだいぶ早くなる。う〜ん、どうだろ。朝マックの時間帯もすいていればいいんだけど。

「１１月１０日（水）」

今週は完全に失調している。ものすごくまずい。でも勉強に手が着かない。原因は手形法だな。

手形で思いだしたが、日榮が中小企業に取り入る餌として使っていたのが手形割引だったそうな。格安の手数料で近づいて、やがて融資の話を持ち出す。うーん、すばらしい営業努力ぉぃぉぃ

今日も、どこかの被害者が日榮を告訴していた。こうなるともう完全に袋叩きだ。

だが、こういう世間の動きもおかしいところがある。そう、どういったらいいか、自分でゴミを出しておきながら、産廃業者を非難するのと同様な醜さがある。

職業に貴賤はないのが建前だが、仮に賤職と呼ばれる職業はあるとすれば、高利貸しはやはりその中に含まれるだろう。これは古今東西の社会通念であって、例えばキリスト教会は利子をとることを禁じていたし、高利貸しが多かったユダヤ人は迫害されてきた。

しかし、そうはいっても現実の需要はあるわけで、利子の禁止は為替手形という商業技術を発展させ、遠隔地での商業資本を発展させた。また、ユダヤ人の現実の力は今日否定すべくもない。

高利貸し（商工ローンなんて名前で呼ぶから実態が不明瞭になる）についても同様で、その存在や強引な取り立てを非難するだけでは問題は解決しない。何だかんだといっても借りて返せない奴も悪いんだから。

問題は、現在の公定歩合に比較してまるっきり現実離れした利率を定めている出資法・利息制限法の存在であるし、消費者保護の観点に欠けた根保証契約の存在だろう。いっそ、「出資法の上限は公定歩合の何倍」とかいう定め方も立法技術の一環として検討すべきではあるまいか。バブルの頃の年４０％と今の４０％では意味合いが全然違うからだ。

同じことは法定利息（年５％〜６％）にもいえる。バブルの頃は裁判が長引いても、被告にとって年６％の利率はそれほどこたえなかったが、今では原告にとっては裁判が長引いた方がありがたい事態となっている。年６％で運用できる金融商品はほとんど見あたらないからだ。

とにかく、高利貸し問題については、冷静に議論してもらいたいものだ。

「１１月５日（金）」

今週は忙しかった。日記の更新がおくれた。

新聞紙上では、商工ローン（中小企業向けノンバンク）の日榮がマスコミから袋叩きになっている。貸金業法ぎりぎりの高金利。詐欺的手法による根保証人への弁済請求など、話題にことかかない。特に、日榮の取り立て人が「目玉売れ、腎臓売って金を作ってこい」といって返済を迫っていたことがあかるみになったのが大きかった。

だが、僕らの世界からすれば、なんでいまごろ騒ぐんねん、と首を傾げざるを得ない。商工ローンの悪質な貸付・取り立てはもう二年も前から問題になっていたからだ。

マスコミ上では業界第一位の日榮が話題をさらっているが、僕らの感覚からすれば、業界第二位の商工ファンドの方がはるかに悪質だと思う。日榮は、既に明らかになったごとくやくざ紛いな強引な取り立てを特徴とする、いわば粗暴犯的な会社だが、商工ファンドの方は、根保証などの制度をつかって、直裁に法的手段を使って冷徹に取り立ててくる。つまり、日榮は取り立ての部分に悪質さがあるが、商工ファンドの場合は貸付の部分がいやらしいのだ。

これに対抗するためには、破産しか手がない。銀行のように長期の分割払いをお願いするといった交渉の余地がないのだ。僕の親父は、もともと債務者の破産には積極的でない方だったが、昨今は一般債権者のリストに日榮とか商工ファンドが入っていれば、即「こいつは破産！」というようになった。放っておけば、債務者の親戚・縁者に新たな犠牲者がでてくるからだ。

この問題は、僕にはいくらでもいいたいことがある。日本経済全体の問題。金融機関の再編の問題。さらに、国民の金利教育の欠如の問題などなど・・・・、いろんな切り口で語ることができる。だが、時間が足りない(^^;

ただ一つ言っておく。商工ローンは４０％弱で中小事業者に貸し出しているが、その資金を供給しているのは銀行である。長期プライムレート２％強程度の金利で何兆円ものお金を貸している。

この度の事件で、金融監督庁の指導で銀行は一斉に商工ローン向けの貸付を絞るようになった。その結果、何が起きるか。

そもそも８年前のバブル崩壊は、地価の異常上昇を押さえるため、大蔵省が銀行に対して総量規制とよばれる貸出規整を行わせたことに端を発している。その結果、土地の値上がりをみこんで銀行から金を借りて土地を買いまくっていた企業は、膨大な（表に出せない）含み損をかかえ、それが銀行に跳ね返って九七年の金融危機に至ったのである。

では、今回の商工ローン向けの貸付制限はどのような結果を生むか。

まず一番に想像するのは事業者の連鎖倒産であるが、それは心配しなくて良いだろう。なぜなら、４０％弱の金利ではまともな事業は行えない。年に４０％の利益を上げている企業なんてほとんどないからだ。したがって、短期資金のショート以外で商工ローンから金を借りている人は、そのこと自体で、もはや経済的には死人である。高利の資金という生命維持装置でかろうじて生きているようにみえるだけである。

では、なにが問題となるか。これまでは、根抵当枠いっぱいの追い貸しなどで生きていたこれらの債務者達は、いわばトランプのジョーカー。商工ローンから追い貸ししてもらえなくなれば、消費者金融や街金で金を借りてくるしかない。借入金は雪だるま式に増える。そして・・・・・誰かがジョーカーを引かなくてはならない。それが経済の原則というものだ。商工ローンや消費者金融もどこかが（おそらく大手ではなく、中小の会社が）ジョーカーを引いて当然損失を被るだろう。そして、こういった会社に金を貸しているのは銀行ばかりでない。僕が最も心配しているのは農協である。農協となると政治がからむ。解決策は税金である。

あまり楽しい未来は想像できない。ゼニの世界は厳しく、冷酷である。そして、つけは一般公衆に回ってくる。古今東西の定理である。

「１０月３０日（土）」

あっけなくダイエーが優勝してしまった。僕は優勝の瞬間、福岡ドームにいた。

木曜日の８時半頃だったか、弟からＰＨＳに電話があった。曰く「どうも今夜優勝してしまいそうだ。いっしょに福岡ドームに行かないか」と。

あの夜はダイエーが、名古屋で闘っているホークスを応援しようということで、球場を無料で開放してくれていたのだ。

球場に行ってもグランドに選手がいるわけでもなく、大スクリーンにＴＶ中継の映像が流れているだけなのだが、物珍しさもあって、福岡ドームで落ち合うことにした。

行ってみて、人の多さに驚いた。すごい！内野が完全に埋まっている。立ち見までいる(^^;。そのうち、外野も開放された。おいおい、今夜は選手はいないんだぞ(^^;。後の報道でその夜は三万人も入っていたことを知った。

実は、僕は生まれてこの方野球観戦に行ったことはない。平和台球場はとうとう一度も中に入らないで終わってしまったほどだ。だから野球観戦など、ＴＶでいいじゃないか、と考えていた。しかし、この夜の経験で野球観が変わった。野球はライブが一番だ。 ドーム球場の屋根に声援が反響してすさまじい臨場感である。この盛り上がり。すげ〜〜〜！。選手もいない球場でウェーブが起こっている（笑）。

試合の方は、３回で６点が入って突き放したものの、さすが中日、一点、また一点と追い上げてくる。そのたびに球場で歓声と溜息が入り交じるのだから、面白い。

優勝決定後、王監督の胴上げが始まると、熱心なファンが勝手にグランドに飛び降りて大騒ぎを始めた。

僕みたいな日和見便乗派はともかく、シリーズの最初から応援してきたファン達にはたまらない一夜になったことだろう。飛び降りた際に足を骨折して担架で運ばれるファンが二人いたのはご愛敬（でもないか(^^;）。

異様に盛り上がったファン達と一緒に球場を出て、正面入口を通ると、金曜日の闘いに備えて泊まり込んでいたファン達がテントを片づけていた。せっかくの努力が水の泡となって悲しんでいるかと思いきや、皆ニコニコしている。ああ、この人達は皆純粋にホークスの勝利を願っていたんだなぁ・・・・。

とにかく良い試合を見せてもらいました。この次は日曜のバーゲンが楽しみです。

「１０月２７日（水）」

インターネットのすばらしいところは、個人が全世界を相手に情報を発信できることだ。例えば、市場にのらないごく少数のマニア向けの商品でも、インターネットを通じて販売すれば商売としてなりたたせることも可能だ。

だが、今夜見たＴＶのニュースにはたまげた。売れない金髪のモデルのねーちゃん達が、なんと私の卵子（ＨＰ上ではＥｇｇとなっていた・・・卵か(^^;）を売ります、と自分のＨＰに掲載したのだ・・・・それも、自分の顔写真入りで。エッグオークションというのだそうだ。

まぁ、美人に生まれれば人生得だから、親になる予定の身であれば、自分の配偶者は美人であって欲しいと願うものである。だが、不幸なことに、実際、自分の配偶者が美人である可能性はそれほど高くない。それならば、せめて卵子だけでも美人のものであってほしい。そう願っても無理はない。だから買い手の気持ちはよく分かる。それが、男の子であれ、女の子であれ、美人が得だというのが世間というものだから。

だが、需要があるからといって自分の卵子を売り出すか？(^^;

僕は、このニュースを聞いて次のような話を思いだした。

イギリスの著名な劇作家、バーナード・ショー（と思う）は貧相な小男であった。しかし、劇作家であるため、女優達からは、もてた。

あるパーティーの席で、彼はグラマーな女優さんから次のようなことをいわれせまられた。「ショー先生。あなたのような明晰な頭脳の持ち主と私の間に子供ができたらどんなにすばらしい子供ができるでしょう」

言われたショーは次のように切り返したという。「やめときましょう。私の肉体と、あなたの頭脳をもった子供が産まれるのがおちでしょうから」

僕は法律屋だから、卵子の売買と聞いて、そこから生じる将来のトラブルがまず頭に浮かぶ。

生まれた子供が、不幸にして先天性の病気、特に遺伝系の病気であった場合、商品としての卵子を返品するのか？賠償責任は？女性側がその病気を隠していた場合はどうする。 病気でなくとも、不美人に生まれた場合はどうする？商品として売るなら、その商品に責任を負わなければならないんだぞ。

インターネットでどういう取引をしようとそれは自由だ。しかし、その自由はあくまでも自分で責任のとれる範囲でとどめて欲しい。このニュースを聞いて、そう思った。

「１０月２６日（火）」

日曜日、ベスト本店へワープロを買いに行った。機種はカシオのダーウィンだ。土曜日に事務所で使っていた業務用ワープロのＦＤＤが寿命を迎え、かつ販売店にいってももう補修部品がありませんといわれてしまったためだ。こうなると、どうしょうもない。

本当はここで一気にパソコンに移行させたかったのだが、なにぶん親父と事務の嶋田さんがつかいこなせない(^^;それどころか、他のワープロでさえ難しいといわれてしまった。うーむ、どうしよう。

考えてみれば、事務機器は事務を処理するための道具なのだから、マシンはソフトもハードも進歩しない方がいいという考え方もありえるわけだ。すでにビジネスの現場では、度重なるOSのバージョンアップで従業員がそれを学習する時間と手間が問題となり始めている。派遣社員の女の子達も、ワード９５だ一太郎６．３だと覚えたスキルを、バージョンアップのたびに覚え直すのではたまらない。仕事は趣味ではないのだから、メーカーやソフトハウスの度重なるバージョンアップは迷惑至極ということになるのだろう。

民生用ワープロは、たびかさなるモデルチェンジを経て、その性能は１０年前の業務用ワープロと比較にならない進歩をとげた。しかし業務用ワープロに比べて民生用ワープロは編集画面が狭い。この一点だけでも業務用ワープロを捨てるわけにはいかない理由となりえる。

幸い、カシオの最上位機種は液晶画面を縦型に回転できるので、他のメーカーに比べて表示文字数が圧倒的に多い。これで親父にもなんとか妥協してもらうしかないだろう。

さてはて、どうなることやら。

「１０月２２日（金）」

いま、福岡ドームの食堂にきている。市民図書館から福岡ドームはかなり近いところにあるので、昼飯を食べにきたわけだ。けっこうボリュームがあるな、この定食。

この食堂の窓から球場の入り口が見える。入り口にはテント村ができていた。まもなく始まる日本シリーズでいい席をとろうという人たちらしい。テントがずらりとならぶ光景はかなり絶景である。しかし、この人達、いったい仕事はどうしているんだろう(^^;

日本シリーズのチケットはかなりの人気で、チケットセンターが電話予約を始めたところ、回線がパンクして九州全域で電話がかかりにくくなったのだそうだ。すさまじい(^^;

九州人は、自分で言うのもなんだが、熱しやすく冷めやすい。盛り上がるときはとことん盛り上がる。だから、今度の日本シリーズはかなりの盛り上がりになるだろう。

私としては、ぜひともホークスに勝ってほしい。なぜって？そりゃもちろんバーゲンでんがな（ここだけ関西弁(笑)）。

「１０月１９日（火）」

下に涼しいと書いたのが三日前。昨日、今日と一気に寒いといえるほど気温が落ちた。

僕が帰宅するのは、たいがい１０時頃になる。先週の感覚でカーディガン一枚羽織って出かけたのだが、毛糸のカーディガンは風をよく通す。昨夜は自転車で飛ばすにはあまりに涼しすぎた。

おまけに、就寝時にいつもの通り毛布一枚で寝込んだら、夜明けが涼しいことよ。おかげで例のごとく風邪気味である。

この前の日曜日は宅建の試験日だったんだねぇ。土曜の帰りがけマクドナルドにいったら、僕と同年代くらいのサラリーマンが必死で予備校のアンチョコ本を読んでいた。彼もきっと受けたのだろう。

予備校の自習室は、もちろん司法試験組ばかりではない。司法書士や行政書士。宅建。最近増えたのが公務員試験組。行政書士の試験が近いらしく、前に座っていたおねーさんは暗記に精を出していた。そういや、司法試験の口述試験もそろそろおしまいか（とほほほ・・・）。秋の試験シーズンも終盤戦である。

「１０月１６日（土）」

今日はだいぶ涼しい。一雨毎に秋が深まるとはよく言ったものだ。実感する。

昨日は、帰りがけに鞄を新調した。今まではショルダーバッグだったのだが、シンクパッドを入れると他の本をいれる余裕がなかった。加えて、バッグが重いので、僕のママチャリのかごでは重さを支えきれなくなっていたのだ。

そういうわけで、購入の条件は三つ。（１）シンクパッドを入れてもなお容量に余裕のある大きさ。（２）あらかじめノートパソコンを入れることを前提とした構造になっていること。（３）自転車で移動することを考え、背中に背負える構造になっていること。

なかなか、いい商品がなかったのだが（なんでノートパソコン用カバンはあんなに品質が悪いのだろう。安物しかなかった）、実用一点張りで、５６００円の奴を買った。けっこう気に入っている。

「１０月１５日（金）」

日付を書いてみて、今月が半分終わったことに驚く。う〜む、早すぎる(^^;

午後から雨。傘を持ってきてよかった。でも、ここまで乗ってきた自転車はどうしようか。

先日、久しぶりに体重計に乗ってみて自分の体重にびっくり。いつのまに・・・・＊＊ｋｇとは(^^; そういうわけで、おとといから夕食を抜いている。

自分のダイエットのパターンはだいたい把握している。たとえ夕食を抜いても直ちにその日から体重が減り始めるというわけではない。だいたい一週間はそのままとみてよい。その理由は、たぶん、食事を減らすことで、体が基礎代謝量をも減らしてしまうため、減量に結びつかないものと思われる。

だが、一週間すぎたあたりから、体が慣れてくる。そしてようやく緩やかに減量が始まる。そのうち２〜３日で一キロくらいは簡単に減るようになる。そういう具合だ。

だから、ダイエットが成功するかどうかは、最初の一週間が続くかどうかにかかっている。そこまで続けられれば、胃が小さくなって、小食もそれほど苦ではなくなる（むしろ快感になる）。さて、来週の今頃、私はこの日記帳にどういう言葉を打ち込んでいることだろうか。楽しくもあり、恐ろしくもある(笑)。

話は変わって、新聞は、昨日の住友・さくらの合併の話でいっぱいだ。このニュースは毎日新聞の特だねだったのか。毎日には昨日載っていたのだが。国内はほぼこれでもちきりだといってよい。

ところが、目を外国に転じると、その温度差に驚く。昨日、家に帰ってからＣＮＮをチェックしてみたが、ヘッドラインでちらりと出てきただけで、ビジネスニュースでもろくに論評がない。

確かに預金額では世界第二位のメガバンクができたといえるかもしれないが、同時に不良債権の額も世界第二位。いやひょっとすれば世界第一位なのかもしれないのだから、海外が無視するのも当然といえる。

なんだか、情けない話だ。

「１０月１４日（木）」

朝ＴＶのスイッチを入れると、「住友・さくら合併」のニュースに驚かされる。そうか、さくらの拾い主は住友になったか。さくらは完全な吸収合併だな。気の毒に。三和はどうするんだろう。

ＴＶでは、財閥間の垣根を乗り越えた合併とか言っているけど、本気か？この数年の間で、企業間特に銀行の持ち合い株は劇的に減っているんだぞ。

企業がグループを作るのは血縁や家門といった情緒的な理由ではない。株式の持ち合いを中心とする、各企業の経営者の自己保身のためだ、とは、うちの大学の奥村教授がおっしゃってたことだ。とすれば、株式の持ち合いの縮小で、もはや財閥を形成している理由が（表面に現れない形で）消滅してしまったと見るのが正しい。この合併話が進んだのは、こういう背景が事情にあるためだろうと思う。

これからは、日本的経営とか日本人の国民性とかいう訳の分からない理由で行われていた社会慣習が音を立てて崩れていくだろう。そこから行き着くのはアメリカ型経営か？それは誰にも分からない。株主は会社の所有者である、という会社法理論からすれば、株主の力がつよいアメリカ型経営は一つの理想であることは事実。だが、そこまでいきつくか。いきついていいのか？

やがて新しい秩序ができるだろうが、それまでは多くの人々の血が流れるだろう。願わくば、私が血を流す側でないことを・・・・。

ジークスで売っていた怪しげな５６モデム。２９８０円と安いのだが、何とも怪しい。でも、僕が使っているのは未だに２８モデムなので、動けばもうけ物とばかり、深く考えずに買ってきた。ＰＣＩソケットに差し込むと何の問題もなくあっさり動いてしまった。うーむ、いい買い物だったな。

うごいたのはいいけれど、このボード、内部スピーカーが常時オンで、とてもうるさい。接続時のネゴシエーションの音が神経に障る。これではとても深夜には通信できない。ところが、モデムのプロパティーには特に「スピーカーオフ」の設定はない。困ったものだ。

しかたがないので、プロパティーのところにＡＴコマンドを直接打ち込んでスピーカーを黙らせた。こういうのがパソコンの醍醐味(^^)。このモデムどのくらいＡＴコマンドをサポートしているのだろう。マニュアルがついてこなかったので分からないや(^^;

「１０月１１日（月）」

昨日は、弟の自動車で鹿児島まで家族旅行した。

鹿児島までは、高速道路が開通してからはかなり早く行けるようになった。４時間程度で到着した。

僕は、中学時代の修学旅行でいったきりでそれ以来鹿児島に足を踏み入れたことはない。自動車で鹿児島市内を走ったが、かなり新鮮な印象だった。人口５０万超。だいたい熊本と同程度の都市だが、さすがは島津藩の本拠。歴史的遺物はかなり多い。特に銅像の多さには驚いた。西郷や大久保、それに明治維新の立て役者達の銅像が至る所にある。こんなに人物の銅像が多い街はここしかないのではなかろうか。明治維新は自分たちが行ったことだ、との自負が至る所にみえる。

その後、国道１０号線に下りて、錦江湾に沿って走ったが、桜島の光景は絶景だった。ＴＶの映像では、視野に入る桜島の大きさは大したことはないように見える。だが、実際にみてみると、桜島は予想以上に大きい。溶岩が拳のように盛り上がり、視野のかなりの部分を占める。５０万都市の市街からこんなものが見えようとは！ちょうど夕日があたってピンクに染まった火山島の光景は、実に美しかった。実際に見てみないとそのすばらしさを実感できないものだ。

「１０月９日（土）」

今日は宅調モード。ちと、体調が悪すぎ。パブロンが効かない。

昨日は、論文の結果通知が来た。うーむ・・・・・・何も言うまい(^^;
受験新報の１１月号を買ってきた。今月号から受験新報はＢ５版のサイズに紙面変更している。ちまたの雑誌がＢ５版からＡ４版へ変更しているのに比べると、一時代遅れているのかな？（笑）。ちなみに、今月号の特集で論文試験の解析をやっている。それをみて今年の問題を研究しようと思う。

来週から、今年度の答練が始まる。はじめは商法。手持ちの答練のレジュメを復習して、過去問をいくばくかやれば一週間くらいすぐ経過してしまうだろう。論文発表後、気が抜けてしまって、あまり順調に進んでいなかったが、また忙しくなるぞ（たぶん＜ぉぃ(^^;）。

 
「１０月５日（火）」

今日は市民図書館。

ここんところ、ノートパソコンのシンクパッドの調子がおかしい。液晶がいかれたのか、色がついた筋がでてくるようになっている。それも、日々その範囲が拡大している。うーむ、工場送りかなぁ・・・・(^^;

僕のシンクパッドは５６０（無印・・・古い(^^;）という型番で、その時代には珍しくフロッピードライブもＣＤＲＯＭドライブもすべて外付けという、純粋に持ち歩くことを念頭において設計された、いわゆる「モバイルノート」の原型とも呼べる製品だ。

Ａ４サイズの大きさのわりに（当時としては）薄く、（当時としては）軽く、しかも、（これは現在の水準でも）大きなキーボードをそなえていて、文字の打ちやすさは抜群という製品である（エッヘン！（笑））。

こいつを鞄に入れて、私は外出しているわけである。

そういうわけで、こいつが故障したことは、僕にとっては痛いのだ。修理代はどのくらいかかるだろう。あ〜あ、やだやだ。

「１０月３日（日）」

夕べは、通り雨に降られたが、今日は朝から良い天気だ。風が涼しくて気持ちがいい。

昨日は帰りがけにジークスに寄ってパソコンの部品を物色した。僕のマシンも今の水準では古くなっているので、少し欲がでる。

ちなみに、僕のマシンはマザーボードはＡＳＵＳのＳＰ９７−ＸＶ（ソケット７、ＡＴＸ）、ＭＰＵはＫ６の２００ＭＨｚ。ビデオボードはダイアモンドのＥＤＧＥ　３Ｄ（ワゴンセールで何と１０００円で手に入れた）という格安構成なのだ(^^;

今のマザーでもＭＰＵとビデオカードを取り替えれば、まだまだ現役でいける。３Ｄ系のゲームをバリバリやっていればともかく、通常のビジネスアプリでは、別に重い処理をする仕事はないし。

端的な話し、日常の生活にはＡＴＯＫとエディターがあって、ネスケが動けば他は何もいらない。いっそリナックスにでも移行しようか。

「１０月１日（金）」

夕べは２時まで核工場事故のニュースをみていて寝不足ぎみ(^^;

ニュースを見ながら、懸案だった掲示板システムをホームページに載せる作業をした。「Ｐｅｒｌで作る楽しいＣＧＩ」なんというありがちな入門本を読みながら、おそるおそる設定をすませる。アップロードで多少トラブルがあったが、何度かやり直していくうちにアップロードが終了、無事掲示板が表示された。

ＦＴＰでファイルを転送していると、しみじみサーバーを遠隔操作しているんだなぁ・・という気になってくる。何かうれしい(^^)。Ｐｅｒｌとは、ホストコンピュータを動かすプログラムなんだから、まさに遠隔操作。昔のＴＳＳ端末なんてこういう感覚だったのかしら。いや、だいぶ違うな（笑）。

Ｐｅｒｌスクリプトが読めるようになったら、この素朴な掲示板も改良していこうと思っている。

「９月３０日（木）」

市民図書館に行く。入り口の前で本日が月末休館日であることに気づく。マヌケだ。

気を取り直して予備校の自習室に行く。いつも来ている常連で来ていないのもいるし、背中からオーラを振りまいて勉強を始めている奴もいる。が、部屋は全般に空いている。ま、やっぱり発表直後から勉強を始める気にはならないものだ。

人のことは言えないわけで、今日は僕もぜんぜんのらない。机の前で一日呆けていたような気がする(^^;

今日から、会社法を始めないといけない。論文答練の開始日は１０月１０日。土曜日に受けるとしてもあと二週間と少ししかない。

家に帰ると、東海村でえらい事故が起こったとのニュースを見る。単なる水漏れかとおもいきや、ウラニウムが臨界に達しただと！つまり、核爆発じゃないか！(^^;　ああ、今思い出すチェルノブイリの事故。ロシアを笑えないぜ(^^;

「９月２９日（水）」

敗戦記念日・・・・・・・・・検察庁前の掲示板に僕の名前はなかった（涙

九州・沖縄地区の合格者総数２９名。論文試験の受験者は２００名弱だった。択一試験の受験者は九州会場のみで１５００人を超えていたのだから、現実は厳しい。

掲示板前に乳母車を押して見に来た若い女性がいた。旦那さんの合否を見に来たのだろう。だが、彼女は掲示板をみるなり哀しそうに涙ぐんだ。他人事ながら僕はこの光景はわすれることはないだろう。

予備校に戻って、休憩室の椅子に座り込んだ。結局、２時間くらいそこにいたか。両隣には、僕と同じように苦虫をかみつぶしたような表情をした若いのが二人。やはり２時間くらいだまって座っていた。はぁ・・・・。

「９月２８日（火）」

空は秋空、朝夕は涼しさが増している。秋ですなぁー。

昨夜は、大学時代の友人から電話があった。彼は現在失業中である。この不況でリストラの憂き目にあったのだ。ちなみに、大学の同級生でリストラにあったのが私の周りに二人もいる。深刻である。三十代後半でリストラされたわけだから、当然再就職は苦しい。職安に通ってもなかなか仕事が見つからないらしい。

バブルの頃、日本的経営だの終身雇用制の優位性だの、僕らは日本礼賛の声を多く聞かされた。そしてバブルはついえた。あの頃日本礼賛を繰り返したマスコミ・評論家達は舌の根も乾かないうちに、やれグローバルスタンダードだ、自己責任だと１８０度裏返った論調を繰り返している。

将来のことは分からない。だから組織内だけではなく、世間一般に通用する資格を採るべきだ・・・・そう思って今は勉強しているわけで、その方針は正しかったと思う。だが、現実は厳しい。私は今も受験生のままだ。

明日の夕方は福岡地検の前で論文試験の合格発表がある。はたしてどういうことになるのやら(^^;

「９月２７日（月）」

日曜日、無停止電源を買ってきた。１万８千円なり・・・・。無停止電源とは、内蔵の蓄電池で交流１００Ｖを作り出す装置で、パソコンを使用中電源が停電などで停止した場合、瞬時に切り替わり、パソコンがシステムダウンするのを防ぐものだ。

なぜこういうものを買ったかというと、先日、親父がワープロで作業中、突然ブレーカーが飛んでしまったからだ。原因は母が電子レンジを使ったこと。各部屋のエアコンも動作中であったのが不運だった。当然、１時間半もかけて作った文章はきれいさっぱり消えてしまい、親父はえらい目にあったというわけだ。

備えあれば憂いなし。だが、通常、人は憂いがあって初めて備えをする。その順番が逆になることはあまりない(笑)。

無停止電源を買いに行ったのは、キャナルシティーのダイエーだったのだが、ホークス優勝セールということでこれがまた異様に混んでいた。これが本当に不景気の国の光景なんだろうか・・。

ソーテックの格安パソコンがよく売れていた。そこそこの性能だし、なにより安い。それにE-ONEの件でアップル社と裁判になっていることがかえって知名度を上げたようだ。もしこれが当初からの狙いだったら、大したものだ。

同行した弟は、コンパックの小型パソコンを五万円で手に入れてご機嫌だった。安いわりにそこそこの性能があって、これが５万円なんて信じられない。彼はなかなか買い物上手だ。

だが、彼は病院の方にもっていくとかいっていたが、何に使うのだろう。彼の病院事務が電子化されたという話はとんと聞かない。

あのくらいの個人事業主にとって事務のパソコン化はもっとも効果的なはずだ。憂いの前の備えになってくれたらいいなと切に思う。

「９月２５日（土）」

福岡ダイエーホークス　優勝おめでとう！

明日はバーゲン　うれしいな(^^)

「９月２５日（土）」

昨日は台風１８号がやってきて、大騒ぎだった。

この台風は、玄界灘を高速で通り過ぎて、九州北部および東北地方に大きな被害を出した台風１９号（通称リンゴ台風：初めて聞いた(^^;）と同じコースを通ることが予想され、こっちもそのつもりで待機していた。

弟は、仕事場に出かけられなくなることを心配して、あちらに泊まることを真剣に検討していたようだ。実際、翌日福岡市内の交通機関は地下鉄を除いて午前中すべてがとまり、私もその日一日宅調モードですごしたのだから、心配も杞憂ではなかったのだ。

再接近時は２４日の夜明け頃。そのころになると家が風で揺れるのを感じよく眠れない。おまけに６時過ぎだったか、家の前を救急車が通り過ぎて、完全に目が覚めてしまった。後で知ったのだが、私の家のそばを流れる川で、老人が一人川に流されてなくなったのだそうだ。救急車はその老人のために出動した模様。うーむ。都会にすんでいても、災害からは免れないってことだね。

今日は図書館で仕事している。最近は予備校の自習室（空き教室）を使うことが多いのだが、土曜日は空き教室が少ないので、市民図書館を使っている。場合によっては、親父の事務所を使わせてもらうこともあるが、あっちだと、事務の嶋田さんが、ひょっこりやってくることがあるので、なるべく使わないようにしている。彼も司法書士の試験を受けているので、我が物顔で事務所を使うのもまずかろう。

で、図書館であるが、９月の下旬は大学の試験シーズンらしく、大学生の姿が多い。東京の大学は、中間試験は夏休み前の７月に行われることが多いのだが、関西以西の大学は、夏休み明けの９月が試験というところが多い。どちらの方式が優れているだろう。個人的感想を述べると、これは関西方式の方がいい。関東方式だと、９月以降の授業開始から秋の大学祭まで、夏休みの延長のようなめりはりのない生活が続き、パリッとしないのだ。

大学の試験に限らず、秋は宅建（宅地建物取引業）の試験や簿記関係の試験がある。彼らはまさに追い込みの時機だ。がんばれよ。私は・・・・・、２９日の発表次第だな(^^;

＊宅調モード

自宅調査日モードの略　裁判官は判例研究などのため、自宅に仕事を持ち帰って仕事ないし研究をすることが認められている。これを自宅調査日といって出勤扱いとなる。我が家では古くから出勤しないで自宅で仕事（ばかりとは限らないが（笑））することを「宅調」と呼んでいる（笑）。

宅調は、初日は効果があるが、２日以上続けると能率があがらず、一日を棒に振る可能性が高い。長い目でみれば、調子が悪くとも外に出かけた方がいいことが経験則として分かっている(^^;

「９月１７日（金）」

僕が住んでいる西新商店街にはかって映画館が二つあった。一つは１０年前に潰れてしまって、残るは一つだけだった。過去形で言わなければならないのが残念だが、今はもうない。この１５日、ひっそりと閉館してしまった。

読んでいた雑誌が休刊したとき、「休刊したのは僕のせい？」と思ってしまう。それと同じ想いがした。僕は熱心な映画ファンではないけれど、子供の頃からなんども足を運んだ映画館がなくなったのはやはり哀しい。

スターウォーズの第一作はこの映画館で見た。俺達に明日はない、なんてのも見たか。角川映画のエスパイとかも見たな。一番最後に見たのは、リング２だったかな。催眠は見たかったんだけど、忙しくて見る余裕なく終わったしまった。

映画館の斜陽が叫ばれて久しい。映画はビデオやＴＶで見るという人が多くなり、こういう小さい街の小映画館は、営業的には未来はないようにおもえる。だが、一度潰れてしまった映画館は復活するのは困難だ。こういう時代だからこそ惜しいと思う。

「１５日に閉館しました」と扉に張られた手書きの紙の前に、「ご自由にお取り下さい」と古い映画のパンフがダンボール箱につめられて置いてあった。その中からナディアの映画版のを一枚いただいてきた。この映画も見たかったんだよな。なんで僕らは映画館に行かなくなってしまったんだろう。そのわけをもう少し考えてみなければ。

「９月１０日（金）」

朝から頭が痛い・・・・・。また寝冷えしたか(^^;

風邪薬のパブロンを飲んで予備校に出かけたが、午後になって頭痛が治まるどころかさらに激しくなって困った。風邪薬といっても、所詮は総合薬。対頭痛薬効は大したことないらしい。しかたがないので近所の薬局でバッファリンを買ってきて飲むと、これがぴたりと治まった。さすがは専門薬だねぇ。

予備校の休憩室で、薬が効いてくるのを待っていたら、司法試験組の女の子達がこれからの勉強方針について語っていた。どこの答案練習会に参加するか。自主ゼミの指導者は誰に頼もうかなど、検討すべき課題は少なくない。そろそろそういった来年の方針を検討しなければならない季節なのだ。もちろん論文に受かっていれば世話ないのだが(^^;

「９月６日（月）」

朝から雨。どうも天気がわるい。

本屋で「買ってはいけない」という本が平積みしてあるのをみた。月刊金曜日の別冊で、食品・化粧品といった身の回りで売られている品物の危険性を述べた本だ。ま、社会問題系の本だと言って良いだろう。

どんな人が読んでいるのだろうと思ってみてみると、ほとんどが女性だった。ふつうこの手の本は、女性は好まない。社会問題は抽象的な観念の世界で、そういうのはあまり女性は好まないのだ。だから、平積みされた「買ってはいけない」を女性達が手にとって読んでいるのには驚いた。

だが、これは当然かも知れない。なぜなら、この本が取り扱っている問題は、自分たちが身の回りにある食品、化粧品という具体的な物だ。具体的な物については、女性達は関心が高いのだ。

この本は、そろそろ発売数が１００万部を超えるという。出版社の目の付け所が光った企画だったと思う。

「９月４日（土）」

今日は、午前中口述対策のガイダンスがあった。口述のシュミレーションを見ながら、頭の中で内容を確認するけど、定義がすらすら出てこない。悲しいかな、論文試験から一ヶ月もたち、記憶が薄れてしまっている。

高橋民事訴訟法のような大仕事もいいけれど、論文試験の前に使ったレジュメ類を読み返す、といった作業をやった方がいいのかもしれない。時間対効果比を考えると、その効果は明らかだ。

曇りのち雷雨。傘を持たずに予備校に行ったら、夕方から黒雲がむくむくと空を覆い、ドット雨が降り出した。どうやって帰ろうかとあせった。幸い、７時頃にはあがったので、濡れずに帰れたのだが、天候不順だね。

「９月３日（金）」

久しぶりに予備校の自習室へ行く。なじみの顔はまだ半分程度くらいか。席も空いているし。

今日は、夕方から友達と飲み会。彼とは僕が東京から帰るとき会ったのが最後だったか。奥さんのことを「家内」と呼んでいたのがえらく印象的であった(笑)。

「８月２６日（木）」

風邪をひいたらしい。夕べからのどがいがいがしていたが、今日になってはれてきた。体も多少だるい。

この時期風邪をひいたのは、エアコンの調整を誤ったことが原因だ。最近涼しいので、寝る前にはエアコンのスイッチを切って寝ていたわけだが、いくら涼しいとはいえ、夜中には部屋に熱がこもり、寝苦しさで目を覚ます。枕元をまさぐってエアコンのリモコンを探し、エアコンのスイッチをオンにする。明け方にはエアコンが利きすぎて体を冷やす。と、まあこういう具合だ。

こんなときは早めに寝るに限る。ろくに勉強していないのが心残りだが、早く帰って寝ようっと。

「８月２５日（水）」

水曜日。エコノミストの発売日だ。今週号の特集はもちろん「興銀、富士銀、第一勧銀の提携」。この提携がうまくいくかについては、論者はほぼ一致してリストラがうまくいくかどうかにかかっている、と述べている。全くその通りだと思う。発表では６０００人の人員削減をやるとは言っているが、これは５年間かけての数字。新規採用人員数をゼロにすればこのくらいの数字は達成できるのだそうだ。やはり銀行は恵まれている。

夏休みも終わりに近づき、図書館は相変わらず人が多い。おかげで妙なところに影響が出ている。ＰＨＳがつながらないのだ。図書館内では、携帯やＰＨＳは使用禁止となっているが、実際は部屋の片隅で多くの高校生がぼそぼそしゃべっているのが実態だ。これじゃ、夕方のマクドナルドと変わらない。おかげで回線がふさがってしまっているのだろう。

私のこの文章は、図書館のワープロルームで作って、そこからＰＨＳのデータ通信機能を使って直接サーバーに保存している。それが、この時間（５時半）になってもリダイヤルの嵐だった。何度かけ直しただろう。ＮＴＴには、回線状況を善処していただきたい。

「８月２０日（金）」

夕べのプロ野球はすごかった。スカイパーフェクＴＶに加入してよかった、と思えた試合だった。なにせスイッチをつけたら、ちょうど、ダイエーが小久保のスリーランで同点に追いついたところだった。その後、延長に入って、オリックスに一点とられてしまい、これで駄目か・・・・と思ったら二死の後、単打が二つ続いた後の芝原の逆転スリーラン！いやー、すばらしい。試合が終わったのは１０時１５分。地上波だったら一番おいしいところは見られなかったわけで、ＣＳ放送の視聴者が増えるはずだわ。

昨日、プロバイダの方からメールが届く。ホームページ上でのＣＧＩの使用許可が下りた。ＣＧＩとは、ｐｅｒｌスクリプトでインタラクティブなホームページを作成するためのしくみだ。これを使うと、ホームページを見ている人が書き込める掲示板システムなどが実現できる。だが、ｐｅｒｌはサーバーに負担をかけるので、このプロバイダでは使用は禁止されていたのだ。

これで掲示板もばっちりと思いきや、そうは問屋がおろさない。悲しいかな、ＣＧＩの設定が分からない(^^; ｐｅｒｌスクリプトもちんぷんかんぷんとなさけない現状が明らかになってしまった(^^; プロバイダの資料をプリントアウトして読まないと駄目だな、こりゃ。

「８月１９日（木）」

朝から市民図書館。夏休みも終わりに近いということで、高校生や大学生の数が目に見えて増えてきた。夏休みの宿題が溜まっているとみえる(笑)。大学生達は夏休み明けに語学の試験か。がんばれよ(笑)。

こっちも人ごとではないか(笑)。今日の予定は、高橋民事訴訟法。それに田宮のセミナー刑事手続法をもってきた。読めるかどうかは分からないが、読まないといけない本だ。今年の問題はこの本から出ていたのだから(^^;

　「８月１８日（水）」

　スカイパーフェクＴＶを入れて意外と便利だと思うのは、地上波で放送されていないプロ野球がすべて放送されていることだ。７時のニュースでは負けていたホークスがなんと勝ってしまった。明日雨が降らなければいいが（笑）。こりゃ、本当に優勝するかもしれない(^^;

　昨夜の試合は、山崎市長が応援にきてたし、マクドナルドにいったら、ホークスが勝った翌日はチキンナゲットが半額だそうな。商売人の意図は見えているけど、そういうのを抜きにしてなんか盛り上がってきたようだ。

　マクドナルドといえば、西新のマクドナルドで２時間ほど粘って本を読んだ。試験が終わったら読むつもりで、ずっと本棚の肥やしになっていた中公新書の「安心社会から信頼社会へ」（山岸俊男著）。分野は社会心理学になるのかな。最新のゲームの理論と地道な社会調査にもとづく新日本社会論がその骨子。今週中にでも読み終えてしまいたい。書評でもかけるかな。書いたらここにアップするつもり。

「８月１７日（火）」

　１５日は、おじさんの初盆ということで弟の自動車に乗って佐世保までドライブ。親戚の人達ともひさしぶりに会えた。こういう機会がないと会えないもんだねぇ。

　８月も半分終わってこの有様ではなさけない。今日から社会復帰ということで、シンクパッドをかかえて市民図書館に出かける。さすがに試験前に見かけていた常連の同業者たちも休業状態のようだ。姿が見えない。

　高橋教授の民事訴訟法は法学教室に連載されていたものをまとめた本で、その実質は論文集に近い。昨年読んだ伊藤教授の民事訴訟法の教科書は読みにくかったけど、高橋教授の本は別の意味で読みにくい。あ〜あ、こんな本読むんじゃなかった(^^;

　午後になって、高橋教授と闘うのを放棄（ぉぃ。雑誌の棚からエコノミストを取り出して読む（現実逃避(^^;）。今週の特集は、損保業界。損保は生保と違って、バブルの影響は受けていないので安泰だろうと思いきや、現実は厳しいらしい。特に自動車保険は激動の時代を迎えているのだそうだ。規制に守られた業界は、今後どの分野でも、変化はさけられまい。それは弁護士業界も同じこと。もって他山の石とせよ、だ。

　夜になって帰ると、親父がパソコンの使い方を教えろと言ってくる。同業の友達が、パソコンで暑中見舞いを作って送ってきたのが悔しかったんだそうな(^^;　筆自慢の使い方でも教えればいいかな？どうせすぐ飽きるだろうし（笑）。

「８月１４日（土）」

　今日はお彼岸。１時半頃お坊さんがおみえになってお経をあげていった。

　ＴＶでは甲子園が放送中。いま地元東福岡高校が闘っているが、旗色悪し。打線が相手方のピッチャーを捕らえ切れていない。

　ＴＶといえば、スカイパーフェクＴＶにどっぷりつかっている(^^;　大原簿記学校の合格チャンネルとかけっこう面白いし、放送大学「裁判と法」なんてのもけっこういい。ああいうのは大学では聞けない講義だ。

　だが、ＴＶにつかっていると、時間がどんどん過ぎ去っていく。八月ももう半分過ぎた。試験がおわってから勉強はほとんど進んでいない(^^;　

　もっとも、ロータススーパーオフィスの使い方は勉強した。この手のことは、試験が終わったこの時期しか勉強できないからである。このホームページもその成果なのだから、何もしていないというわけでもない。

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