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            コンロッドをグラインダーで、均一に切削する為に、こんな物を製作してもらいました。 
            使い方は、コンロッドを上下に回しながら削っていきます。 
            左右の金属の径は自分が、希望するコンロッドの厚み +0.2〜0.3mm大きめに加工しており、コンロッドの削りすぎを防ぎます。 
            希望する径に達すると左右のカラーが、回転始めたらその部の切削はストップします。 
            これを繰り返す事によってコンロッドの厚みを均一にする事が可能です。 
             
            ナカナカ優れ物でしょう!(^^;; 
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            念の為に、削っては組みを繰り返して、妥協?できるギリギリの肉厚まで削ります。 
             
            グラインダーで荒削りした後、 
            耐水ペーパーに油を付けながら仕上げて行きます。 
            60 → 240 → 320 → 600 → 800 → 1,000 → 1,200→ 1,500と研磨します。 
            研磨後にバリ取り、洗浄するのは言うまでもありません。 
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            手作業による加工でしたが、各部の肉厚の誤差も0.1mm以内と自分でも驚きの精度で出来上がり驚きました。 
             
            (最終的には、0.05mm以内に修正しました。) | 
          
          
             
            ワッシャ−は、旋盤にて小径化加工。 
            これで、組立て芯出しに出すことができます。(^^) 
             
             
            いよいよクランク組上げです。 
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            組み立て芯出し済のクランクにまな板を張り付けます。 
            木ネジだけでも取れないと聞いてますが、念の為にエポキシ接着剤で固定しました。 
             
            組立て芯出しは、埼玉の活苡繝{ーリングさんに依頼しました。 
            芯出し精度も高く、しかも低額料金でして頂いたので助かりました。 
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            ベアリングは冷凍室で冷やし少しでも小さくさせます。 
            プレス機で打ち込む前にハンマーでベアリングを使って少し打ち込んで置くと作業が捗ります。 
             
            ベアリングの縁と同じ大きさのアタッチメントを使って圧入していきます。 
            プレス機に対して垂直に成るように慎重に位置あわせをおこなってから本番です。 
             
            プレス機のレバーをゆっくりと上下させますと急にスーと入ります。これはケースに対してベアリングが垂直に入った証拠です。 
            そのまま、レバーをゆっくりと上下させていくと、少し重くなったら止めます。 
            ベアリングが奥まで入った状態です。(圧入完了) 
            ※この時、圧力計が0を僅かに超えている筈です。 
             
            プレス機を貸して頂きましたN自動車様ありがとう御座います。m(_ _)m 
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            特殊工具を使って組上げていきます。 
            焦らず慎重に・・・ 
             
            今回は慎重を規する為に行きつけのバイク屋さんの指導の元、組立てました。 
            シャフトに嵌っているのが専用工具のクランクインスラポット、専用ボルト、アダプター、クランクインストラスペーサです。 
            JOG80とGアクとではプリー側とアウター側のネジ山の径が大きさが違います。 
            私のはあえて、アウター側のM10P1.25に合わせてプリー側を加工しました。 
            ※JOG80のプリー側はM8 
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            特殊工具を使って組みます。 
            焦らず、慎重にネジを閉めていきます。 
            この時必ずコンロッドは上死点上で固定させます。 
            ※クランクケース固定のネジ絞めはトルクレンチを使う事を勧めます。 | 
          
          
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            問題無くクランクが回るか確認します。 
            この時、回りが悪い時は木槌でシャフトを軽く叩くとスムーズに回ります。 
            あとはシャフトのシールを打ち込み、組み立て完了です! 
            ケースが汚いですね(^^;; | 
          
          
             
            下死点に下がる際、ピストンスカートが、クランクウェーブに接触しますので、ピストンスカートを約3mmカットしました。 
            ※急ぎの為画像なし・・・ 
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            ベースパッキン3枚で上死点時はこの様にピストンヘッドが飛び出します。 
            ※慣らし走行用ピストン 
            ※V100ピストン仕様で、シリンダー下面2.5mm、上面1mm面研してます。 | 
          
          
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            2.5mm厚のワンオフスペーサーを入れて二次圧縮圧力比を約10kに調整しました。 
            後は組上げです。 | 
          
          
            あとがき 
             
            誌面のドッカーンパワーのスクーターの記事を読むたびにどうやったら・・・と考えた挙句、ロング化しかない!と思いトライしてみました。 
            早速、モトチャンプ片手に製作に取り掛かりましたが、全水冷化作戦より困難を極め、改めて測定工具の精度の良し悪しが成功のカギを握ると痛感しました。 
            本来、人に尋ねながらの製作が嫌いな私は不安いっぱいで、 
            「エンジンは無事に回ってくれるだろうか・・・失敗したらどうしょうか・・・」と考える日々が続きました。(^^;; 
             
            無事走行した時の嬉しさは、例え様に無いくらい嬉しかったです!!!! 
            ノーマルマフラー仕様とは言え、準メガトン級の私がシート中央部に座って不用意にアクセルを全開すると、簡単にフロントアップするのでビビリます。(本音) 
            排気量UPのお陰もありますが、恐らく、全てのベアリング&シール交換、クランク芯出し結果レスポンスアップに繋がったと思います。 
             
            途中、加工部品の製作やりなおり等もありましたが、製作費用総額約30,000円強で、怒涛のパワー&トルクを得ました!! 
            何れ、パッソルに搭載予定の80エンジンも同様の仕様にしたいと考えてます。 
            今度は25,000円弱で出来そうですね。(^^) 
             
            これを参考に皆さんもチャレンジされてみては如何でしょうか? 
            先ずは、精密測定工具の購入を! 
            それと、図面引きの勉強と精密加工屋さんを見つけ出してください! 
             
            今回も破格にて加工して頂きました、T精工さんお礼申しあげます。m(_ _)m 
             
            ノーマル電装をどう克服したか知りたい! 
            との声が聞こえそうですので、近日中?に公開しますのでお楽しみに! 
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