(1)自分が自分の主治医のつもりで病気や困難に対処する

病気克服には、医師、医療スタッフだけでなく、家族・友人の協力支援も重要ですが、自分も主治医のつもりで
積極的に取り組んでいくことが、最善の結果につながります。
また、病気や困難に負けないファイティング・スピリットも強くなります。

 

(2)今日一日の生きる目標に打ち込む

病気闘病中でも、できるだけこれまで通り社会人・家庭人としての仕事や役割・趣味・スポーツなど、日々の
生きる目標に取り組みましょう。
生き甲斐を継続し、病気や困難に打ち勝つための生きる意欲を大きくします。

 

(3)人のためになることを実行する

家族・友人のため、そしてまた広く社会の人々のためにも役立つ行動に取り組みましょう。
それは自分の存在価値を自覚し、生きる手応えを感じることにもなります。
それが生き甲斐の一つともなるのです。

 

(4)不安・死の恐怖はそのままに、今できる最善を尽くす

不安・死の恐怖が心に浮かんだ時に、それを心のやり繰りによって追い出そうとしても、困難であり不可能で
あることは、誰でも体験的に知っていることです。
したがって、無駄な努力はやめにして、不安・死の恐怖はそのまま放って置いて、今日一日可能な最善の行動に
取り組むことがお勧めです。
今現在の時間は、その建設的な行動に懸命に取り組んでいると、不安・死の恐怖と共存しやすくなっていきます。

 

(5)死を自然現象として理解し、もしもの場合の建設的な準備をする

死とは何か?―については、様々な考え方が存在しますが、生きがい療法では、科学的、常識的な観点から、
台風・地震・天候の変化などと同じ、人間の力では如何ともしがたい自然現象の一つだと理解することをお勧め
しています。
そして、自分の死への対処法としては、今できる建設的準備だけはしておくことを指針としています。
危機管理の研究においても、人が危機に直面した時に、最悪の場合に対する準備対策をすれば、その後の生きる
意欲が大幅に高くなるという効果が知られています。